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北京ドタバタ旅行(20)

 5月28日(日曜日)、すでにゴールデンウイークも過ぎ、この時期にどれほどの日本人が海外に出かけるというのでしょうか。ところが4階の出発ロビーは人で溢れています。


 中には団体旅行なのでしょう、大勢の人と共に何十個もの大きな旅行鞄が床に置かれていて、行く手を阻みます。日本人だけではありません。「1番」などと日本語の書かれた鉢巻きをした若い外国人もいます。

 「ああ、やっぱり、ここは空港なのだな」
と何度も自分に言い聞かせようとしましたが、どうも実感がありません。電光掲示板には私たち親子が乗る中国国際航空CA928便北京行きの表示もあります。

 大勢の人混みの中で私は
「ここはどこ? 私はだれ?」
状態になってしまいましたが、そういう感傷に浸っている暇はありません。

 今回は添乗員はいません。私がにわか添乗員でこの年老いた両親を連れて、1週間の北京観光をして無事日本に帰ってこなくてはなりません。両親は私を頼りがいのある息子と思っているのかどうなのかまったく安心しきっています。空港で諸手続をしないと出国できないなどと言うことなどほとんど分かっていません。さらに言えば父など、どこに行くのかいまいち分かっていないようです。航空券の手配や日程もすべて息子がしたということもおそらく把握していないことだろうと思います。いや飛行機に航空券が必要とは思っていないでしょう。
前途多難です・・・・・・

北京ドタバタ旅行(21)


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