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BookBaseってなんやねん?

はじめに


2022年一発目の記事です。
何を書こうかなと思いましたが、なんだかんだ自社サービスについてガシガシ書く機会もなかったので、改めて僕がBookBaseを通して何をやろうとしているのかについて書かせてもらいます。(BookBaseの前身であるBOOKPORTの記事が今だにちょこちょこ見てもらってるので、いい加減更新しないとという使命感もありまして…。筆不精ですみません)

エンタメ出版の革命児!?出版からコンテンツ業界を再構築する出版DXサービス!BookBase!

https://bookbase.jp/

タイトルの煽り感がすごいですが、エンタメ出版といわれる領域を変えようと頑張ってるサービスってことです。

どういうサービスなのかというと、誰でも小説や漫画を電子コンテンツとして有料配信できるサービスです。
利用料金とかも無く、売れた分から手数料を頂くだけのシンプルな収益モデルになってます。

いわゆるCtoCのモデルですね。
作品を売りたい作家さんは表紙と本文を用意して、タイトルやあらすじなどを書くだけですぐに販売できて、売れた分が指定の口座に入金される電子書籍のプラットフォームです。超シンプル。

さらに、ただ販売所だけあってもダメだ!とわかったので、作家の方々をサポートしていくための日本最大級の有料コミュニティBB小説家コミュニティを運営してたり、コンテストの不透明さなどの問題を解決するために「小説下克上コンテスト」という他のコンテストで落選した経験がある作品のみを対象としたコンテストを行うなど、様々なことを行いながらBookBaseを少しずつ少しずつ育てています。

なぜやろうと思ったのか。

さて、ここからが本題です。
まずBookBaseをやろうとしたきっかけですが、僕自身が3年位前に小説を書いてみようとしたときがありまして、そのときに書き方とかを色々と調べていると「小説家になんかなるんじゃない!」みたいな記事を見つけたんですよね。で、そこにかなり生々しい数字や実態が書かれてまして、作家の人たちが直面する現実を知ったっていうのが最初のきっかけです。

もともと僕は重度のオタクです。
媒体問わず、学生の頃から散々ラノベやアニメや漫画に浸って来ましてし、自分の人生観みたいなところまでコンテンツから影響を受けてる部分があります。今でこそ、仕事っていう生き甲斐を持っていますが、それまでの僕はコンテンツによって生かされてたって言っても過言じゃなかったので、そんなコンテンツを供給してくれる人たちが稼げない状況に陥ってるっていうのは看過できないなと思い、なにかできないかなと思ったのが最初でした。

課題:作家が稼げない→打ち手は?

最初の想いはそんな感じだったんですが、想いだけでどうにかできないのがビジネスです。(いや、想い大事なんですけどね。想い無いビジネスとか尽く灰燼に帰すといいくらいのレベル)

さて、どうやって解決しようかなと思ったわけですが、今回の問題は実はそこまで難しくないのかなと思ってます。というのも、稼げてないって一言に言ってもその要因は様々で、一番やばいのが「そもそもの需要がない」っていう状態です。こういうビジネスはまず需要を創り出すところから始めないといけないので、めちゃくちゃ時間がかかります。また、需要があるかないかの議論はほとんどの場合意味がなくてやってみないとわからないので、結構リスキーだったりもします。

が、今回やろうとしている事業は既存産業の置き換えです。
たしかに衰退しつつある産業と言われて久しいわけですが、それでも需要はたしかにありますし、衰退しつつあるなかで変化ができていないというのはバックボーンを持たない新興企業が勝てる典型的なパターンでもありますので、いけそうだなと思いました。

なぜ稼げてないのかを分析

というわけで、なぜ作家が稼げてないのかという分析をしていくわけですが
①市場全体が縮小
②印税平均8〜10%のみで少ない

原因をシンプルにするとこの2点に尽きます。
まず、市場が縮小しているという点。これについてはジャンルとかでも違うので一概には言えない点ですが、プレイヤーの増加に対して市場拡大が伴っていないのは間違いないかなと思います。
そして、肝心の②です。今更ですが、少なすぎんか?と思うわけです。え、9割くらいどこに行ってるの?って思いますよね。

別にどっかの誰かが不当に中抜きしてるってわけでもないんですが、紙の本を売る場合は、作家/出版社/印刷業者/取次/書店etc…と多くの関係者が絡んできます。これら全員がちゃんと利益を出そうと思うと、結果作家さんへは10%くらいが限界となってしまうようです。

ふむ。では、紙やめればいいじゃんって話なんですが、これほど大きくなった業界でいきなり紙やめます!っていうのは無理です。既得権益の反作用みたいなもんですね。柵が一杯。

また、電子書籍でっていうのも実際には結構リスキーです。
日本では未だに本といえば紙!という文化ですし、電子書籍の市場は漫画を除いてめちゃくちゃ小さい規模に留まってますので、このままじゃジリ貧ではあるけどだからといって紙をやめるのもできない…ということで、出版社の打ち手としては、今のうちにメディアミックス前提の作品作りをしたり、全然関係ない部署作ったり、スタートアップに投資して儲けるみたいな動き方になってます。

まぁ出版社とかはそれで良いとしても、じゃあ作家の人たちはどうすればいいねんって話ですし、次のコンテンツを待ち続けている読者もいます

というわけで、大手の柵とか知ったこっちゃねぇーやと何の背景も持ってない新興企業である僕たちが紙の書籍をやらない電子書籍のプラットフォームを作ろうというのがBookBaseの成り立ちと存在意義です。

やはり難しいCtoCプラットフォーム

初めてのWebサービス開発やらかしがち

そんなこんなで構想は出来上がり、最初の資金をどうしようっていうので銀行に相談したら「ド素人がそんなんできるわけねぇだろ」と門前払いを喰らって、イラッと来たので「やったらぁ!」でクラウドファンディングをやる流れになるんですが、そのあたりは過去記事とかにあると思うので今回は割愛させていただきますが、今の僕たちがこうやって細々とでも活動を続けられているのは、あのときに多くの方が背中を押してくれたからです。本当にありがとうございます。

そして、BookBaseというサイト造りをやっていくのですが、これも当初よりもかなり難航しました。エンジニアの方とのコミュニケーションがうまく行かずに右往左往することになったり…と立ち上げ期のあるあるミスを何度もやらかします。

そんなこんなを乗り越えて、ようやくベータ版サイトをオープンしたのが2020年の9月です。本来の予定の半年遅れくらいで、しかも当初の想定よりも機能やデザインも削らざるを得ないなどぐぬぬ…という状況です。(今なお改善中)

プラットフォームを成長させるには?

そしてサイトを挙動を見守りながら、プラットフォームをどう大きくしていくかという問題にぶち当たっていきます。
なんだかんだアクセス数だけ見るとサイトオープン時は1万アクセスとかありましたし、今でも見てくれているユーザーさんは居たりするんですが、なかなか流通額というところにまで影響はしてきません。これについての原因もまとめてみました。

①BookBaseは販売サイトなので、完成作品が無いと関われない
②コンテンツの増加を運営側でコントロールできていない
③シンプルに認知度の低さ!!

他にも細かい要因を上げていくと、キリが無いので絞りました。
BookBaseはCtoCのモデルですが、販売者と消費者が役割を兼ね備えるタイプのプラットフォームです。この手のプラットフォームの場合の成長戦略は基本的に1つで、まずはコンテンツ提供者を増やしながら徐々に純粋な読者を獲得していくというというものです。

プラットフォームにおいて初期の壁はいわゆる鶏卵問題なんですよね。基本的に使う側からしてみれば一番反応が良いプラットフォームを使う(販売系なら売れるところを使う)ので、消費者が多いところに提供者が集まるわけですが、コンテンツが無いところに消費者は集まらないという構造になります。え、じゃあ無理やん?って話なんですが、諦めるにはまだ早いです。

というのも、BookBaseの場合は個人の作家さん向けの電子書籍販売プラットフォームという立ち位置で最もメジャーなのがAmazonが運営するKindleなんですが、使い手にとってKindleが最適解となっているかというと「うん?」って感じなのが現状です。※圧倒的偏見です。だって、僕は使ってないし使いずらいし…)
他にもちょこちょこと似たようなサービスがあるにはあるんですが、正直「ここ!」っていうプラットフォームがあるかというとまだなんですよね。

だからこそ、付け入る隙があるわけですが、逆になんで無いの?ってツッコミもできますよね。これも様々な要因が考えられますが、まず小説自体の市場規模が小さいので大手は入ってくる理由ないですし、つい最近まで投稿サイト全盛期!だったので、流石に分が悪いタイミングだったなどの理由があると思っています。(実際、小説だけでプラットフォームとして馬鹿みたいに儲かるって無いんじゃないかなと思ってます。やってる僕が言うんだから間違いない)

まとめると、たしかに利用者数が多いプラットフォームが強いんだけど、不満がないわけではないはずなので、そこを突きに行って少しずつ拡大させていくというのが王道パターンになるってことです。

コンテンツの量と質をどれだけ上げていけるか

というわけで、BookBaseをもっともっと大きくして作家さんをガッツリ稼がせていくための要はコンテンツにあるというわけです。それも量と質の両方を追っていかないといけません。

そんなこんなを考えていった結果、2021年にがっつりと立ち上げを行った『BB小説家コミュニティ』と『小説下剋上コンテスト』にたどり着くことになりますが、この2つに関しても記事を別にがっつり書いてるので詳しくはそちらを読んでもらえるとわかると思います。

こんな感じでBookBaseは現在母艦である販売プラットフォームを運営しつつ、コミュニティやコンテストを設置して創作へのサポートと可能性の発掘を行っているという形になっています。

今後、BookBaseでどれだけのコンテンツが生まれ、そしてヒットしていくかで全体の命運も決まってきます。
当たり前の話ですが、僕たちは場を作ることしかできません。だからこそ、作家さんを大事にしていかないといけないですし、ただ場所だけ用意して終わりでは全然ないなと思ってます。

作家さんに寄り添い続けられるか?

さて、長々と語ってきましたが、そろそろ終わりです。

結局のところ、BookBaseがやろうとしていることは『作家も読者も楽しみながら、ちゃんとみんなが報われる仕組みを作ろうぜ』という、ただそれだけのことです。でも、それだけのことが現状の仕組みではとても難しくなっています。

これまでも散々と
無料で読めるサイトがこれだけあって、誰がお金出して買うの?
などと言われてきています。たしかに、読者さんたちからするとそうなのかもしれないですが、じゃあその状態で居続けて良いのか?というと、そうじゃないなと思ってます。

僕もこの事業をスタートさせ、業界全体を見てきました。
そのなかで数少ないチャンスを掴んで成功している作家さんも見てきましたし、逆にせっかく書籍化まで行ったにも関わらずたった1巻で打ち切られ創作意欲を無くされてしまった方なども見てきました。

そういう業界だから。
と言ってしまえばそれまでですが、でもそれは本当にその作品に可能性がなかったという証明になっているのか?というとそうではないんじゃないかと僕は思っています。

媒体問わず、最初は受けないと言われていた作品が少しずつ認知されて、最終的には一大コンテンツにまでなっていくなんて珍しい話でもないです。

如何に作品の可能性を広げられる環境を作れるかで結果もまた変わってきます。

小説投稿サイトが当たり前になった今、可能性は十分です。

もちろん、BookBaseもうまく行っているか?というとまだまだ壁もたくさんありますし、不確定要素も多い事業だと自覚しています。

けど、それ以上に人生を賭けるに値する事業でもあるなと思います。

僕は元々出版社だったわけでもないただのオタクです。だからこそ、これまでの慣習に囚われず、作家さんや作品に寄り添っていける仕組みと環境を作るために頑張りたいと思っています。
そうじゃないと、こんなにしんどいことできませんので…。🐧ふぅ

まだまだ業界内でも小さい僕たちですが、ゆくゆくはBookBase発の作品がどんどん加速していって、いろんな媒体に昇華されて、世界にまで波及させられる未来にたどり着けると思ってます。

小説家だけに関わらず、イラストレーターの方や漫画家の方、アニメーターさんなどコンテンツに関わる全ての人がちゃんと持続的に活動していける環境を作るために、みんなに利益が分配されて儲かる世界を作りたいです。

最後に

めちゃくちゃ長くなってしまいましたが、これで以上です!
コミュニティのなかとかだと散々しゃべってきていることではありますが、より多くの方に知ってもらえると嬉しいなと思って書いてみました!

まだまだこれからな僕たちですが、お力添えいただけると嬉しいです…!

あとエンジニア様やイラストレーター様、作家の方々もまだまだお力添え頂きたいです...!!.

また逆にプラットフォーム系でお困りな方などもお声がけいただければお力添えさせていただきます!

それでは、2022年も頑張っていきます!!

お読みいただきありがとうございました!!

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