見出し画像

他人の◯◯を笑うなとようやくわかった

「人のセックスを笑うな」と言うタイトルは、本屋で同性愛か何かの本を前にした客のリアクションに言及するところからついた。

沢尻エリカが数年前にクラブでクネクネ踊っている動画がネット上で流れて、「かっこ悪い」とかの言葉を目にした。

「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損」と言う言葉があるが、他人がクラブで踊る姿を嘲るより、自分が笑いながら踊っている方がはるかに好き。

写真は地域で毎週開催されている地域の剣道稽古会。中学生くらいからエライ先生まで数十人が集まって稽古している。昔取った杵柄で稽古される爺さん達も多い。体は動かない、刃筋は微妙、かかとはベタ足、正直言って弱い。高校生達にボコボコ打たれる。

私も高校時代「なんでこんな下手なおっちゃんが稽古来るんだろう、恥ずかしくないのかな」などとふざけたこと思ってた(一応経験者三段)。

私は嘲笑う方だった。

思春期の頃は仕方がない。隠キャ、陽キャなどで自分で自分たちを定義しちゃうし、そこに囚われる。知識が先行して経験とのバランスが変だから、嘲笑うことで仲間とのコミュニケーションを取る。シニカルな俺、かっこいい。

厳密にはキャラは社会に出てもついてまわるが、仕事の際は全て個性になるから、もう誰もそこに興味がない。60歳すぎて「あの人、隠キャだよね」なんて話題になることもなく、なんなら「あの人のこだわり、すごいね」などと言われで一目置かれることもある。たとえそれがスターウォーズやガンダムであったとしても。あるとすれば同窓会くらいかな。それすら歳を重ねたら仕事や生活で陰陽逆転してる場合もあるからどうでもいいのだけれど。

日本的な差別意識は「見えない差別」がややこしい。見た目、宗教、異なる文化などの「見える差別」はまだ分かりやすい。

日本人は空気を大事にするって言うけど、多種多様な人種に囲まれた海外なんて、もっと空気を読み合う社会だし、日本だけが特別ではない。

嘲笑う、というのに激しく反応してしまうのは私の中でまだまだその特性があるからで。そしてもっと若くてクラブで踊ったことも、なんなら自分が踊ってる姿を他人から褒められたり、バカにされた経験がなかったら、きっと沢尻エリカの動画で嘲笑っていただろうとも思う。

じゃあ、若者にそんな経験を伝えようとしたとする。すると18歳の私は思う、「うぜぇ」と。がんじがらめな嘲笑う感覚。

最低のシメ方だが、どうすればいいの?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?