見出し画像

広報がマーケティングを学び始めて見えていること #PRLT Advent Calendar 2018

この記事は、「広報LT大会 #PRLT Advent Calendar 2018」の12/17の記事です。
https://adventar.org/calendars/3533

先日開催された #PRLT で、広報ノウハウほぼなしのエモトークLTをした中根です。
広報ノウハウほぼなし個人的振り返りLTでしたが(他の方の発表を見ながら、広報ノウハウをもう少し入れればよかったと思いました汗)、聞いていただいた皆様はその思いの部分をたくさん受け止めてくださいました。うれしかったです! 本当にありがとうございます。

あのLTには、数年間、自分の仕事に自信が持てず、ろくに何も発信できなかった私の反省が詰まっています。ぜひ発表資料を読んでいただきたいですし、ちょっと勇気が出たならぜひLTしてみていただきたいです!
アウトプットはインプットを促進させる装置なのだ、と思えば気楽になりませんか? 自分の当たり前は人の当たり前ではないし、学びをおすそ分けできればいいのです。あんなに温かい発表の場なんて他にないです。

2回目のLTはどきどきも少なくなって、自分の成長を感じました。LTしてくれる人がもっと増えるといいなあと、いち参加者として思っています。たくさんの視点から学びたい。


------------


さて、本題はここからです。
LTの場でも宣言したのですが、来年に向けていくつか挑戦したいことがあり、思考を巡らせています。
今回はそれの導入として、「広報とマーケティングのすみ分け」について今考えていることをまとめようと思います。


広報の立場からマーケティングを見る

所属企業の方向性や組織改変の影響もあり、今年はマーケティングの視点を学ぶ必要性を強く感じ、半年ほど前から各所で学んできました。

これまでも、外に出て多くの方とお話しする中で、兼務の方などから情報をいただく機会は多くありました。広報業界で言われていることと、マーケティング業界で言われていることは似ているなとは思っており、興味はありましたが、ちゃんと学ぼう、マーケターとして活動しようと思ったのは初めてです。

なお、私の属性は以下です。

・IT企業2社経験(前職800人→現職30人)
・広報歴約7年。全てインハウス。社内広報、社内調整のスキルが強い
・社外広報は、BtoBビジネスでの、自社発信手段を活用した企業広報の経験が多い
・前職でWEB担当3年、管理会計担当半年の経験あり
・前職は上場企業(上場期間では2年半在籍)
・この半年学んだのは、BtoBビジネスにおけるマーケティング


行ったイベント、読んだ本に関する投稿の一部をご紹介します。

(夏に開催されたBigbeat LIVEに行ったのはマーケティングを学びはじめたころ。1日中、マーケのことを多角的に聞けて、初心者にら学びが多すぎて頭が爆発しそうになっていました)


このアドベントカレンダーの12/12の記事にあったイベントにも行っておりました。こちらのレポートも是非!
私は、このイベントに行って、広報とマーケティングの間で、お互いのことについて認識を合わせられるように学んだことをアウトプットしようと決めました。


ちなみに、『マーケティングの仕事と年収のリアル』(ハッシュタグ #マーケリアル )は、キャリア例を並べただけの本ではなく、ビジネス側面からマーケティング業務や年収等のメカニズムまで明らかにしていて本当によかったので、未読の方には是非読んでいただきたいです。


広報とマーケティングのすみ分けで、今見えていること

マーケティングという概念は非常に広いものです。どうやらBtoB、BtoCでも事情が違うようです。
私もまだマーケティングを学んで半年のため、視点が偏っている可能性もありますが、来年以降精度の高いアウトプットを出すために、まずは粗くてもアウトプットします。


【仮説1】マーケティングの人は広報PRのことを「宣伝」に寄って捉えがち

これはある程度致し方なく、マーケティングの4Pに「Promotion」があるためだと思います。

・Product(製品)
・Promotion(購買喚起)
・Place(販売チャネル)
・Price(価格)

間違いと言い切るほどのことではなく微妙なところなのですが、広報の活動は、必ずしも宣伝だけが目的ではないです。

広報がよく言っているキーワード「PR」とは「Public Relations」のことを指しています。社会にいる各ステークホルダーとの関係構築のことです。

例えば、以下などが含まれます。
これ以外にもあって(対業界や対政府など)、それらもまとめて「Public Relations」と総称します。

・メディアとの関係構築(これが一般的に広報の仕事とみられやすいですね)「Media Relations」
・顧客との関係構築「Customer Relations」
・投資家との関係構築(特に上場企業がIRと呼んでいるものです)「Investor Relations」


このように広報の人はPRのことを「Public Relations」であると把握していますが、マーケティングの人は「Promotion」と把握しているとするならば、広報の人がつい略称の「PR」を使用して話を進めた際、認識齟齬に気づかず事をややこしくしてしまいます。これが本当に起こっているのではないかと、よく感じます。


【仮説2】広報の人はマーケティングをプロモーション側面でしか見られていない傾向が強い

広報の人が「Promotion」の範囲でマーケティングを語る傾向があるのもひとつ事情があります。それは、「広報の人=無料だがコントロールできないメディア掲載で露出させること」「マーケティングの人=お金を払って広告を出すことで露出させること」という対比関係が成立するからです。
そのせいか、時折、広告出稿に関わることの範囲のみを指す温度感でマーケティングとおっしゃる方もいます。

先に申し上げた通り、マーケティングには4つのPがあります。実は商品開発や販売チャネル開拓などもマーケティングの一部です。
もちろん範囲が広いので、「マーケティングの全てをやっている」例は少ないです。ただ、マーケティングの人はその幅広さをご自身で把握し、ご自身がどの範囲でマーケティング業務に携わっているのかを認識されていると感じます。

特にIT企業は、無形で、インターネットというバーチャルな世界で事業をしているため、Promotion以外の3つのPのイメージが少なくなりやすい、もしくは別の言葉で同じ仕事を指している(事業開発などでしょうか)影響もあるのかなと思っています。


【仮説3】マーケティングは短期中期、広報は長期超長期で重要になる

期間は便宜上の表現です。先々を見る必要はどちらにもあります。ですが、企業活動の継続にはまず儲けを出す必要があります。そして継続できた先には、儲けの仕組みだけでは支持を集めることができず、その時に「企業人格」、すなわちその会社のスタンスが問われていきます。
いい人なだけでは儲からない、でも、生き残っていった時、最後には「いい」ことが求められるのです。


そして、「すみ分け」というこの記事の主旨で考えると、マーケティングは企業活動の全体像であり、広報はそれを行っていくにあたってのマインド部分に近いのでは、というのが今の私の結論です。
企業活動の全体像ということで、マーケティングは広報よりはフレームワークや手法を表しやすい印象があります。それゆえに、経営者と広報について話し合う時、マーケティングのことを知ってそれをベースに広報のことを話していくと、伝わりやすいのではという仮説を持ちました(お金とか数字とか、経営上大事であることに落としやすいため)。

広報とマーケティングの両方を経験した方が教えてくださるセミナーでも、類似の発言がありました。


経営で重要なのは「広報とマーケティングの掛け算」

会社は大きい組織のため、社員ごとに役割分担があります。役割分担することは部分最適になります、大きい会社であればなおさらです。部分最適は大変効率的な一方で、俯瞰視点が抜けやすいです。
本当は組織全体の結果で見なければいけなくて、そこに役割の貴賎はないはずです。俯瞰でみて2つの役割を掛け算で捉えるのが正しいのではないか、経営者はそう考えているのではないかと。

広報もマーケティングも、それぞれの業界でそれぞれの先駆者が業界を引っ張ってきてくださいました。だからこそ、捉え方がそれぞれの進化を遂げたともいえます。
稀に、広報の概念の方が上、マーケティングの概念の方が上などとおっしゃっているのを耳にすることがあります。しかしおそらく、概念の上下がどっちとか言っているうちは、この経営の視点にはなりにくいのでは、と個人的には感じます。

広報PRもマーケティングも概念的要素が強いがゆえに、どちらも人によって解釈が違い、指している範囲すら違っており、その度によくわからなくなり混乱します。でも、その度に、どちらも企業活動には必要で、だから役割を置いているという事実に行き着き、もっとお互いを知って、お互いの意義をわかり合わないといけないのでは、と気持ちを固くしています。

マーケティングはまだ半年しか学べていないので、来年も引き続き学び、もう少し頭の中をまとめてアウトプットしたいです。

#広報 #マーケティング #PublicRelations #Marketing

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?