人に相談されたらどうしていいかわからなくなってしまう。という話
相談してくれて嬉しい、けれどもその時の私はとても困っていた
ある日のことです。私は友人から相談を受けていました。
簡単に言うと彼女は今、心が疲れてしまっていて何をどうしていいか分からない。
今まで当たり前に出来ていたものが出来なくなっている現状がつらい。
こうしたものでした。
私はその時、そうした自分がつらい状態の時に相談をする存在に自分を選んでもらえたことがとても嬉しかったのです。
彼女とは中学校からの付き合いになるので、自分にとっても大切な存在。私に出来ることがあるならば、何でもしてあげたいと強く思いました。
しかし、その時の私はとても困ってしまったのです。
一体この子にどんな言葉を、どんな対応をしてあげるのが正解なのかと。
私の一挙手一投足で少なからず彼女に良い影響も悪い影響も与えてしまうのではないか。
そう思ってしまっていました。
この時の私はどうしてあげるのが正解だったのでしょうか。
大事にしている「共感」、けれどもそれは全てできないという考え
私は人とのコミュニケーションの中で「共感」を大事にしています。
違う生き方、違う価値観をもっているのが人間です。
その中で、相手に共感すること、相手の立場に立って物事を考えることで、自分とは異なる存在である相手に限りなく近づくことはできる。
そうすることで相手との信頼関係が生まれるのではないかと考えています。
一方で、相手の全てを分かってあげることは出来ないと思います。
その人にはその人の考え方、価値観があり、その人だけの経験をもっています。そしてそれは誰のものでもなくその人だけのものです。
この人私と同じ考え方だ。と感じることがあっても、突き詰めていけばどこかで違いは現れるものです。
というような考え方をもっている私なので、例えば自分が悩んでいたりする状況の時に、相手は善意100%で「分かるよ」と励まし、慰めの言葉をかけてくれたとて、私は「いや、あなたに私の何が分かるのよ」と思ってしまうのです。
(文章で改めてみると最低な奴ですね、私。)
だからこそ、あの時の私はとても困ってしまったのです。
日々のコミュニケーションにおいて共感を重要視していますが、こうした相談事、つまり相手が苦しんでいる場面において、迂闊に共感してしまっていいのだろうか。
恐らくこの状況において、共感をしてあげた方がいい場面、してはいけない場面の両者が存在しているのだと思います。
しかしまだまだ未熟者な私には、その判断をするのが怖かったのです。なぜなら、私の一つの判断ミスで大切な友人を傷つけてしまう可能性が存在したからです。
背中を押すのではなく、寄り添う、あるいは隣に並ぶという選択肢
こうした自身の状況は、早急にどうにかしないといけない!
と強く思い、じゃあ、自分は相談に対してどのように向き合っていくのか。自分が出した結論が
背中を押すのではなく、隣に並ぶ
というものでした。
今の私の目標は、思考の整理のお手伝いが出来ればいいな。という風に考えています。
相手から求められたらもちろん、何か一つの結論が出せるようにサポートはしますが、今の私にはその力量が備わっているとは思えません。
だからこそ、その答えを導くための道筋をきれいにする。というお手伝いをしたいと感じました。
実際に私も大なり小なり人に相談をしたことがありますが、実際に自分で人に説明をしても、意外ととっちらかっていることが多くあって、相手がそれに対して、「つまりこういうことだね」とか「これをこうしたら、こういう風になったんだ。その時あなたはこう思ったんだね」とか、そういう風に整理してくれるだけで、自分の頭の中で点だったものが線になったり、今まで自分が見えていなかったものがパッと見えてくる。というような経験がありました。
私はそういうやり方で、力になりたいと思いました。
もちろん、相手がそこから何か動き出そうとしたとき、援助は惜しまないということも一緒に伝えられたらと思います。
私には、悩んでいる人に対して、背中を押してあげることは難しいのかもしれません。けれども、相手の隣に立って背中に手を添えてあげる。そうしたことは出来るのかもしれません。
これが、今の私と相談事に対しての向き合い方だと感じています。
分かっているようで分かっていないことばかり
人から相談をされると、「なんで気がついてあげられなかったんだろう」とか、「あの時もっとこうしてあげればよかったんじゃ」と思うこともあります。
付き合いが長くなればなるほど、少なくとも他の子に比べてあの子のことは自分は理解しているだろう。あの子のことを私は分かってあげれてるんじゃないか。と思う場面に出くわすものです。
けれども、こういった思考は自己満足でしかないんだよな。と今回この文章を記していて強く感じました。
分かった気になっている事が1番怖いことだとも感じます。
だからこそ、人との関わりあいの中で相手と向き合うことをやめちゃいけないんだと思います。
今回はこうした、自分と相談事についての思考を記してみました。