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どっちを選ぶ? 外装変速機と内装変速機

なんとなく書き始めて、自分には主観でしか書けないとはいっても、けっこう難しいテーマでした。ずっと下書きのまま修正していましたが、そろそろ時間切れ。いつまでたっても納得できなさそうなので公開するととします。

インター8仕様のブロンプトンを今後どうするかにあたって、外装変速機と内装変速機について整理してみます。先に、外装2速モデルから外装多段化に至った話を投稿しました。今回は外装変速機と内装変速機の違い、用途、好みについて書いてみます。
上の写真は左から内装変速機(インター8)、外装変速機(バイクフライデー/汎用)、外装変速機(ブロンプトン/専用)です。


個人的なイメージ、選び方は…

ブロンプトンについて、次のようなイメージを持っています。あくまで個人的なイメージです。

  • 内装変速機。基本のブロンプトン。 6速モデルも基本は内装変速機。
    輪行と街中、散策などのちょっとしたポタリングから中距離程度までなら普通に走れる。がんばれば長距離もいけるけど、走るほど脚に疲労が来る。(後述)

  • 外装2速。シンプルで軽快な走りのブロンプトン。輪行と街中、ポタリング。平地ならけっこうな距離を走れそう。

  • 外装4速。高級、軽量、スポーティー。わりと長距離、峠もいけそう。

次にそれぞれの特徴を振り返ってみます。

内装変速機のメリット = 外装変速機のデメリット

ギアチェンジのしやすさ

内装変速機は停止時にシフターを動かしても問題なく変速してくれるのがメリットの一つです。スポーツ車に乗っていれば外装変速機に慣れていますから、あまり大きなメリットでもないようにも思いますが、実際に意識して両方乗ってみると、内装変速機はシフト操作が楽だと感じます。

ギアチェンジの小気味良さ

内装変速機、外装変速機、それぞれの機種にもよると思いますが、内装変速機の変速は外装変速機のようなガシャン、ガシャンといような感じでは無く、カシャ、カシャと小気味良い感じがします。個人的な印象かもしれませんが…

外装変速機のママチャリも…

この記事を書いていて気がついたのですが、外装変速機のママチャリをけっこう見ました。ずっと、ママチャリは内装変速機だろうと思い込んでいたので驚きでした。外装変速機のハードルは意外と低いのかもしれません。

ディレイラーが無いため、これに関連するトラブルが無い

内装変速機は内部の構造は複雑ですが、外観はシンプルな構造でディレイラーが無いため、以下のようなメリットが大きいと思います。

  • チェーンの外れが少ない。

  • ディレイラーの破損などのトラブルが無い。

  • 草など異物を巻き込む可能性が低い。

特に小径車の場合、外装変速機のディレイラーは地面に近いため、一般車に比べて石にぶつかったり、異物を巻き込む可能性が高いです。冒頭の写真の真ん中のバイクフライデーですが、購入当時はもっとケージの長いディレイラーがついていて、深い砂利道を走るとタイヤが沈み込むため、ディレイラーが路面にあたっていました。
ブロンプトンの場合、内装変速機でもチェーンテンショナーがあるので、トラブルは考えられます。ただし、高い位置にあるので、外装変速機ほど異物の巻き込みや衝撃による損傷は少ないと思います。

外装変速機のディレイラー、ディレイラーハンガーの損傷

ブロンプトンの外装変速機は特殊な専用品なのでので該当しませんが、汎用的な外装変速機をもつ自転車にはディレイラーハンガーがあります。転倒時などには、ディレイラー本体、ディレイラーハンガーの損傷が考えられます。
アルミなどの鉄以外のフレームの場合、ディレイラーハンガーは別体の部品になっています。今まで所有したアルミやカーボンのフレームの自転車については、予備のディレイラーハンガーを持っていました。
クロモリフレームの場合、曲がっても戻せるのと、折れた場合も溶接できるため、フレームと一体型になっていることが多いようです。バイクライデーもフレームと一体型です。別体型の方が旅先のトラブルなどで自分で交換できて便利のように思ってしまいますし、折れることへの不安もあります。

ディレイラーガード(外装変速機)

折りたたみ自転車の場合、折りたたむとディレイラーが内側になるため、パイプ状のディレイラーガードは取り付けられないケースが多いと思います。私は折りたたみ自転車以外でも、クイックリリースに挟んで固定する小さなディレイラーガードをつけています。(冒頭の写真の真ん中の外装変速機) これが効果があるのか、逆に悪影響を及ぼしたりしないか、疑問と不安を感じながらもずっとつけています。幸か不幸か、効果を感じたことはありません。

メンテナンスの違い

内装変速機のメリットとして、チェーンへの注油は必要ですが、複数のスプロケット、ディレイラーがないため、ここを清掃したり、注油したりするメンテナンスが不要です。隙間が小さくて油でほこりや土などがたまりやすいので、けっこう清掃が面倒な部分です。ブロンプトンの場合、内装変速機でもチェーンテンショナーがあるので、この部分の清掃は必要です。
内装変速機の場合、ベルトドライブ、シャフトドライブという駆動方式も考えられるので、この場合は、ほぼメンテナンスフリーといってもいいかもしれません。
ただし、内装変速機自体は完全なメンテナンスフリーではないため、機種により異なると思いますが、数年単位くらいで内部の洗浄、注油のメンテナンスが必要です。オーバーホールでもしない限り、個人でもできる作業かもしれませんが、そのために必要な用品等を揃えることを考えるとショップに依頼した方がよさそうです。
これを楽だと思うか、面倒だと思うか…

内装変速機のデメリット = 外装変速機のメリット

ギア比の選択、変更

内装変速機のギア比は製品の仕様により固定となります。スプロケットを交換して、全体を重い方、軽い方に変更することはできますが、個々のギアの変更はできません。
内装変速機の多段化(変速機そのものの変更)については、導入したもののギアの構成が期待したものではなかったという話もあるので、確認しておく必要があります。広い幅を期待していたものの、同じ幅で刻みが多くなっただけとか、欲しかったのは軽いギアだったのに…など。
外装変速機では異なった組み合わせのスプロケットセットがラインナップされていたり、一つ一つスプロケットを入れ替えたりすることができるので、繋がりを重視した組み合わせにしたり、幅の広い組み合わせで組むことができます。また、最新のコンポーネントに変えたり、自由度が大きいです。
インター8のギア構成については常時すべてのギアを使うことはありませんが、その分、登り坂など特別な状況で使えるギアもあり、充分な構成で気に入っています。

重い(重量)

製品にもよると思いますが、内装変速機の重量は重いです。多段であるほど重く、インター8はけっこう重いです。

重い?(走り・回転)

これも製品により違いがあると思います。個人的な感覚ですが、元々重いイメージがあるせいもあって、ちょっと乗った感じでは、純正の3速もインター8もけっこう軽く感じます。しかし、疲れてくるとなんとなく遊星歯車の摩擦がネバーっと脚にくる感じがします。距離を走れば走るほど… 普段はけっこう軽いなぁと思うのですが… これが外装変速機のブロンプトンが欲しくなって増車した理由の一つです。それでも、インター8で平地の100km程度の走行や阿蘇のサイクリングも楽しんでいました。

リアホイールの脱着のしにくさと…作業時のリスク

よく内装変速機はホイールを外しにくいと言われます。変速機自体がホイール(ハブ内部)にあるため、ワイヤーと変速機をつなぐ部品があるためだと思います。機種により仕組みは異なります。純正の3速の脱着は確かに面倒だと思いました。インター8もハブ内部の変速機をシフトする部品があるので、これを脱着する必要があります。それでも、慣れればたいした手間ではありません。純正3速でも同じでしょう。
しかし、野外でのパンク修理時において、これらの部品の紛失や破損を考えると、外装変速機の方が脱着のしやすさと合わせてトラブルのリスクが低いと思います。

カスタムについて

小径車への幅の広いハブの適用について

小径車に幅の広いハブを入れると、スポークが短いため、ハブとリム間のスポークの角度が大きくなります。ホイールを組むのも大変だと思いますが、これによるトラブルも考えられます。無理に取り付けていると、スポークが折れてしまうようです。インター8の話か汎用的なディレイラーを使った多段化の話だったか覚えていませんが、そのようなカスタムでスポークがポキポキ折れたという話を聞いたことがありました。
インター8仕様のブロンプトンに乗っているというと、トラブルがあるよとか、やめた方がいいという話を何度か聞かされました。私の場合は河原を走ったり、ちょっとした段差を下りたり、けっこうラフな乗り方をしてきましたがトラブルはありませんでした。

スポークの取り回し。ちょっと気になるものも…

トラブルに強いのはどっち?

内装変速機は壊れたら最悪、走行不能?修理の費用は?

内装変速機の内部構造に詳しくないので実際どうなのかわかりませんが、内装変速機は内部の遊星歯車が壊れた場合、壊れ方によっては動かなくなるかもしれません。修理するときも費用が大きそうです。そもそも壊れ方によっては修理が可能かどうか…

外装変速機なら壊れてもシングルで走れる?

ブロンプトンの外装変速機も含めて、最悪、チェーンカッターとコネクティングピンなど予備のパーツがあればシングルギアで走れるんじゃないかとも思います。

最悪はフリーハブのトラブルか…

本当の最悪はフリーハブが回らなくなるとか空回りするとかいうトラブルかもしれません。これを書いている時、こんなトラブルなんてめったにないだろうと思っていましたが、海外サイクリングのテレビ番組でフリーハブが空回りするトラブルにあっていてびっくりしました。そのときは車で街の自転車屋さんに行って直してもらっていました。ホイール交換でなく分解修理していて、またびっくりしました。
大平原などでこんなトラブルにあったらと思うとぞっとします。応急措置で固定させることができれば…スプロケットとスポークを針金で固定して、ゆっくり走るとか…?そう考えると、肉抜きの穴の空いた大きなスプロケットを持つ多段の外装変速機がいいように思えてきます。
後日、YouTubeで長旅には予備のフリーハブボディを持ってくという動画も観ました。

壊れても、折りたたみ自転車なら…

内装変速機でも外装変速機でも壊れることはあるので、あまり考えてもしょうがないことかもしれません。
ブロンプトンの場合、専用部品を旅先で調達するのは難しいように思います。
折りたたみ自転車の場合、サイクリングはあきらめて輪行で残りの旅を楽しむこともできます。
ただ、交通機関も無く人も通らないようなところで壊れたことを考えた方がいい場合は、外装変速機を選んだ方がなんとか動かせる状態にできる可能性があると思います。

どっちがいいかは好みと使い方?

内装変速機はメカメカしさが好きな人もいるかもしれません。私はけっこうそういうところが好きです。趣味性の高いものであるため、性能やメリット、デメリットだけでは説明できないこともあると思います。

長距離を走ったり、壊れても一人でなんとかできるようにというような極端な状況を考える必要があれば、外装変速機だけで構成するのがいいと思います。
そんな必要がなければ、純正の内装3速もシンプルで使いやすくていいと思います。重さも許容範囲かと思います。(現在はラインナップから外れているのですね…)
平地メインで気軽に乗るならシングルがかっこいいなぁと思うのですが、なかなかそうも割り切れません。
標準の6速は乗ったことがないのでわかりませんが、6速もあれば充分という気がする反面、フロントとリアの使い分けと同じように、内装と外装の組み合わせは、外装、内装の多段変速機の場合とは使い勝手が異なると思います。12速(内装3速 × 外装4速)なんてどういう使い方をするんだろうと思ってしまいます。

多段化するなら…

以前と違って、ブロンプトンで多段化するなら外装変速機でしょう。外装4速モデル (P Line, T Line) が登場してから、社外品のカスタムパーツによる多段化も選択肢が広がりました。リアフレームの加工無しで 5速、7速…に対応できるのは驚きでした。

内装変速機の進化は…?

ブロンプトンの場合、外装変速機の進化による恩恵が大きいと思いますが、内装変速機はどうなのでしょう?かつては5速もあったのに…
今の時代、内装変速機は電動アシスト自転車用での進化がメインになるのかなとも思います。
軽くてブロンプトンのエンド幅の多段の内装変速機があってもニーズは少ないのでしょうか…

今後は…

インター8機の今後について、先日、5速化したローラッカーのホイールを交換したので、純正の2速用のホイールがあります。しかも一体化の5速のスプロケットがついています。同じ5速にするか、外した2速の部品で純正2速とするか…
いずれにしても、広げられたリアフレームを元に戻す必要があることがハードルです。

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