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水に沈むドラムセット

ブルースで夜中にずっと雨が降っているという歌がある。

こんなに雨が振り続ける夜だから、なんだか、世界中が雨のような気がしている、という歌詞はなんだか寡黙な男の背中みたいでカッコいい。

しかし、だ。21世紀は同じ日本国内でさえ、天気が異なることが瞬時にわかるのでドラマチックでもなんでもない。佐賀で大雨であっても、東京では渋谷の街をかったるそうに歩く子や、TDLではしゃいでる様子が液晶の向こう側で見て取れる。大雨 の佐賀県民はちょっとだけ「なんだかなぁ」と思った令和元年の8月28日。

会社を臨時休業したと力なく笑う経営者もいた。

トイレの下水が満杯になり、うんこが逆流してきたと友人が泣いた。

月末なのに仕事が捗らず、苦笑する俺がいる。

店や自宅が水没して、困り果てる人のいる。

ライブハウスが水没したとSNSで知った。写真はドラムセット。多分、乾かせても使うことはできまいね、残念だけど。今もこの時間、1時間あたり数十ミリ弱の雨が降り続けているだけ。50年に一度など気象台は言ってるが、そんなの気にしない。

水没したアンプ、ドラムセット、なぜか泳ぐ錦鯉(近所の堀から脱出)。

おかしみの中の悲しみ。今日という日は忘れられない。

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