松本清張の小説の舞台29

今日は、双葉文庫、初文庫化作品集②「断崖」の5編である。

「濁った陽」は、黒い画集シリーズの第八話。主人公は劇作家である。舞台は、丸の内・銀座・池袋・支線と本線の乗換駅(不明)・有楽町・川奈・伊東・東銀座・真鶴町・熱海駅・福岡・東京駅・横浜の沖・山中湖・元箱根・湖尻・仙石原・長尾峠・籠坂である。「中央流沙」、「ある小官僚の抹殺」と事件の構図が同じである。

表題作「断崖」の主人公は、町役場を停年退職した町営センターの管理人である。舞台は、北海道中部の半島(積丹半島?)・札幌・A駅・R町・東京である。老人の性を描いている。

「よごれた虹」は、地方都市の戦後裏面史である。主人公は、相互銀行頭取の元秘書である。舞台は、旧軍の師団司令部があった地方都市・東京・熱海・釜山・仁川・元山・下関唐戸桟橋・台湾基隆(キールン)・シンガポール・倉敷・九州のA島・神戸・三宮・伊丹空港・沖縄である。

「粗い網版」は、宗教弾圧事件をモデルにしている。主人公は、T大法科卒の京都府特高課長である。舞台は、福岡・東京・京都・横浜・群馬・矢持町(?)・蒙古・奉天・相国寺・静岡・広島・湯河原・大津・石山寺・山科・蹴上・平安神宮である。

「骨折」の主人公は、冬季オリンピックの長距離スキー競争選手である。舞台は、グルノーブル・中東である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?