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愛の香り~I Feel You Linger In The Airドラマと原作小説の気ままな感想 第2話 

どうも、過去の名作を観続けているので最近新しいドラマが観られないnopopoです。
前回の私の気ままな感想をたくさんの方に読んでいただき、感想もいただきありがとうございました。
ドラマを観て思ったことをこうやって文章にしたものを、同じドラマファンの方と共有できるのはとても嬉しいことです。
今回もどうぞお付き合い宜しくお願いいたします。

ドラマネタバレだけでなく、原作小説のネタバレも大いに含みます。
ドラマ未視聴の方だけでなく小説未読の方も自己責任でお読みください。

※途中タイ語や英語がでてきます。辞書を元に調べていますが、タイ語学習初心者の翻訳だという点をご理解ください。
※タイ語が読めない方が多いと思うので、カタカナで読み方を書いていますが、タイ語には日本語にはない音があるため、その通りではありません。ご了承ください。

第2話

クンヤイ目線の夢と2人の出会い

第2話は第1話の冒頭でジョムが見た夢のシーンから始まります。
また同じか、と思って見ていたら、今度は夢の中のジョムとヤイ目線です。
1話ではっきり見えなかったヤイの顔が見え、やり取りからクンヤイだという事が確定します。

今回はアップで二人の様子が見えます。

2回目ですが、今回の方が2人が同じベッドで仲良く寝る中だという事がはっきり分かり、クンヤイの上半身にドキドキする・・・
そして、クンヤイがジョムが2人いるのを見て驚き、目が覚める・・・

・・・今回、目が覚めたのはクンヤイ
寝起きで前髪を下ろしているクンヤイはすごくかわいく見えます!
どうやら今回の夢はクンヤイ目線のようです。

BLドラマや小説でよくある両方の視点での話の展開。
同じシーンを二人の視点から描かれることでこれまで分からなかった相手の気持ちが分かり、よりキュンとします。
この視点交代、私は大好きです!!

クンヤイは川辺でジャスミンの花輪を作ります。
ジャスミンの花輪作り、すごく上手です。
そこへクンヤイの乳母プリックがやってきて花輪を作っているクンヤイに「何か理由でも?心配事ですか?」と。
その後のクンヤイとプリックのやり取りを聴いていると、どうやら何か心が落ち着かないときにクンヤイはジャスミンの花輪を作ることがあるようです。

このシーンでクンヤイはジャスミンの花輪を作るためにお皿にたくさんジャスミンの花を載せています。
プリックがもってきた水はジャスミンの花入り
プリックの紙にもジャスミンの花。
このシーンは見ているだけでジャスミンの香りが漂ってきます。
小説にもクンヤイはジャスミン入りのお水が好きだと書かれています。

ちょっと脱線。
このジャスミンのお水すごく気になっているんですが、日本でジャスミン入りのお水は用意できなかったので、ドライティーで気分だけ味わいました。
多分、フレッシュだともう少し香りがいいんだろうなあと思います。

⇩ジャスミンの花だけのお茶はここで購入しました

さて、ドラマに戻ります。
プリックに夢の話を打ち明けるクンヤイでしたが、クンヤイが男と親密な関係になっているという内容にプリックはこの内容を他言しないように言います。
ということは、この時代では同性同士の恋愛は社会的に認められていなかったのだと分かります。
この時のクンヤイ、せっかく打ち明けられる人が現れたのにそこで止められてしまって残念そうな顔をしていますね。

そんな時に空からプルメリアの花が飛んできます

ああ・・・これは1話の最後のシーンですね。
何度見ても素敵な出会いのシーンです!

じっと見ていたらジョムの船が転覆。
慌てて助けに飛び込むクンヤイ、かっこいい・・・
そして水の中で見つめ合う・・・これ1話でもありましたね。あの時とは容貌が違うヤイです。
そしてもう一つ違うのは、水のそのに出た時にちゃんと助けてくれた人がいるということ。
この対比、好きです。

水に落ちたのはジョムとミンの2人なのに、クンヤイが助けて「大丈夫か?」と声をかけたのはジョムだけ

ミンは自力で岸に上がってます。

もう、この時からジョムのことしか目に入っていませんね。

さて、原作小説なのですが、この第2話からドラマと小説は別の時間軸と設定が多くなります。
基本的な設定は同じなのですが、結構違います。
なので、小説を順に追っていくのではなく、ドラマの時間軸に合わせて小説からの補足を入れる形で書いていこうと思います。

この出会いのシーンは、小説にもあります。
ジョムとミンが乗った舟が市場に行くために川を通っていると、プルメリアの花の香りが風に乗って漂い、川沿いの東屋で本を読む麻のシャツとサテンのズボンを履いた男が東屋で本を読んでいるのにジョムが気付きます。

麻のシャツとサテンのズボンのクンヤイ、小説の衣装そのままです

舟が近づくと男も顔を上げ、ジョムに気付き二人は数秒間見つめ合います。
その時のジョムの様子は英語版ではこう書いてあります。

My heart beats fast for some unknown reason.
(なぜか心臓の鼓動が速くなる)意訳あり

I Feel You Linger in the Air英語版より

Something in his eyes somewhat struck my heart.
(彼の瞳に宿る何かが私の心を打った)

I Feel You Linger in the Air英語版より

容姿ではなく、何か惹かれるものが最初からあったんですね。
ドラマでもそうでした・・・

でも、小説だと1回目はそのまま通り過ぎ、お互い名前が分からないまま。
そして2回目に通りかかった時に、ジョムがミンに舟のこぎ方を教わります。ドラマにもそのシーンがありましたね。
小説ではここでジョムが「左利きだ」という台詞があり、ジョムが左利きだという事が分かります。ドラマだと映像なので最初から分かっていましたが。
そして、ジョムが大波に対応できずクンヤイの東屋のポールに舟ごと激突し、川に落ちます。クンヤイは川には飛び込まず、岸から手を差し伸べてジョムを助けてくれます。
やっぱりクンヤイが助けるのはジョムだけです・・・


過去のパラーティップ邸

ドラマに戻ります。
この後、ジョムとクンヤイが初めて対面します。
ミンの説明では「クンヤイはテープニティタム様とケーカイ様のご子息でパラーティップ邸のご主人」とのこと。
「パラーティップ邸!?」ジョムが驚きます。
それもそのはず、ジョムが現代で改修工事をしているお屋敷はパラーティップ邸なのですから。

これが昔のパラーティップ邸

まさかのお屋敷の昔の姿との対面にジョムは驚きを隠せません。
そこに登場するクンヤイ。

その時に流れるBGMはASIA7の「จอมขวัญ(ジョムクワン)」のインストバージョン
この曲がドラマ内で流れるときは基本幸せなシーンです。
驚きだけど、嬉しさが入り混じった驚きという事なのかな、と勝手に妄想してます。

小説でも、このお屋敷を見た時のジョムの驚きは表現されています。
小説だともっと後にこのシーンが出てきますが、クンヤイの元で働くことになる時にお屋敷が現代の改修工事をしている場所だと気づくのは同じです。

さて、ミンがクンヤイにジョムが迷い込んできて行く当てが無いので、クンヤイのお父様に合わせようかと思っていたと話をします。
クンヤイのお父様はとても権力があるようです。


なぜジョムは女の服を手に取ったのか?

ジョムとミンが家に服を着替えに戻ってきます。
そこで、ジョムはなぜかミンの母親の服を手に取りミンにからかわれます。
このシーン、最初見た時は、ジョムが昔の服がよく分からないからかな?と思っていました。
でも、原作小説にも似たようなシーンがあり、それは全く状況が違ったので、もしかしてそのオマージュなのかな?と考えるようになりました。

原作小説では、川に落ちてタイムスリップしたジョムは自分一人で岸にたどり着き、ロバート家の女性使用人の宿舎にたどり着きます。
ちょうどその日は新しい女性使用人が親に売り飛ばされて宿舎に来たばかりだったのですが、いなくなってしまいまい、そこに現れたのがジョム。
使用人たちは女だと思っていた使用人が男になって慌てますが、そのままジョムを使用人としてロバート家に連れていくことに。
その時にジョムが持っていった荷物は元女使用人のものだったので、ジョムは女の服を持っていったわけです。
それをミンに見つかり「こういうのが好きなのか?」と揶揄されます。

なんだか似てますよね?
話の流れ的にはどうでもいいんですが、個人的に気になったので。

一人で着替えるジョム。

その後、ジョムはミンに外に出てもらい一人で着替えます。
これをミンは不思議がります。
小説でも同じようなシーンがあり、昔は男性は上半身を見せても恥ずかしくなかったかもしれないけれど現代人は恥ずかしい、というようなことを書いてありました。


ジョムの使用人としての人生の始まり

さて、ドラマの中でジョムはクンヤイの母親であるケーカイに会い、クンヤイの頼みでクンヤイの元で働けることになりました。

座り方でその人となりが分かるこの写真。
ジョムは緊張していて、クンヤイはリラックス。
遠くから見ても、ケーカイは姿勢の良さから気品の高さが感じられます
クンヤイの母、ケーカイ

ドラマではジョムは上手く話せず、ケーカイは不審に思いながらもクンヤイを信じてジョムを雇います。
小説では、ジョムはちゃんと話をし、その言動にケーカイが感心して雇います。
それは、ドラマと小説では話の流れが違うのでそうなったんだろうなあと思います。
いずれにせよ、ジョムの性格はドラマも小説も同じです。

そして使用人たちが集まる仕事場に連れていかれ、そこでみんなに紹介されます。
そこにいるのはロバート家の使用人たち。
テープニティタム家とロバート家の使用人は同じ場所で働いているのでしょうか?
ここだけはよく分かりません。
こういうものなのでしょうか?

このシーンは短いですが、使用人たちの性格や関係性が一気に分かります。
真面目なヤイの乳母プリック、ミンの母メーンとおしゃべり好きなカイムック、庭師のスヤじいさんとジョムのことをあまりよく思っていないその娘ラムヤイ。
みんなそれぞれ個性的で、その個性を尊重し合って仕事しているのが素敵です。

小説では両家の使用人たちの暮らしは全く別で、ロバート家の使用人はテープニティタム家のことを良く知りません。
なので、ミンもテープニティタムどころかクンヤイの名前も知りませんでした。
ここは大きく違うところだなあと思います。
でも、2つの家の使用人が触れ合う事でこのドラマは面白くなっていると思います。


チェンマイの言葉の響きが素敵

このドラマの舞台はチェンマイです。
タイドラマをよく観る人だと、このドラマの使用人たちの話す言葉がいつも聞くタイ語と少し違う事に気が付くと思います。
最初は昔の言葉を使っているのかと思いました。(実際それもあるかと思います)
でも、これはチェンマイの話だったと思い出し、方言を調べてみたら、方言でしゃべっているようでした。
最初は聞きなれませんが、慣れてくるとその響きが素敵で、なんだかいいなあ、と思ってきました。
そして、ジョムやクンヤイは標準語を話しているので、その言葉の差がまた興味深い。(しかもクンヤイは古い言葉を使ってるし・・・)

例えば・・・
・ジョムがミンとミンの母と一緒に食事をするシーン。
 ミンが「食べてみろ、おいしいから」という字幕の時にタイ語で”おいしい”という意味の「อร่อย(アロイ)」ではなく”おいしい”の北の方言「ลำ(ラム)」という言葉が聞こえます。

ミンはおいしそうに食べるけど、ジョムはそうでもなさそうで、味が気になります・・・

・ムーイやカムティップは言葉の語尾に「ジャオ」を付けて話します。
 เจ๊า(ジャオ)は北の方言で女性が語尾に使う言葉です。
 「A Tale of Thousand Stars(千星物語)」でも女の子が「ジャオ」と言っていて可愛かったのを思い出します。

・儀式の準備中、いつもと違う服装のムーイにミンが「いつもよりきれいだ」という時も、”きれい”という意味の「สวย(スアイ)」ではなく、方言の「งาม(ンガーム)」が聞こえてきます。
 ムーイの「本当に?」という返しも「テーゴォ」と聞こえますよね?
 タイ語で”本当”は「จริง(ジン)」だけど、方言だと「แตๆ(テーテー)」で、疑問文につける「มั้ย(マイ)」は方言では「ก่อ(ゴォ)」になるんだそう。

3人ともいつもより素敵な衣装

方言は難しいけど、チェンマイの方言は聞いていて心地よくなってくるから不思議です。

⇩私がチェンマイの方言を調べるときに参考にしたサイト


ウアンプンとの出会い

夜、ウアンプンとムーイが散歩中、ジョムが池に飛び込むのを見かけて慌てて助けを呼びます。
助けてもらったジョムですが、水から出てきたら妹のソムジードにそっくりりなウアンプンを見て現代に戻ったと勘違い。

その気持ちは分かるけど、ウアンプンからしたら知らない人にしつこく迫られて恐怖以外の何物でもありません・・・
そこへロバートが助けに来て、ジョムが反抗したため大騒動・・・
クンヤイが来なければ、ミンもジョムももっとひどいことになっていたと思います。
クンヤイが来てほっとしました。


クンレックと子ブタのホープ

クンヤイの弟レックの子ブタが逃げてそれをうまく捕まえたことからジョムが子ブタのしつけ担当になります。
この子ブタはホープと名付けられ、ジョムの希望になります。
クンレックもホープも可愛い。
この子たちが出てくるシーンはひたすら癒しです。

子ブタのホープ

子豚のシーンの後、ミンと一緒に船で帰ってきたジョム。
バナナを持って帰ってきましたよね
小説ではホープの好物はバナナケーキで、バナナが足りなくなり、ミンに市場に連れていってもらうエピソードがあります。
このシーンはそのエピソードを取り入れたのかな、と思います。

実は小説では子ブタのホープについては全く違う話です。
ここで書くと訳が分からなくなるので、後で書きます。
クンレックについては本編にはほとんど出てきません。


クンヤイの気持ちがグッとくる招魂の儀式

ロバートの第二夫人を迎えて、招魂の儀式を行います。
その準備中、何気ない会話からミンがムーイのことを好きだとジョムは直感します。

ムーイ(右)
このミンの笑顔、すごく嬉しそう

このミンの態度と声の変わり方は、誰でも気づくと思う。

ウアンプンの一件でジョムのことを良く思っていないロバートの目につかないように、クンヤイがジョムを外に連れ出し、自分も途中で儀式を抜け出します。
そして、クンヤイがジョムの魂を呼び戻す。
「ジョム君の魂が戻ってきますように」
白い糸をジョムの手首に巻き、そのまま手を取って離さないクンヤイ・・・
え?いきなりそんなことありますか?

糸を巻いた後に手首をしっかりつかみ直してます

このとき二人は何をかんがえていたんでしょう。
まさかの急接近!

ずっと見つめ合う二人。
出逢って数日でこんなに人と見つめ合う事ありますか?

そして、なんと美しいシーンなのか・・・
このドラマは毎回感動的な美しさのシーンがあって、魅了されてしまいます。

この儀式のときは使用人たちの服が違います。
肌の露出が抑えられ、色も白です。
クンヤイやロバート、ウアンプンもみんな白を基調にした服を着ています。
そして、階級の違いでも服の違いが。

左からウアンプン、クンヤイ、ジョム、ミン、ムーイ
右の3人が使用人の衣装

同じ夫人のはずなのに、ウアンプンとフォンゲーウの衣装も違います。

良く見ると使用人より良い服を着ていますが、ウアンプンと比べれば華やかさが劣ります
ウアンプンが華やかなだけかもしれませんが・・・

フォンゲーウは使用人たちと服が似ています。
偉い人に嫁いでも家柄の違いで服も違うんでしょうか?
それとも原作ではフォンゲーウは使用人の一人でその中のお気に入りという立場なので、ドラマもその流れを汲んでいるんでしょうか。

この感動的な儀式、小説には出てきません。
それをこんな美しく感動的なシーンにして入れ込むなんて、制作陣のセンスが素晴らしすぎます!


フォンゲーウとカムセンは現代のトラウマのデジャヴ

ロバートの第二夫人であるフォンゲーウは現代のオームの婚約者カイムックにそっくり。

フォンゲーウ(左)とロバート(右)

そして、夜一人で抜け出し、船着き場で密会していた男はカムセンと呼ばれ、なんとオームにそっくり
抱き合う二人を見たジョムにとってその姿は現代のトラウマです・・・


エンディング曲に歌詞がついた!

さて、今回はここでエンディング。
曲はCOCKTAIL「ลั่นทม(ラントム)」でちゃんと歌詞がついています。
サビの部分から流れたのでそこの歌詞です。

เพราะรักของฉันจะนานกว่านั้น นานชั่วกัลป์กัป นานนิรันดร์
私の愛はそれよりも長く続くからです。永遠に、永遠に
จะไม่มีสิ่งไหนลบเลือนให้หายสิ้นกัน
完全に消去されるものは何もありません。
ดอกไม้ใดจะหอมนานเกินกว่านั้น ไม่มี
それ以上長く香り続ける花はありません。
เพราะรักของฉันคงอยู่เสมอ อยู่เพื่อเธอ และ เป็นของเธอ
なぜなら、私の愛はいつもあなたのためであり、あなたのものだからです。
กลิ่นหอมของความรักฉันจะติดตามพบเจอ
愛の香りを追いかけるよ
ตามพบเธอไม่มีโรยรา ไม่มีวันจาง
私があなたを見つけたとき、あなたは決して色褪せることはありませんでした。

Google翻訳そのままなので、ちょっと変なところもありますが、なんとなくのニュアンスは伝わるかなと思います。
もう招魂の儀式のシーンでクンヤイとジョムはこの歌詞の感じを醸し出していますよね。
胸熱です・・・


原作小説からの追記

第2話から原作小説と大きくストーリーが違うところがたくさん出てくるので、感想が難しいです。
原作小説の内容は、ストーリー順に書いていくとドラマのネタバレになるので、ドラマの時間軸基準でそこにプラスの形で書いています。
できるだけ分かりやすく書いているつもりですが、かえってややこしくしていたらすみません。

名前の呼び方

このドラマ、名前の呼び方が印象的ですよね。
「クン・ヤイ」
「ポー・ジョム」
「アーイ・カムセン」
私はこの3つの呼び方が好きです!

タイ語版原作小説にはほとんど注釈がありませんが、英語版にはこの呼び方についての注釈がついています。
タイの人にとっては理解できる範囲の呼び方が多いんでしょうね。
日本でも時代劇に「~殿」「~様」などの敬称がついても昔はこう言ってたんだろうなあと普通に理解できますが、日本人以外だと注釈が必要かもしれません。
そんな感じでしょうか?
この話はタイの話なので日本人からすると名前の呼び方がよく分からないと思うので、英語版の注釈を基に書こうと思います。

アイ(ไอ้):古い時代に同位又はそれ以下の地位の他の男性に使われる呼称

ミンの母やプリックはジョムのことを「アイ・ジョム」と呼んでましたね。
小説では、ミンも「アイ・ミン」と呼ばれています。

イー(อี):アイの女性版

ドラマの中ではカムティップがミンの母のことを「イー・メーン」と呼んでいました。
小説では、ムーイのことをミンが「イー・ムーイ」と呼んでいます。

ウイ(อุ๊ย):祖父母などの老人に使われる呼称       

これはタイ語版にも注釈があったので、現代はあまり使われていないのかもしれません。
ドラマではスヤじいさんは「ウイ・スヤ」と呼ばれています。

ナイ(นาย):男性の召使や一般的な人に使われる呼称、アイより丁寧

2話でクンヤイやクンレックはジョムのことを「ナイ・ジョム」と呼んでいます。
小説では秘書のジャンが「ナイ・ジャン」と呼ばれています。

クン(คุณ):地位の高い人や一般的な人に使われる丁寧な呼称

これは現代でも良く聞きますね。
昔の方が上下関係がはっきりしていたので、目上の人には必ずつけていたのかな、と思います。
2話では「クン・ヤイ」「クン・レック」「クンイン・ケーカイ」「クン・ウアンプン」などテープニティタム家の人たちはそう呼ばれていましたね。

ポー(พ่อ):タイの古い時代に他の男性に使われた呼称

最初から出てくる「ポー・ジョム」です。
2話では母親も「ポー・ヤイ」と呼んでいましたね。
どの程度の間柄で使うものなのかは調べても出てきませんでした。
これは推測ですが、このドラマを観る限りではただの男性につけるというより、親しい間柄で使われるのかな、と思います。

アーイ(อาย):年上の男性や恋人に使われる呼称

アイと似てるし小説英語版では同じ「Ai」表記ですが、発音も意味も違います。
ドラマでフォンゲーウが「アーイ・カムセン」と呼んでいたのが印象的。
あの呼び方、彼への愛がこもっていて好きです。

ルアン(หลวง):バンダーサックの五位。

バンダーサックとはタイの絶対君主制時代の官位制度だそうです。(Wikipediaより)
クンヤイの父親をミンが「ルアン・テープニティタム」と呼んでいました。
ルアンという官位を最初につけて呼んでいます。

プラヤー(พระยา):バンダーサックの三位。

この回には出てきませんが、後の回でプラヤー・ソーラデートという人が後で出てきます。
プラヤーはルアンよりも二階級上の官位。
これが分かっていると、この後ソーラデートが出てきた時の周りのへつらい具合が理解できます。

こうなると不思議なのが、ロバートです。
「クン・ロバート」とは呼ばれません。
字幕は「ミスター・ロバート」ですが、タイ語の台詞では「ミスター・ロバート」又は「ファラン(ฝรั่ง:タイ語で西洋人という意味)」と呼ばれています。
小説も同じです。
この時代はタイ人と西洋人を区別して呼んでいたのかな、と思います。
なんだか1人だけよそ者扱い‥
きっと何かここには文化や社会的な壁があったんでしょうね。


ウアンプンとフォンゲーウ

小説でのウアンプンはヤイとの兄弟関係はありません。
クンヤイには妹と弟がいます。弟はドラマと同じレックですが、妹はウアンプンではありません。
なんと小説のウアンプンは最初から妊娠しています!

そして、フォンゲーウはドラマではいきなり第二夫人として迎えられますが、小説では父親の使用人として送られてきてロバートのお気に入りになりました。

この2人の設定はドラマとは違います。
小説はジョムとクンヤイ2人が中心の話ですが、ドラマは一人一人に焦点を当ててストーリーが考えられているので、設定が変わったのかなと思います。


子ブタのホープの話

ドラマではクンレックの買っている子ブタをジョムが世話することになり、ジョムがホープと名前を付けます。
しかし、原作小説ではクンレックは出てこず、ロバートが子ブタレースに出す子ブタを探して調教するようにジョムとスヤじいさんに命令します。
そこで3匹選んで連れて帰ってきた豚の1匹がホープです。
名前はロバートがつけました。
好物はバナナケーキ
子ブタのホープをジョムがしつけるという事は同じですが、それ以外は全く違う話です。

子ブタのホープの話はまだ続きます・・・



ということで、第2話はここまでです。

また長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

愛の香り~I Feel You Linger In The Airをより楽しんでいただけたら嬉しいです。


※画像はDeeHupHouse公式X、公式YouTubeよりお借りしました。




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