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就活、辞めました

1986年2月生まれ、ギリギリ就職氷河期世代。
最終学歴は専門学校。
成績は悪くなく、年間で3つ以上の資格を取ったし、卒業制作で作った作品がクラス代表で外部の卒業制作展に出展されたこともあった。

物事に対して真面目に、着実に取り組むタイプの私。
就職活動時期には合同企業説明会に積極的に参加したり、お祈りメールをいただいてもきちんと気持ちを切り替えて次の採用試験を受けたりしていた。

「成績に問題がなく、しっかり就職活動をしている人」
きちんと就職先を決めた上で卒業するように見えていたであろう19歳の私は、ある日突然担任に「就活辞める宣言」をして一悶着を起こしたのだ。


私が入学したインテリア系の学科は初めてできた学科で、それまでは建築に特化した学科しかなかった。
その影響で求人はハウスメーカーの営業や建設会社の事務などが多く、学校に寄せられる求人の中から「この仕事ならいいかも」と思えるものを見つけるだけでも一苦労。
不採用を重ねれば重ねるほど選択肢はより狭まるし、クラスメートが続々と内定を勝ち取っているのに自分はいつまで経ってもお祈りメールしか貰えない。
そんな状況に焦りに焦って、次第に「もうなんでもいいからとにかく採用通知が欲しい」と思うようになった。


今この記事を書くために当時を振り返ってみると、「15社くらい試験を受けた気がする」程度の記憶しかなく、どの会社の試験を受けたか覚えているのは2社しかない。
つまり、焦る前から興味のない業種の試験を受け続けていたのだ。
それは履歴書や面接で伝わっていただろうから、不採用は当然の結果だし、今となってはどこにも採用されていなくてよかったとも思える。


「もうなんでもいい」と思いながら採用試験を受けること数社。
ふと、「私何やってるんだろう」「なんのためにこんなことしてるんだろう」という疑問が頭をよぎった。

そこから、自分についてじっくり考えてみることに。

子供の頃抱いていた将来の夢
高校生の時にたくさんの可能性の中からこの学科で学ぶことを決めた理由
進むべき道はどこなのか

私は、インテリア雑貨が好きだった。
ただ眺めるだけでもいいし、実際に触れてみたり、飾ったりするのが楽しくて仕方がない。
だから「いつか自分のお店を持って好きなものに囲まれて暮らしたり、自分がいいと思ったものを他の人にも共有したい」という夢を持ち、インテリアについて学ぶことを決めた。

今ある求人は、私が進みたい道に続かない。
それに気づいた瞬間に、まずは母に自分の気持ちを伝えた。
母は私の気持ちを理解し、「やりたいようにやるのがいい」と言ってくれた。

そして担任にも「就活辞める宣言」をし、「俺(担任)が納得できる説明をしろ」などと言われ少しの言い合いになった。
実際に担任が納得できる説明をしたのかは記憶にないが、私は宣言通り、就職先を決めないまま専門学校を卒業した。

これが私の一度目の人生の転機。
「就職先を決めて学校を卒業する」という常識にとらわれず、自由に生きるための一歩を踏み出した。

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