続き⑥

海に身投げをしたけど気がついたら病院のベッドの上。朦朧としながらも人の気配がして目を向けると養父がいた。警察もいた。医師が入ってきて容体について説明してたけど覚えてない。医師や警察が帰ったあと母親が入ってきて平手打ちされた。心配してーではない。「面倒ばっかり起こしてあんたなんか死にたいならちゃんと死になさいよ!」って言われたのは鮮明に今でも覚えている。さすがに養父も母親が言った言葉に引いていた。病室で言い争う両親。死ねなかった自分。これから先また生きていかなきゃいけないのかと絶望感。次の日には退院し、養父がホテルをとってくれた。「しばらくここにいなさい。ご飯は買ってきてあげるから。それとここにいたいか?愛知県におじいちゃんたちがいる。そこに行くのはイヤか?」って言われた。正直こんなとこ出て行きたい、いたくない。母親と暮らしたくない。でもおじいちゃんたちには数えるぐらいしか会った事ない。見知らぬ土地と親しくない人との生活が怖かった。でもここにいるよりはマシだと思った。養父に「おじいちゃんたちは優しい?私が行っても受け入れてくれるの?学校とかどうなるの?お金とか、、、」養父は「おじいちゃんは無口で寡黙な人で厳しいとこもあるけど間違った事は言わないし、根はすごく優しい。お前の事を話ししたら今すぐこっちに連れてこいって言ってる。おばあちゃんはすごく優しいし、世話好き。お前の事をすごく心配してる」って養父が言って「そうなんだ、、、行って迷惑じゃないかな?」「迷惑だなんて思わないよ。ごめんな。守ってやれなくて。妹が高校卒業まではあいつとは離婚できない」私は「妹にも私みたいな事されたらどうするの?私がいなくなったら妹に暴力振うかも。伯父さんが今度は妹に手を出すかも」って泣き出した。養父は「妹には暴力は出さないようにする。お父さん長距離やめようと思う。ギャンブルもやめる。伯父さんは捕まったから手は出せない。いろんな噂で妹は辛い思いするかもしれないけど妹まではおじいちゃんは面倒見れないって言うからお父さんが守るよ。本当ごめんな。お前を守ってやれなくて、、、」と養父が泣いたのを見たのは2度目。でも嬉しかった。養父の気持ちが、、、。特に身支度する程の荷物もなく養父と妹と一緒に愛知県へ向かっておじいちゃんたちとホテルのロビーで会った。おばあちゃんが私を抱きしめる。泣いていた。
養父とおじいちゃんは離れてこれからの事を話していた。私と妹とおばあちゃんはケーキを食べながら待っていておばあちゃんは優しくて今まで生きてきてこんなに安心したのは初めてだった。まだ幼い妹は理解してなかったと思うけど、妹とこれから離れて暮らすのは寂しかったし、妹に母親が暴力振うんじゃないかって不安でいっぱいだった。
その日、養父と私と妹はホテルに泊まり初めて養父と長く会話をした。楽しかった。でもすごく泣いた、、、次の日、おじいちゃんとおばあちゃんが迎えに来て養父と妹と別れおじいちゃんの家に着いた。
つづく

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