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テキサン視点からの、アメリカの卵不足問題

他州ほど、卵不足の影響を受けていない、テキサス州

アメリカは州ごとで食品価格やインフレ状況が違い、リベラル州の方が問題が深刻である傾向

”アメリカのニュース”として、メディアが報じることを見ていると、「ん?一体、どこの国の話?」と思ってしまうことがあります。メディアが報じる”アメリカ”とは、主にニューヨークやカリフォルニアのことだと思うのですが、テキサン(テキサス州民)からすると、大変失礼ながら「あー、あそこはヤバいからね」です。一般的に、民主党が強い州は、共和党が強い州よりも物価は高めになります。これは何も保守的な私が偏見の目で語っているわけではなく、米国共産党(民主党)が強い州は、税金を”WOKE(意識高い系)”の活動に大量に注ぎ込む一方、厳しかったコロナ規制により経済回復の遅れが見られる等左翼政策が影響していているのだと思います。これらの州では、犯罪者に優しい政策を導入する傾向にあり、治安の悪さも目立ちます。

実際、今年1月17日付けの卵関連のヤバそうなニュースに、次のようなものがあります。

Egg prices rise more than 64% in some states(複数の州で、卵価格が64%以上上昇!)

記事では、ウォルマートやターゲットなど北米の200以上の小売業者からリアルタイムでデータを収集している小売データ会社、データセンブリーが調査した、昨年12月時点での卵の価格について紹介されていました。それによると・・・。

  • 12月に卵の価格が最も上昇したのはアリゾナ(民主)、ネバダ(共和)、ニューメキシコ(民主)の3州。卵1ダースが64%以上上昇。

  • オレゴン(民主)、カリフォルニア(民主)、ワシントン(民主)などの州では18%上昇。

()の中の政党は、その州の知事の所属政党を入れています。この記事は、保守やリベラルといった政治とは全く関係のない”卵問題”を扱ったものですが、このような記事からも、インフレ問題についてより深刻なのは、左翼政策を導入しているリベラル州なのかなと思います。

ただし、この上昇率を見るだけでは、どの州が一番大変か?というのを断言するのがなかなか難しいと思います。それは、アメリカでは州によって、元々の食品価格が全然違うからです。1ドルのモノが5ドルになれば価格は5倍ですが、2ドルのモノが8ドルになれば価格は4倍。前年度比較のみでは、分析としては不十分で、他にもLocal Purchasing Power Index(地域購買力)や、同じ期間の給料の上昇率等も合わせて検討する必要があるかと思います。

■インフレを必要以上に煽る理由は?(2022年5月)
❶リベラル州の事象がアメリカの全てではない。
❷統計数字に対する適切だとは思えないコメント
❸インフレの元々の原因を追及していない

テキサン家の卵価格

では、我が家の卵価格はどうか?と申し上げますと、2ダースで1カートンとして販売されている卵が0.5〜1ドルくらい高くなりました。とはいえ、これくらいの価格変動は、今に限ったことではないと思います。ちなみに、この価格はコストコのものですので、ウォルマートやターゲットと同じ、全米にチェーン展開する小売業店での卵価格。

卵不足問題の方はどうか?という点では、まず、卵が買えずに困ったことはありません。12月くらいから”1家庭2カートンまで”という個数制限は設けられています。とはいえ、1カートンに24個入っているものですので、1回で48個は購入できますから、4人家族であれば、個数制限を受けている感じにはならないかと思います。

ただし、テキサス州のすべての卵が現在の”卵不足問題”の悪影響を受けていないか?といえば、それは断言できません。というのも・・・私が購入している卵はおそらく現在の問題を受けにくいカテゴリーのものだと思うからです。それは・・・。

オーガニック、Free-range(放し飼い)、地元産

これらのカテゴリーは、一般的に価格設定が高めの商品です。念のため、私は「卵はオーガニック、Free-range(放し飼い)、地元産に限りま〜す」とInstagramに投稿するようなキラキラした生活はしていません。これらの商品は、テキサスに住んでいると、日本で購入するよりも割安感はあるというのが気軽に購入している1つの理由です。何しろ日本の2倍の面積を有するテキサス州ですから、都市近郊であっても、放牧するための土地が日本に比べればかなり安いというのは、大きな違いだと思います。

オーガニックショップで販売されている卵も1カートン(12個入り)が3.5ドル〜8ドルくらい。Free-rangeやエサのこだわり等の付加価値によって、価格が変わります。種類が多いのと、それぞれ価格が変動しているようですので、世の中の卵不足問題を受け、各商品の価格が変わったのかどうか?ということはわからないのですが、売り場に出ている商品価格の幅は、4.5ドル〜8ドルくらい・・・。例えば、5ドルの卵を買っていたとして、それが仮に7ドルになったとしても、価格にこだわるのならば、別のオーガニック商品が5ドルで購入できるかなといった感じです。

オーガニック卵・鶏肉の方が影響を受けていない!?

2021年の夏頃から、メディアが煽ってきたインフレ騒動の頃に気がついたのですが、この手の騒動が起きた時に、実は、先ほど私があげた特徴ーーオーガニック、Free-range(放し飼い)、地元産ーーを持つ商品の方がConventional(従来型の)製品よりも悪影響を受けにくいようです。この”従来品”という言い方に私はちょっと疑問を持っているのですが、ややこしくなりますので、この章では、この”従来品”という表現を使います。

まず、”従来品”の中でも、インフレの悪影響を大きく受けたのは、激安品でした。激安品の多くは、中国等、海外からの輸入品であることがほとんどですが、2021年のインフレ問題時には、燃料費の高騰が問題になっていましたから、輸送コストがかかっている商品の方がより影響を受けたわけです。さらに、激安品は薄利多売ですから、コスト増を価格に反映せざるを得ないという事情があります。消費者物価指数(CPI)は、衣料や食料品等、約200項目の品目の価格の変化を調査し指数化したものですが、この指数に反映される品目は、アメリカでよく売れている製品になっているそうです。だとすれば、従来品の中でも、激安品の方が多買されているはずですので、CPIにより反映される傾向にあるのではないかと思います。この推測が正しければ、CPIは、実際の物価は、CPIで示された価格変動ほどの影響がでていないのではないかと思います。

いずれにしても、全体的な価格上昇の傾向が見られるのは事実ですが、オーガニックや地元産商品への影響は、”従来品”よりも小さいということは言えるだろうなとは思っていました。が、しかし、です!というのが次の章。

卵市場は、オーガニックよりも、従来品の方が高くなった!?

昨年度末には、オーガニックVS従来品の卵について、次のような報道もありました。

オーガニック卵は従来品より安い、企業のデータで判明

記事で紹介されているのは、鶏卵生産会社・カルメイン・フーズ社の話。同社では、従来品の価格上昇を受け、オーガニック製品のが安くなっていると言います。

同社の2023年度第2四半期の1ダースあたりの販売純平均価格:

  • 従来品:2.883ドル(前年度:1.151ドル)

  • オーガニック:2.370ドル(前年度:1.898ドル)

実際、今年に入って、一般スーパーで、オーガニックと”ノン・オーガニック”の卵が同じ価格で売られているところは、何度か見かけました。ここで今まで使っていた”従来品”ではなく、”ノン・オーガニック”と表記したのは、餌については従来のものを使用しているものの、放し飼いの状態で飼育しているものもあるからです。メディアがいう従来品(Conventional)はどの範囲までを含んでいるのか、いまいち分からないため、私が見たものは、従来品の中でも、ノン・オーガニックの商品だと言及しました。なぜ、ここを厳密に言及する必要があるのか?といえば、高い確率での推測として、”今、最も値上がりしているのは、狭いケージで飼育された化学飼料を用いて飼育された鶏”ではないか?と思うからです。

アメリカの卵問題の謎解き、ウソ・ホント

この章は、卵問題がメディアで報じられるようになり始めた2022年頃から現在に至るまで、アメリカに住む私が”自分の家庭に影響のあることと”として、主に個人的に鶏を飼育している人が発信しているような情報を中心に集めた情報に基づいています。調べ足りないところはあるかもしれませんが、自分の中で仮説のようなものができてきましたので、シェアさせていただくことにしました。

❶Free-rangeの養鶏家は、鳥インフルエンザをそこまで深刻視していない!?

アメリカの卵不足の原因の1つとされているのが鳥インフルエンザ(HPAI)です。昨年12月に発行された、前章の記事によると、昨年5月に発生した伝染力の強いHPAIのため、米国の農場で少なくとも3千700万羽の鶏と七面鳥が感染したとされています。鳥インフルエンザが起こっているのは、事実なのだと思います。しかし、これに対して、複数の養鶏家ーーファーマーズマーケット等での販売を中心とするような小規模養鶏家、またはFree-rangeの養鶏家ーーが異議を唱えていたのが、「なぜ、すべての鶏を殺処分する必要がある?」ということ。「感染した鶏だけを隔離すれば良いだけ」というのです。養鶏の経験がない私に、感染した鶏が見つかった際に、すべて殺処分するのがいいのか、感染鶏だけ隔離すればいいのかについては、断定することができませんが、鳥インフルへの対応に関して、両方の主張が正しいのではないか?と思える点があります。それは・・・養鶏する環境の違いです。

Googleの画像検索結果の画面

鳥インフルが発生した場合、全羽殺処分を検討しているのは、上記写真右のケージ飼いの場合ではないでしょうか。従来品の多くは、この環境で飼育された鶏から生まれた卵です。密な環境では、感染拡大しやすくなります。一方、飼育にこだわりを持った小規模養鶏場の多くは、1羽1羽の”ソーシャルディスタンシング(笑)”が確保しやすくなっています。もちろん、このような放し飼いの環境であっても、鶏同士が接触するということはあると思いますが、ケージよりははるかに少ない接触となります。

メディアが言う通り、鳥インフルエンザが卵不足の原因であるのならば、やはり大きな影響を受けているのは、”従来品”の方です。

ただ、前出記事でも、「保健当局はまた、鳥インフルエンザは人に対する重大な健康被害をもたらすものではないとしている。感染した鳥に長時間直接さらされない限り、人がウイルスに感染することはまずないと当局者は言う」と言及されています。であるならば、まずは感染した鶏のみ別のところに隔離して、感染が確認されない鶏に関しては、養鶏場外の鳥や動物との接触を一切できないようにし、養鶏場の従業員の接触も最小限にして様子を見るのも、1つの方法ではないかという気がします。それに・・・鳥インフルエンザなんて、今始まった感染症ではないのに、卵不足になるほどの被害が出るくらい何の対策もしていなかったのだとすれば、それはどうなんでしょうね・・・と思ってしまいます。

❷卵は冬に生産数が落ちて当然

一般常識だったらすみません。私はこの卵問題が起こるまで知らなかったのですが、卵にもシーズンがあるようで、冬には生産数、つまり、鶏が卵を産む個数(頻度)が少なくなって当然なのだそうです。これもたくさんの小規模養鶏場の人たちが養鶏の常識として話していたことの1つですが、鶏が卵を産むためには、1日14時間の日光が必要なのだと言います。

昨年初めから今年初めにかけ、小規模養鶏場の人たちは「もうしばらくすれば、卵不足問題は解消されるはずだ」と言う話をしていました。実際、スーパーでは個数制限の案内板がまだ出されてはいるものの、商品棚は通常の感じに戻ってきたかなという感じがします。

ちなみに、アメリカのスーパーというのは、商品棚にスペースがあること自体は特に珍しいことではありません。営業時間中に、商品棚の模様替えをすることも、珍しくありません。ですから、単純に空白のある商品棚の写真だけを見せられても、それは必ずしも品不足を証明するものではなく、単なる発注ミス、または商品入れ替え等の可能性もあります。インフレ騒動同様、卵問題も、不足しているのは事実としても、何となく煽り感があるような気がしています。

❸バタリーケージでの養鶏禁止の州法の影響を受けた、卵不足

米国ではマサチューセッツ州を皮切りに、カリフォルニア州、ワシントン州、オレゴン州、ミシガン州等で、バタリーケージと呼ばれる飼育方法での生産された卵の販売が禁止されることになりました。

バタリーケージとは、下記のような工業型畜産と呼ばれる家畜飼育システムです。

Googleの画像検索画面の一部

動物の福祉に反した家畜方法ということで、動物愛護団体からの反対を受けています。前章で、私はできるだけFreeーrangeの卵を購入していると述べましたので、動物愛護の観点から?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、私は単純に家族の健康のためです。

まず、ここからの私の卵に対する考えの大前提は、アメリカで生活しているということがあります。テキサス州には広大な土地があり、人間の住む家ですら縦に建てるよりも、横に建てるという感覚の建物が多い場所です。駐車場も立体駐車場があるのは、ダウンタウンやメディカルセンター等、かなり限定されたエリアのみ。それだけ土地のコストが低いのですから、日本よりも、Freeーrange卵が低コストで生産でき、購入者にとってお手頃価格となります。

それにアメリカでは、卵は生食しない前提ということもあり、卵の消費期限は1〜2カ月以上あることがほとんどですが、この点を私は少し警戒しています。長すぎる消費期限を作り出すために、”何らかの工夫”を施してはいないか?っと。この消費期限の長さの謎については、よくわからないのですが、バタリーケージは”工業的畜産”の観点から生産された卵ということで、鶏に”効率的に産卵する工夫”が施されていたり、”糞尿の清掃効率を高めるために設けられたケージの工夫”が鶏の健康にダメージを与えていたりすると言われています。動物愛護団体がバタリーケージを批判しているのは、鶏が本来の習慣や本能のまま生活できない環境についてですが、それはそのまま鶏から生まれる卵の健康にもつながるのではないでしょうか。特に、私は日本には住んでいませんので、日本人のような徹底した衛生管理が期待できないという事情もあります。

オーガニックやFreeーrangeの卵が日本ほど高価なものではなく、一方で、従来品の品質に疑問が残るというのが、私が前者を購入するキラキラしていない理由です。

本題に戻り、バタリーケージの禁止が勧められている州では、これまで同様の工業的畜産が不可能になれば、卵の生産数は当然ながら少なくなりますし、安価で提供できなくなります。つまりこのバタリーケージ禁止化も、卵不足、そして卵価格の高騰化の一因。さらに、バタリーケージの禁止は、Freeーrange卵には関係がないことですので、前章で、”オーガニック、Free-range、地元産は、卵問題の影響が少ない”と言及したことにも繋がってきます

❹卵不足なのに、”溶き卵パック”は売られている謎

アメリカには、牛乳パックの中身が溶き卵になった商品が販売されています。最も知られているのは、Egg beaters(エッグビーター)という商品ですが、成分の99%くらいを卵白、残りは溶き卵風の色付けをするためのカロチンや、本来、卵黄の成分として含まれているミネラル等が加えられています。見た目は溶き卵そのものだと言います。99%が卵白だと言われても、破られた卵が破られる前の卵よりもさらに長い4ヶ月くらいの消費期限があると聞いて、手を出したことはありません。ただ、外食の際等に、すでに口にしてしまっているかもしれません。なぜ、こんな商品が売られているのだろうと思ったら、カロリーが卵の半分くらいでコレステロールなしというメリットがあるようです。

ちなみに、エッグビーターのサイトには下記のような文章がありました。

エッグビーターはどんな人におすすめ?
エッグビーターは、卵を簡単に食べることができる商品で、誰でも人生をもっと簡単に楽しむことができます。また、エッグビーターは、正しい食生活を送り、より健康的なライフスタイルを送りたい人にとっても、賢いソリューションです。あらゆる年齢層やライフステージの人々が、エッグビーターのようなタンパク質が豊富で栄養価の高い食品から恩恵を受けることができます。

https://www.eggbeaters.com/faq/

”簡単に食べることができる”と言うのは、殻を割る必要がないということなのでしょうか???

何ともあれ・・・。卵が買えないという州の人が、卵の代わりにこの溶き卵パックを購入してみるという話がありました。溶き卵パックの売り文句は、99%以上が卵白ということですが、卵不足なのに、ほぼ卵白を使った商品は売ってあるってどういうことなのでしょうか?
卵の生産国情報がネット上では見当たらなかったため、輸入した卵を使っている、もしくは、どこかの国で溶き卵パックという商品にした形で輸入している可能性もあります。ただ・・・卵不足って、設定としては、世界中で起こっていることではなかったでしょうか?白味だけなら売っているって・・・どう言うことなのでしょうか。

❺とある市販飼料の使用をやめたら、鶏の産卵が再開!?

この章でシェアさせていただくことも、小規模養鶏場の人の話になります。小規模養鶏場の人が投稿するyoutube動画のコメント欄等をみても、「噂は本当だったんですね」等のコメントで多少盛り上がっているようでしたので、養鶏をしている人の間では、割と問題になっているものではないか?と思います。とはいえ、その情報が確かかどうかわかりませんので、今回は、メーカー名は伏せさせていただきます。

さて、タイトル通りの話にはなるのですが、とある市販飼料をAとします。鶏が産卵しなくなったという養鶏場では、このAという飼料を与えていたケースが多かったというのです。一度与えてしまうと2度と産卵しなくなるかというと、そうでもないようで、Aの使用を止めて、2週間くらいすると、産卵し始める・・・というのが、このAについての話をする人たちの共通の認識であるようです。念のため、このAのサイトを見てみたのですが、小規模養鶏場や、家庭用卵の養鶏をする人向けの様々な商品を扱っているメーカーであるようでした。

このAについての話題をしている人の話をいろいろ聞いてみたのですが、私が一番「確かにそうだ」と思ったのは、「Aに問題があるのか、ないのかは別として、鶏に1種類の飼料しか与えていないなら、餌について再考すべき」というものでした。鶏はもともと雑食で、自然界にいる虫や草、野菜の皮等も食べるそうです。そもそも鶏には採餌行動という本能があり、これを満たしてあげることができるのがFreeーrangeのメリットでもあるようです。Aに本当に問題があるのかどうかわかりませんが、いろいろな餌を与えていれば、リスクヘッジになるようにも思います。

❻コオロギ食よりも、庭で養鶏!?

卵不足だの、鶏肉価格の高騰化を理由に、「安価なタンパク源として昆虫食を提案するくらいなら、すべての庭のある家庭が、養鶏をすべき」ーーこれも小規模養鶏場の人が提案していたことで、「確かに」と思います。家庭用に飼育する鶏の場合、残飯も立派な飼料になるそうです。実際、テキサス州ではHOA(*1)がないエリアでは、割と気軽に養鶏している家庭も多いようです。

*1.ホーム・オーナーズ・アソシエーション:住宅エリアを管理する団体、かなり昔からある住宅地以外には必ず存在し、住宅地の価値を落とさないような運営が行われています。

アメリカでも、”コオロギを食え”という時代が来るのであれば、HOAのない、テキサスの田舎に引っ越して、自給自足をしたいなと考えています。・・・ってこれは実は、コロナ騒動で、未接種者ということでかなり責められていた時にも、考えていたプランですが。

個人的な事情はさておき、もしも、タンパク質不足が世界的な問題だというのであれば、テキサスのように土地が安い地域のHOAはルールを見直し、各家庭の養鶏をOKにするべきです。そうすれば、市販の卵は、土地が高いエリア、例えば、ニューヨークやカリフォルニアに回すことができます
もしも、本当にタンパク質不足が世界的な問題であるならば、ですが。

❼卵は本当に不足しているのか?

卵の需要が供給に追いついていない・・・ということは事実かと思います。この章では、「本当にそんなにたくさん食べる必要ある?」という視点から、卵は本当に不足しているのか?ということについて考えてみたいと思います。

特にアメリカの中でもテキサスに住んでいるので、思うことですが、私を含め、すべての大人は食べ過ぎの状態にあると思います。コロナ騒動の中で、免疫を高めるために、プチ断食等も行ってみたのですが、思っていたよりも、食べなくても平気であることがわかりました。成長期にある子どもは別ですが、大人にとって1日3食食べるというのは、時にお腹が空いていないのに惰性で食べることになるのではないかという気もしています。
自宅勤務期間中は、昼食時間を自由に設定しやすかったこともあり、「いつでも食べられる」と思うと、お腹が減るタイミングまで待つと、自然と1日2食に。念のため、私は少食というわけではなく、高校時代には1日5〜6食(朝食、朝練後、早弁、ランチ、部活前・後、夕食)食べていましたが、その分、それくらいは動いてはいました。今の活動量を考えると、2食くらいでいいのかなとも。

アメリカでは貧困と肥満の間に強い相関関係があることが問題になっています。安くお腹いっぱいに食べようとすると、ファーストフードに行き着くからです。ご存知の通り、アメリカのファーストフードは、サイズ感が日本とは全く違います。テキサスでは、そのアメリカ人もびっくりするほどのテキサスサイズというものが存在します。肥満の問題は、親から子へ受け継がれてしまうケースがほとんどです。その原因の1つは、アメリカでは、日本のような栄養のバランスが取れた学校給食や、家庭科の授業がなく、家庭での食生活を見直す機会がほとんどないことだと思います。

コロナ騒動の中、重症化要因の1つに”肥満”がありましたが、一般的には明らかに”肥満”というカテゴリーに属してしまうであろう体形に対して、それを”ややぽっちゃりであるものの標準体形のうち”だと考える人が少なからずいることに驚かされました。これもポリコレの影響だと思います。自分の体型について、他人に揶揄される必要はありませんが、自分の身体的な特徴がリスク要因になるのであれば、少なくともその認識は絶対に持っておいた方が良いと思います。同様に、食べ過ぎであるということよりも、自分が食べ過ぎであるという認識がないことの方が問題であるように思います。

さらに、食べ過ぎ問題と合わせて見直すべきことに、食品の廃棄問題があります。ここの家庭レベルで”食事を残すこと”は、文化や長く続く習慣の影響もありますので、単純に一律的な批判を展開するべきではないと思います。しかし、例えば、コンビニ弁当や、レストランでの食材の残り等、商業ベースでの食品の破棄に問題については、文化等関係ありませんので、見直すべきですし、規模感を考えても、大きなインパクトがあります。

「世界中の食糧不足がウンタラカンタラ・・・」と、メディアは言いますが、人々が”食べ過ぎ状態にある””食品を破棄し過ぎている”ということに気がつき、自分に必要な適量を摂取するという人が増え、食品廃棄を最小化するよう企業に義務付けることで、案外、食糧不足は解決できるのではないかと考えています。それに・・・ビニール袋の無料配布を禁止するよりも、コオロギ食を推進するよりも、明らかに環境にも優しい政策ですが、そのような流れにならないのは、食品ロスの問題を改善する政策では、利権が生まれないからでしょうね。

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