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いめ 2


・地獄

大きな穴があった。
そこから湯気が出ていて、その湯気を見た瞬間。
ああ、ここは地獄か、と思った。

私は大きな穴に近づき、ゆっくりと穴を覗いた。すると下の方が赤く光っていた。

地獄って、やっぱり赤いんだ。

そこで終わった。
地獄は赤くて暗い所だという印象が影響されて、あんな夢を見たのだろうか。
普通見るか?
地獄の夢なんて。

そうか。最近ダンテの神曲・地獄篇を読んだから見たのかもしれない。
あの本の影響か。


・願い事

ある晩、泉の夢を見た。
泉には大きな赤い鳥居が建っていた。桟橋が申し訳程度にあって、私はその桟橋の行き止まりまで歩いて、そして願った。
ーー弟が欲しいです。

祈りを捧げた後、家に帰った。
家に帰ると、家族はちょうどご飯を食べていて、それでーー。

見知らぬ男の子が一緒にご飯を食べていた。
彼はまるで最初から、ここの家族であったかのように…堂々と座って食べていた……。

あの夢はどういう意味合いがあったのだろう?
別に弟が欲しいと思ってもいなかったのに。


・図工室のトイレ

小学校に通っていた頃、嫌だなと感じた場所があった。
別館にあった図工室の近くにあった女子トイレ。
何故こんな話をするのかと言うとーー。

私が高校生の時、あそこのトイレの夢を一度だけ見た事があるからだ。

夢の中で私はそこのトイレの鏡を見ていたーー。
鏡をずっと見つめていると、後ろに白い帽子を被った女性が立っていた。彼女の顔が見えそうになった瞬間。
目が覚めた。

その日は普通に学校に行って、教室にいると。

「ねえねえ。ヤミコさんって帽子を被っているんだって」
とクラスメイトの会話が聞こえてきた。

この話は実際私が体験した話だ。
私もヤミコさんの話は知っている。と言っても花子さんのライバルだという情報しか知らないが。

何故私はあんな夢を見たのだろう?
あそこのトイレに何かいたのだろうか?
そのトイレにいる何者かの霊力が、たまたま私の所までやって来て、あのおかしな夢を見てしまったのだろうか。

彼女は何者だったのだろうか。
そして私がその帽子を被った彼女の夢を見た日に、どうしてクラスメイトはあんな話題を友人と話していたのだろうか。

これは偶然に起こった事だったのだろうか。
今でも私は不思議に思う。


・イタズラしてはダメだよ

蜜柑を食べた後、母がコタツで寝始めた。
そんな母を見て、私の中でイタズラ心がむくむくと首をもたげた。寝ている母の肘に、蜜柑の皮を擦り付けてみたのだ。
本当は食べ物で遊んではダメなんだけどね。

そうしたら母が少しうなされ始めたので、私は少し面白いと思った。
やがて母は目を覚ました。
「嫌な夢を見た」
と目に手を当てながら話し始めた。

夢の中で、母の肘に髪の長い女性がずっと纏わりついて不気味だったという。よく寝ている人の寝言に対して返事をしてはいけないと聞くけれど、寝ている人にイタズラをしてはいけないと私は思った。


・白昼夢?

あれはいつだったかな。
コタツが出ていたから、恐らく季節は冬。

あまりにも眠くて、よくないけれどコタツでウトウトしていた。
完全には眠りについていない状態で横になっていた。

カチャ。
鍵の音が響く。
あれ帰ってきたのかな。
コタツで寝ているところを見られるのはマズイ。
私は寝ぼけまなこをこすりながら体を起こすと。

いつまで経っても家族が入ってこない。
もしかして夢でも見ていたのかな。
もう一度寝ようと横になる。

うつらうつらとしていると。
居間の引き戸が開いて、誰かが入って来るのが見えた。

瞬間私はパッと目を見開いて体を再び起こした。
でも……誰もいなかった。

・瞼の裏に……。

これも私がコタツで、うつらうつらとしていた場面での話だ。
もうすぐで眠りにつきそうになった瞬間ーー。

いきなり女の顔が……。
私のほうに近づいて来たのだ。

目を瞑っているはずなのに、女の顔が見えたのだ。
私は驚いて目を見開いた。
だけど目の前には……誰もいなかった。

瞼裏で、何かが見えるときがあるのだろうか。
有り得るのだろうか……。

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