Roguebook - 一風変わったslay the spire風ゲーム

久しぶりです、少し書きたくなったのでちょっと前にやっていたゲームの紹介をば。

今回紹介するのはこちらの『Roguebook』というゲームです。ジャンル的にはslay the spireとかと似た、使えるコストが毎ターン存在して、そのコストを用いてカードを使って、敵を攻撃して倒す、って感じのゲームなんですが、この手のゲームとしては結構チャレンジングな要素も多くて面白いので紹介します。

まず一つ目に目を引くのは、操作キャラが二体いる、ということ。初期は2体しか出ていませんが、最終的に4体のキャラから2体の組み合わせを選び、その二人でゲームを進めていく、という感じになってます。
この二人という要素をこのゲームはうまく使っていて、

・二人それぞれに体力ゲージが設定されている
・前衛が基本的には攻撃を受ける、防御系カードは前衛に大体出る
・攻撃系でも前に出るカードがある
・前衛・後衛のどちらかにいる時に恩恵のあるスキル・アイテムが存在する
・前衛・後衛のどちらかにいる時にコストが下がったり威力が変わるカードが存在する
・相方のカードを先に使うことでコストが下がるカードが存在する

などなど、2体という要素をうまく絡めて色んな所にギミックを作っています。これのおかげで、「このカード威力高いけど前に出ちゃうから次後ろに引っ込められなかったらしんどいな」とか、「こっちを前に置きたいから先に別キャラの防御切った方が良いな」とか、色々考える要素が増えます。デッキが膨らむ前からキャラ入れ替えの要素がシステム的にあるので、序盤は結構難しく、ミスすることもしばしばですが、慣れれば割と理解しやすいいい仕組みだと思います。加えて、デッキをどちらか一方のキャラに偏重させることの抑制にもなっており、これもまた個人的にはgoodですね。


二つ目に、ルート選択式ではなくエリアを塗っていく感じで進めるのが中々に新鮮味があります。
このゲームは世界を本に見立てており、そのマップへ筆やインクを使うことで道を開拓し、前に進んでいく、という仕組みなのです。このゲームでは金やカード、イベントやレリックと呼ばれるアイテム、そして敵ですらも最初から表示されているとは限らず、強化のためにそれらを探していく必要があります。まっすぐに線を引けるインクで離れたエリアへ赴き、周囲を塗りつぶす筆でその一帯に良いアイテムがないかを確認する、というのが基本になります。敵を倒せばインクや筆が手に入るので、それを使って更に周囲を確認して、って感じですね。
よくこの手のゲームにありがちな、縛り的な要素は勿論このゲームにもあり、
・敵の強化
・金銭面の縛り
・インクはじめとする視界関連の縛り
この三つを振っていく感じになっており、これから見てもわかるように、筆やインクの要素はかなり重要視されています。ここを縛るとマップを思うように解放できず、強化に結びつけられずしんどい、って流れが出て、これはslay the spireライク系でも他にはない遊び味だな、って感覚。


三つ目に、デッキ戦略が他のゲームと結構違います。
この手のゲームはデッキを圧縮し圧縮し、最低カードでぶん回すのが強い、という結論に至りがちです。おそらく製作者さんもそこにテコ入れをしたかったのでしょう、このゲームではデッキの枚数ごとに、キャラ1・キャラ2・共通の3つから選び、何かしらの能力が取得できます。例えば、「特定のカードを使った時のダメージを増やす」「このキャラを前衛でターンエンドした時次のターンカードを一枚多く引く」「店での購入価格を2割減する」など、結構強力なラインナップが並びます。これを取得することでデッキを膨らませるデメリットをある程度帳消しに出来ます。といっても、恐らく相応に進んだら流石にデッキ圧縮の必要が出てくるんでしょうが、今のところ難易度アップが全体の半分程度なら、デッキガン盛でも割と戦えてる印象。正直最低カードで回すのあんまり好きじゃないので、結構このシステムは好き。
また、ジェムという概念もあり、これが拡張性を高めています。カードにスロットが存在し、このスロットにジェムを嵌めることで新たな性能を付与する、というシステムで、例えば「ブロックを4得る」「カードを一枚引く」なんて使いやすいモノから、「ブロックを得る代わりに2倍の攻撃力を与える」なんてものまで並んでいて、これを付けることでカードのコンセプトを大きく変えられます。例えば前述のブロックを得る代わりに~を付けると、コスト高めブロックカードがコスト高めアタックカードに様変わりするわけで、これを駆使すると雑にカードを取っても後から対応できたりします。こういうデッキの粗をリカバーできるシステムあるのは、めちゃめちゃありがたい。
加えて、最初は解放されてませんが、ゲームを進めるとフラッシュというジェムも解放され、これは他のジェムと被らない、全てのカードに使える強力な効果を有する代わりに、一回使用で砕けるジェムになってます。内容としては、「カードを3枚引く」「30ブロック得る」などですね。戦闘前は勿論、戦闘中にもジェムを付けられるので、フラッシュを残しておいて、ヤバい時に緊急回避的に使うのは、かなりこのゲーム独自だな、と。
あと個人的に好きな要素に味方カードがあります。使うと召喚でき、毎ターン攻撃してくれる味方や、前衛後衛を入れ替えてくれる味方、移動するたびに敵全体にダメージを与えてくれる味方、毎ターン特定のカードを手札に入れてくれる味方などそのバリエーションが豊かで面白いカードばかりです。最大6体くらい?まで召喚可能で、全員火力にして敵をぼこ殴りにしたり、支援役を織り交ぜ出来ることの幅を広げたり、これも拡張性を高める一つのエッセンスで、結構好きです。


と、ここまで語ってきましたが、Roguebookの魅力を少しでも知っていただけたら幸いです。基本難易度自体は慣れると割と低めで、恐らく難易度アップ前提で組んでるんだろうなぁ、って感じの本作。slay the spire系統ではありますが、かなり独自性も高く、面白い、と一押しできる出来なので、もしここまで読んでくださっている方がいたら、購入をしてみるのもいかがでしょうか。


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