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誰かのいる雑多感と誰もいない安心感

ものすごく久々にひとり旅をしています。
勘が鈍りすぎているのか、フライトギリギリに空港に到着して。「間に合わないかもしれない」
「仕事だからちゃんとがんばって」
「でも間に合わないかもしれない」
「そしたら帰ってラーメンでも食べよう」
そんなゆるめなLINEの会話を同居人の伊佐さんと繰り広げながら、なんとか奇跡的に飛行機に間に合った。びっくりした。成田空港はどうやら世界の果てにあるらしい(周辺住まいの方ごめんなさい)

飛行機の中では仕事しようと思っていたのだけれど、ふと本が読みたくなって「ペンギンハイウェイ」を手に取る。大好きな森見登美彦さんの、さらに格別大好きな作品。最近は映画化したと聞いて、嬉しい半分ちょこっと寂しい。なんていうか、ペンギンハイウェイは森見さん好きの間だけで語られる「やっぱこれだよね」って、くすり笑いあう作品だったような気がしてたから。

だなんて自分勝手がすぎる。すごい面白いから、たくさんのひとに知ってほしい気持ちも嘘じゃないよ。

1時間30分ほどのフライトでついた札幌は、ものすごーーく肌寒くって、なんか「違う土地にきた」感覚がした。ひとりにはあまりにも広すぎるairbnbの物件にチェックインをして、荷物を放り出して近くのラーメン屋さんへ。

歩いている途中に「誰かのいる雑多感。誰もいない安心感」という言葉は浮かんだので、頭にめもる。

わたしはひとりっこな上に学校に通うのが大嫌いだったので、自然とひとりぼっちでいることに慣れてしまったし、居心地が良くなってしまった。
誰かとずーっと一緒にいることは楽しいけれど、数日続くと、もう表に出たくなくなってしまう。多分、使い慣れてないエネルギーを使い果たして、ぐったりしてしまうんだと思う。

だから、ひとり旅は心細いけど、寂しくはない。むしろ、心地よい。
よくそんな心地よさを「息を深くまで吸い込める」ってわたしは表現するのだけど、今回の札幌旅はまさに、ゆっくり息が吸い込めそうな予感がします。 

心の中がリセットされていくこの感覚ってなんなんだろう。
他人と長いこといると、心の中がざわざわ、ざわざわしてしまう。

でも、人といることは好きなんだよなあ。なんだろう、人の気配がするのは好き。難しいねえ。 

とりあえず大人になって「ひとり旅」というスキルを手に入れた自分には拍手喝采を送りたい。めいっぱい、心の赴くまま明日は出かけてみよう。 

うん。よくやった。 


今日も、良い夢を。


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