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38歳、美少女戦士!

子供の頃、ごっこ遊びが好きだった。
何かになったつもりで遊ぶのがごっこ遊びだが、妄想の世界は無限大。
何にでもなることができる。
医者、科学者、お母さん、学校の先生、モデル…
特に私は妄想や空想が好きで、いわゆる「メルヘン」な世界に生きていた。
サンタクロースや妖精の存在も信じていたし、世界の平和を救う美少女戦士、魔法少女的な存在にも憧れていた。

しゃべる黒猫が突然現れる。
魔法使いのビー玉的なものが足元に転がってくる。
「ママ!なんで早く起こしてくれなかったの!」と食パンをかじりながら家を出る…
あぁ、憧れのシチュエーション!!

しかし子供ながらに、私は美少女ではない事にも気が付いていた。
私は世界を救う的な存在にはならないかも…と薄々感じて落ち込んだりもした。
でも、美少女じゃなくても、人員不足的な問題で世界の平和を担うための戦士に選ばれるかも!!
そう思い準備していたが、38歳になってしまった。
現実と妄想の狭間を彷徨いながらも、月日は過ぎ看護師として荒波に揉まれながらいい感じに闇の世界の存在も知った。
この闇の世界とは、疲労や多忙に心を支配されてしまいダークサイドへ堕ちてしまうことである。
一度足を踏み入れてしまえば、愛と光の国に戻ることは難しい。
自分を取り戻し、愛することを思い出して這い上がるしかない。
「私ばっかり…」という呪縛から抜け出すのだ。
そうしなければ、子供の頃に夢見た戦士たちに退治される側になってしまう。

待てよ、あの美少女戦士達だって表面は笑顔だが、裏ではグチも言うだろう。
「あの時、私が見せ場だったよね?フォーメーションわかってる?」
「あのセリフ、私と被るからやめてくれる?」
ってな感じだ。
私は、戦士達にアイドルは排泄しない的な幻想を抱いていたのかも知れない。
戦士たちに人類の未来を託すだけでなく、こうあるべき!!という幻想まで抱いてしまうのは禁物だ。
闇があるから光を見出す事ができるのだ。

私は私なりに病棟の戦士として頑張ろう。

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