アシロとイグロは　あさはやくから　もりのなかで　あそびました

アシロは　きのみを　ボールのようにけって　とんだり　はねたりしました

イグロは　はっぱを　バケツいっぱいに　あつめて　じっとみていました

ふたりは　よくにていますが　すきなことは　ちょっとちがうのです

あそんでいるうちに　おなかがすいて　しまったので　
もってきていた　グミをたべました

「わたしのは　すっぱい」　
「わたしのは　あまーい」

ふたりは　よくにていますが　すきなあじは　ちょっとちがうのです

おなかが　いっぱいになると　
アシロが　「おうちに　かえろうか」と　いいましたが　
イグロは　「まだ　かえらない」と　いやがりました　

すこしだけ　おおきな　アシロは　
すこしだけ　ちいさな　イグロのいうことをきいて　
はっぱのかげで　おひるねを　することにしました

はると　なつの　あいだの　
あつくも　さむくもない　もりのなか　
とりたちの　ピイピイという　こえと　
はっぱの　カサカサ　なるおとだけが　きこえます

アシロは　ぼんやりしながら　
「おうちにかえらなくて　よかったな」　とおもいました

ふたりは　すやすや　すやすや　
しずかで　あたたかい　もりのなかで　ねむりました