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ポケモン赤を終えて。あの日少年たちが熱中した冒険の道を辿る。

ノンジャンル人生です。
やっとVC版ポケットモンスター赤をクリアしました。元々復刻パッケージに惹かれて買ったので、別に無理してクリアしなくてもいいよね?くらいの気持ちだったのですが、星のカービィスターアライズのクリア後、せっかく積んでいるし進めようかなぁと思いはじめました。

なんやかんやで全バッジを手に入れ、ロケット団を壊滅させ、殿堂入りしてミューツーをゲットしました。ハナダの洞窟まででゲットしたポケモンの種類はちょうど100!プレイ時間はさほどでもないのですが、やはり密の濃いゲームだなと後味を噛み締めております。

殿堂入り時のポケモンは、
・フリーザーLV52
・サンダースLV52
・スターミーLV52
・ピジョットLV36
・ニドキングLV49
・フシギバナLV53


フシギバナやフリーザーは昔遊んだときから入れていて、サンダース・スターミー・ニドキングは気になっていたので今回メンバー入りしました。ピジョットはフリーザーまでのつなぎでしたが、フリーザーの活躍機会は結局四天王戦くらいでしたね。

さて、やはり子供の頃に遊んだゲームを今やってみると、まったく違う視点で見えますね。ということで、あらためてレビューしてみたいと思います。

◆シリーズの原点・初代ポケモンを読み解く

まずグラフィックですが、モノクロ&大きいドットに関しては意外と気になりませんでした。画面構成やマップのレベルデザインがよく出来ているので、結果シンプルなビジュアルが上手く乗っている印象です。むしろ余計な部分がない見た目のおかげで「魅せるところはしっかり魅せる」ことが出来ています。初代のモンスターグラフィックは奇怪なものもあったりするんですけど(主にプクリン)、モンスター感を押し出せているのははっきりとしたビジュアルづくりのおかげだと思います。

グラフィックの良くない部分としては、戦闘エフェクトでの点滅が気になりました。「10まんボルト」のときのエフェクトとか目に良くないですよね。アレ。当時アニメでポケモンショックがありましたけど、その時期のはやりだったのかもしれません。

プレイ快適性に関しては、当たり前かもしれませんが、やはり現在のシリーズに比べると格段に劣りますね。メニュー操作はレスポンスが悪いのとボタンを押す回数が多かったです。ボックス周りは一括で入れ替えできず、ボックス替えの手間も感じました。特に良くなかったのはアイテムの整理。所持限界数が少ない上、パソコンに預けられる数も少ないがため、使わないわざマシンが邪魔で仕方ありませんでした。ここらへんは、やはりシリーズで順当に進化してきたことを感じました。

そして、肝心のゲーム内容について。本作のキモは所持できるポケモンの数と一匹が覚えられる技の数にあり、限られたリソースをうまく組んでカバーしながら構成することになります。ポケモンというゲームは育成できるカードゲームに近く、プレイヤーが魅力的に思えた構成をじっくり育てていける上、ひとりでも友達とでも遊ぶことが出来るのが非常に良いです。

そこに好奇心をそそられるモンスター、そのモンスターと共存している世界観、集めきれるラインをギリギリ越えているが交換でカバーできる収集要素、軽快で印象深いBGMと、いくつもの魅力的な要素がコンセプトを核に奇跡的バランスで成り立っているのが、ポケモンがヒットした理由なんじゃないかと思います。

ただ対戦ゲームとしては強すぎるわざ(はかいこうせんやふぶきの仕様)やタイプ間の格差などがかなり多く、ここを土台として調整スタートしてしまったのはシリーズの不幸かなと思います。今やネットを介すことで凄まじい規模になったポケモンバトルですが、育成に掛かりすぎる手間や覚えなければいけない要素の多さなど、参加する敷居の高さに戸惑うことがあります。昔から引き継がれた要素を簡単にリセットできないからこそ、現在の開発側が苦心する様子がうかがい知れます。

◆ポケモンが誘う、ひと夏の大冒険

ポケモンはMOTHERから影響を受けて作られたというのは有名な話です。そして主人公の家のテレビに映し出されているのは映画「スタンド・バイ・ミー」らしきシーン。自分の知らない世界をめぐり大人になって帰ってくる行きて帰りし物語という物語構造を、ポケモンでは明確になぞっています。

では実際自分が少年の頃に遊んだ時はどうだったか。前回のnoteに書いたとおり、あの頃の少年たちはポケモンを手にしたことで外に遊びに行く理由を手に入れてました。ポケモンはほとんど知らないような同級生とすら繋がる特別なツールでした。

そんなポケモンのゲームの中で繰り広げられる冒険は、現実とゲームの中の境界があいまいになる、不思議なものでした。あの頃、生まれ育った町は大きな都市に行くまで時間がかかる田舎であり、滅多に行けない遠い大都会はテレビの中のファンタジーでした。でもポケモンの世界ではいくつもの街を巡りポケモンを集める壮大な旅をし、現実でも同級生とポケモン交換をするために出かけている。閉鎖された田舎という世界を破り、空想と現実が混ざることで、あの日の少年はゲームの枠を超えた大冒険をしていたのかも知れません。

大人になってから再会し、再び訪れる旅の終わりと共に思い出したのは、確か夏のある日。近所にできた大きな文化施設の玄関に同級生たちと集まりポケモンをした想い出。別に大したことのない夏の一コマですが、今でも記憶の底に焼き付いています。


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