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観劇白書2020

副題:演劇界もwithコロナ

2020年は131回の小劇場観劇を行いました。2019年が306回だったことを考えると大激減です。それもこれもコロナのやつのせいです絶許!!!
なので今年は例年のまとめかたよりも緊急事態宣言による自粛前と自粛明け後での数値の変化をメインにまとめていきたいと思います

 ちなみに2019年の観劇白書はこちら
     2018年の観劇白書はこちら
     2017年の観劇白書はこちら

【データの定義について】

○公演数と作品数の数え方
・基本的に1枚のチケットで複数の団体の作品が一度に鑑賞できるものについては1公演と数える
・同じ作家・演出家による作品が1ステージ内で複数上演される場合も1公演として扱う(〇〇短編集など)
・同じ作品内容でもダブルキャストなど出演者が異なるもの、バージョン違いの公演についてはリピートとしては扱わず、それぞれ1公演として集計する
・同じ作品内容だが劇場が変わり演出も意味合いが変わるものについてもそれぞれ1公演として集計する

○料金区分
 無料またはフリーカンパ制の公演を「無料」とし、有料のものは価格帯ごとに分類する。また、分類の基準には各種割引制度(初日割や先行予約も含む)を使わず、最も一般的な方法で前売予約を行った場合の価格を用いる。(ワンドリンク付きの場合はドリンク代も含む)

○時間区分
 上演時間については前説によるアナウンスや公式サイトでの発表・公演関係者から直接聞いたもの、終演後に時計を確認した実測値などが混在しており、必ずしも正確ではない(前後5~10 分程度の誤差を許容する)ものとする。

○客席数区分
 客席数については劇場・スタジオHPや劇場情報サイト等の数値を元に、実際の舞台装置や客席の配置を考慮し分類する
※なお、2020年はコロナの影響で本来の座席数より減らされた席数での公演となっており、それに合わせた数値としている


【観劇数】

(期間:2020年1月1日~12月31日)
観劇公演回数:131回 (前年比-175回)
※コロナによる自粛前の観劇数:55回 自粛明け:76回
リピート分を除いた純公演数:122回 (前年比-129回)
リピートした公演数:9公演 (前年比-30公演)
観劇作品数:147作品 ※リピート含まず (前年比-151作品)
出演役者数:のべ1176人 ※リピート含まず (前年比-1460人)
観た役者数:893人 (前年比-844人)

観劇数2020

 上記グラフの通り新型コロナの影響で公演中止や延期が相次ぎ、観劇数にも影響が出た。そのため観劇数131回はここ数年で一番少ない回数となった。緊急事態宣言が明けて6月頃からだんだんと観劇回数も回復してきたが年末に入り第三波の影響が出てくる形で2020年が終わった
 一月あたり約11回の観劇を行っており、一番多い月は1月の22回。一番少ない月は演劇が行われなかった5月の0回だった

【各項目平均値】

各種平均2020_2

131公演の平均値は上図の通りとなった
(満足度のみ147作品の平均値)
 2020年については新型コロナによる影響を確認するため、自粛前と自粛後に分けてデータを表記した
表の通り、自粛明け後は収容人数の半分に席数を減らすという施策と符合する形で平均席数が半分以下となっていることがわかる
また、席数を減らしたことによりチケット代が高くなっており、出演者や上演時間も減少するという、公演を行うためのリスク軽減が値で表れている

【チケット代】

 ここからは各項目を軸にデータを確認していく
まずはチケット代

チケット代2020

オレンジのグラフが自粛前の値、灰色のグラフが自粛明け後、青が2020年全体です
自粛前は3500円以上のチケットは38%だったのに対し自粛明け後は51%とチケットの価格帯が上振れしていることがわかります
体感としてもチケットが高くなっていると思っていましたが、自粛前は2500円~3500円あたりがメインだった価格帯が自粛明け後は3500円~4000円以上にシフトしていたようです。
※2019年もメイン帯は2500~3500円でした(下図参照)
これは指針により劇場の席数を減らさなければ行けなかったため、チケット代を上げざるを得なかったものと思われます

2019観劇白書4

また月別平均チケット代のグラフを見ると、通常チケット代は月平均すると非常に安定した値となっているところが、自粛明け以降は不安定な状態となっている。11月12月は特に上振れしているが、これはこの時期から上演時間がもとに戻ってきており小規模の公演ではなく通常規模の公演が増えたことによりチケット代も高くなってきたのだと思われる

平均チケット代2020

【客席数】

続いては客席数

席数2020_2

 公演会場の客席数の割合は2020年全体でいうと50席以上100席未満が一番多かった。
また、自粛明け後は客席数が制限されたため20席以上50席未満が全体の半分を占めるようになった。2019年と比べても席数が下振れしていることがわかる

平均客席数2020

月別の観劇した公演の平均客席数もグラフにした
コロナにより半分程度の客席数となり、11月12月はその数値が回復傾向にあったことがわかる

【上演時間】

上演時間2020

 上演時間については自粛明け後には60分未満の公演が多くなっており、2020年全体としてみても2019年と比べて60分未満の公演の増加および120分以上の公演の減少が見て取れる
しかし、公演時間については自粛前と自粛明け後で他の指標と比べるとそこまで大きな変化はないようにも見える。これは感染対策として作品自体の長さを変えることは優先して行われるものでは無いことが要因だとも思われる

平均上演時間2020

月別で見ても自粛明け後はやや短い傾向にあったが11月からもとに戻っている

【出演者数】

出演者2020

 出演者については自粛明け後は10人未満の公演が6割と自粛前や前年と比べ1割ほど増えている。また15人以上の公演の割合が前年度は2割程度会ったのに対し自粛明け後は1割も無くなっており、密を避けるといった観点から出演者数を減らしている傾向があると考えられる

【満足度】

満足度2020

 観劇した際には必ず作品の満足度を付けておりその割合を示すグラフとなる(最大100pt)
満足度については自粛前と自粛明け後では大きな変化は見られない。しかし2020年は満足度が86pt以上の公演が約6割と前年の4割と比べて大きく上昇している。これは観劇数が少なくなった分、観劇する公演を厳選したことが影響したものと思われる

【予約日について】

予約日2020

 2020年は当日券観劇を行わなかった。観劇数が少なくなったためきちっと予定を決めて行動した結果だと思われる
また自粛明け後は席数が減ったことも有り、早めの予約を行っている傾向が見られる

【観劇時間帯について】

時間帯2020

 公演を観に行った時間帯についてはソワレよりもマチネが多くなっていた

【劇場について】

劇場2020

使用回数が多かった主な劇場が上図となる
2020年はシアターミラクルでの観劇が多かった。

【総括】

2020年を語る上ではやはり新型コロナと緊急事態宣言の影響は避けて語れない。そのため観劇データまとめについてもその影響を確認する上でも例年と結果の表示を一部変えた。
全体的に前年や自粛前と自粛明け後で比べたときにコロナの影響がわかりやすく出ていた。また11月以降は回復傾向にあることも見て取れる
しかし1月時点でまた1都3県に緊急事態宣言が発令されるなど、2020年も座席数やチケット代などが影響を受け続けていくものと思われる


#観劇 #小劇場 #演劇 #観劇データ #データ分析

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