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読むまちづくり

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#ボランティア

町内会の加入率を高める方法について、copilotとおしゃべりして教えてもらった

町内会の加入率を高める方法について、copilotとおしゃべりして教えてもらった。 自分:町内会の加入率を高めることに成功した事例について報告している論文を10本検索し、その内容について、500字でレポートしてください。 Copilot:町内会の加入率を高める成功事例についての論文レポート 町内会の加入率を高めるための成功事例について、以下の論文を調査しました。これらの研究は町内会の活性化や加入促進に関する有益な知見を提供しています。 「ソーシャル・キャピタルとしての町

モテるまちづくり再論〜「ゆるさ」と「楽しさ」からまちづくりをはじめなおすために

某自治体から、市民の地域活動者向けに、まちづくりを進めるための実践活動の手法や考え方を学ぶまちづくり講座を依頼された。頂いたお題は4点、「そもそもまちづくりとは何か?」「何をすればまちづくりがうまくいったと言えるのか?」「新しい仲間づくりを楽しむためには?」「まちづくり活動のゆるさ、わくわく感を大事にするにはどうしたらいいか?」というものである。 この自治体では地域自治政策を推し進めているが、自治をまともにやろうとすればするほど、地域組織は悩んでしまう。言い換えれば、これま

地域自治組織の国際比較から考える、自治会の役割〜あるいは「依頼をボイコットする自由がある」という意味の自治について

地域自治組織の国際比較に関する報告から こないだ、地域自治組織の国際比較に関する研究会で、イギリスのパリッシュと中国の居民委員会に詳しいゲストの話を聞きながら、日本の自治会の特性と将来を考えた。それぞれを比較することで、それぞれの立ち位置、制度の背景にある思想みたいなものがより浮き彫りにして理解できたように思う。 研究会での議論の詳細は割愛するが、議論の中で面白かったことをメモしておきたい。 イギリスのパリッシュと中国の居民委員会比較対象として面白かったのが中国だ。中国

同じ「まちづくり」でもブルジョワジーのプレイスタイルとプロレタリアートのプレイスタイルがあるという話

私は拙著「純粋でポップな限界のまちづくり」(2017年)の中で、まちづくりで飯を食うためのメカニズムをモデル化し、「まち飯モデル」と名付けて提唱した。 まちづくりが「まちの人なら誰でも使える公共財づくり」を意味する言葉である以上、必然的にフリーライダーが出現する。商品をタダで持っていかれるわけだから、一般的な私的財を商うのと違って、儲からない。それゆえ、まちづくりで飯を食うのは難しい。

学生ボランティア活動者を募集する活動(略して「ボ募活」)に関する一考察

学生ボランティア活動者を募集する活動(略して「ボ募活」)を「マッチング募集」と「動員募集」に分けて整理するまちづくり活動の多くはボランティア活動に依存している。だから活動者は時間をお金に置き換える必要のない高齢者に偏りがちだし、慢性的に人手が不足している。そのため、若い労働力への期待が根強い。しかしいくら若くても、勤め人には時間がない。そこで、定職についておらず時間に余裕がある(と信じられている)若い労働力として学生ボランティアに期待するようになる。 学生ボランティアの募

まちづくりプラットフォームとしての「スタジモにしのみや」の話。

2023年9月23日に実施された「@スタジモ×大感謝祭 スタジモにしのみやってなんだったの会議 スタジモの歴史を振り返って未来を考える」にスピーカーとしてお招きいただいた。そこで話したことを記録しておく。 この場の問題意識は、スタジモにしのみやの8年を振り返る、というものであった。スタジモにしのみや(以下、スタジモ)は阪急阪神ホールディングス系企業が西宮ガーデンズ内に2015年に開設したコミュニティスペースで、多くの市民に愛されたが、西宮ガーデンズのリニューアル工事に伴って

「若者に優しい」まちとプチブル〜あるいは感情経済を回す感情労働の話

役者やミュージシャン志望の「若者に優しい」まちの、「やさしさ」とは何か京都で20年くらい小演劇というかお芝居の、本流と言うよりは端っこの方に関わってきた。大学のときの先輩が役者で、彼に頼まれて脚本を書いたり演出をしたり、時々音楽の操作なんかもしている程度だ。とはいえ、楽屋で他の演者さんとやりとりもするし、箱主の話も耳に入ってくる。 京都っていうのは若い役者志望者やミュージシャンに優しいまちだという。そもそもが学生の街で、大学の時からそういう表現活動を始めて、そのまままちに居

ボランティアは市場取引であり効用を生む消費とは本来別だが、取引自体が快楽を生む消費行為ならどうか、問題

ちょっと前の話になるが、とあるシンポジウムに登壇した。そこで話をしていて連想したことをメモしておきたい。 市場経済ではタイムイズマネーなのでボランティアはともすれば機会コストがかかって損になる 地域のまちづくり活動は市民の有志によるボランティア活動っていうものに依存している。例えば「学生がボランティアで高齢者にスマホを教える」みたいな話が典型的だ。 さて、このようなボランティア活動を眺めた時、抽象的な問題が浮かび上がる。ご存知の通り私たちは資本主義経済の中に生きているわけ

いわゆる「ボランタリーなまちづくり」と「コミュニティビジネス」は何が違うのか

ボランタリーなまちづくりもお金を儲けないといけない時代よく「コミュニティビジネス」という言葉が使われる。しかし、最近はいわゆるボランタリーなまちづくりでも補助金などに頼らず何らかの形で収益をあげる仕組みを作ることが望ましいとされる向きもある。ボランタリーなまちづくりであっても、相応にお金を得ていかないといけないとなると、いわゆるまちづくりと何が違うのか、すっきりとわかりやすい説明がいまいちしづらいと感じることがある。 一般的にはコミュニティビジネスとは、ビジネスの手法を用い

ボランティアにも「失業」があり得るって話。

前回の続き。 ボランティアにも「失業」がある

ボランティア活動における「やりがい搾取」がなぜ起こるのか考える

いま、大学でボランティアについて教えていて、改めて考えていることで、「やりがい搾取」というものがある。 Wikipediaによると、労働者に「やりがい」を強く意識させることでサービス残業や無賃労働を勧奨し、本来支払うべき賃金や料金の支払いを免れる行為をいうそうだ。東京大学教授で教育社会学者の本田由紀により名付けられた。 「交換」と「消費」と「効用」に分けて考える

道具的な目的としての方便の話と、まちづくりやボランティアという言葉の道具的性格について

最近お友達と話していて面白かったことで。 方便という言葉がある。もとは仏教用語で、ある目的を達成するための、便宜的な仮の目的のことを指す。それでいうと、一見目的らしく見えることでさえ、実は手段なのである。例えば「お金を得るのが目的です」といったところで、「なぜお金がほしいのか」というと「何かを買うためです」みたいな話になる。つまり一見目的に見えることでさえ、手段なのである。 よく、手段を目的化してはいけない、という警句が語られる。しかし逆に、目的の手段化というものもあるわ

ボランティアへの動機はどんな学習から発生するのか、という話

三谷はるよ. (2013). 市民参加は学習の帰結か?―ボランティア行動の社会化プロセス―. ノンプロフィット・レビュー, 13(2), 37-46.を読みました。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/janpora/13/2/13_37/_pdf/-char/ja 住民参加のまちづくりがボランティア活動に強く依存していることはよく知られているが、そのボランティアをする、しないを何がわけるのか、ということに関しては、あまり現場レベルでも

ボランティアを「自主性」「社会性」「無償性」のグラデーションから考える

住民参加のまちづくり活動においてボランティアという言葉は切っても切り離せない。なぜなら大半の活動はボランティア活動に強く依存しているからだ。 しかし、改めてボランティアとは何かということを考えると説明の難しい概念だとわかる。あためてボランティアとは何か問題について考えた内容をメモしておきたい。 ボランティアを成立させる「自主性」「社会性」「無償性」 ボランティアという言葉はあいまいな概念である。例えば厚生労働省社会・援護局地域福祉課「ボランティアについて」(https:/