オンライン講師へのハラスメント

FacebookのPreply Tutor Communityでマネーロンダリングのほかに目につくのが、生徒(と生徒候補)によるハラスメントです。

ハラスメント相談

「明らかにセクハラ的なメッセージが来たんだけど、どうすればいい?」
「セクハラメッセージにも返信しないと、生徒の返事を無視したとしてPreplyにプロフィールをブロックされるの?」
「生徒からのメッセージやレッスン予約をブロックする方法はないの?」
「生徒のメッセージに、『今から用事があるから後で返事します』と答えたら、なぜか激高されて、ひどいレビューを書き込まれた」

セクハラ、パワハラメッセージのスクリーンショットを載せている先生もたくさんいましたが、かなりひどいものもありました。

「ズボン脱いで待っているね。話によっては時給上げるよ」
「マルタ島に招待するから、そこでプライベートレッスンを受けたい」

(全員から見えるレビュー欄に)
「時間を無駄にされた。英語も下手すぎて何を言っているかわからない。プロフェッショナル意識が皆無」

Preplyの対応に対する不満

「PreplyはFacebook等の広告で、美人で若い女性講師の写真を表示させている。講師には、プロフェッショナルな雰囲気のプロフィール写真を載せろと言っておきながら、露出度の高い女性の写真を広告に載せており、変態を呼び寄せている」
「変態からメッセージが来た時に、ヘルプデスクに相談したが何日たっても返事がない。その間も変態からメッセージが送られ続けている」
「根拠のない、いやがらせまがいのレビューを書かれたので、Preplyのヘルプデスクに相談したが返事がない」

個人的な経験

私は不快なメッセージを受け取ったこともありますが、トラウマになるほどひどいものは今のところ経験がありません。ただ、最近ほかのプラットフォームで生徒募集を始めたこともあり、他人事ではありません。

私が今までにもらった不快なメッセージは、以下です。

「(一コマ30ドルだった時に)時給40ドル払うから、話だけしたい。ほかの人にはそれ以上払ったこともある。」
「紹介ビデオで着ていたシャツについて聞きたい」
「彼氏いる?」
「Instagramやってる?」

一応通報ボタンというものがあるので、それを押して、またシステムに無視したと認識されないように「.」などの記号だけ送って会話を閉じています。

刺激的な写真をプロフィールに使うほうが悪い?

私が見た限りCommunityの大半が「露出度が高い恰好で、セクシーポーズで写真を撮っているからって、セクハラメッセージを送っていいわけがない」「変態は常にターゲットを探している。コンサバな格好をしていてもハラスメントを受けることはある」という意見を書き込んでいます。

ただ、「プロフェッショナルに見えるかどうかは個人の判断だが、広告に表示されている女性は出会い系サイトのサクラみたいな格好とポーズをとっている。これで本当に真面目な生徒を探しているのか」という意見も。

また「低価格でレッスンしているから、格安チャットレディーの扱いをうけているんじゃないの?」という意見もありました。

この話を見ていて私は「レイプカルチャー」という言葉を思い出しました。「レイプ被害に遭わないように露出度の高い恰好を控えよう」「若い女の子が酒に酔って夜出歩いたら犯罪にあうから、早く帰ろう」というように、レイプ犯を取り締まるのではなく、レイプ犯に遭わないように気を付けることを啓蒙する文化を指すそうです。

レッスン料金や露出度と、セクハラ遭遇率の相関について統計は知りませんが、一度被害に遭うとトラウマになることを考えると、ちょっとでも可能性があると聞けば、自分で防げるものは防ぎたいという心理が働くというのも事実だと思います。

理想と現実と自衛策

理想を言えば、Preplyのようなプラットフォームはハラスメントをする生徒を厳しく取り締まるべきだし、先生が恐怖心を持っているときは適切な対応をするべきです。そして、当たり前ですが、先生と生徒は、お互いを尊重して丁寧にレッスンを提供、受けるべきです(もちろん服装に関係なく)。

ただ、現実問題、Preplyには、数万人に先生と生徒に丁寧に対応するキャパシティはおそらくないと思います。ハラスメントを受けている先生のケアは最優先事項の一つですが、プラットフォームを回していくには常に新しい生徒を受けいれ、ある程度は機械的に苦情対応をする必要があります。

そして残念ながら世の中には、日々のうっぷんを知らない人を相手に発散させてしまう人がいます。生徒側は個人情報なしに登録ができるので、匿名性は高いです。それに対して、オンラインで素顔をさらして生徒募集をしている私たちは相手が悪意を持っている場合に、圧倒的に弱い立場にいます。

もちろん普通の会社では、従業員が顧客にハラスメントを受けていてすぐに対応しなかったら問題ですが、Preplyの講師は個人事業主で、プラットフォームを借りているだけです。現実的には、自衛が必要です。

Preplyのオンラインコミュニティーには、ハラスメント対策を含め、自衛の裏技がのっていてなかなか役に立ちそうです。

裏技例

相談①:生徒がアカウントを2つ作って、トライアルレッスンを2回うけた。講師はトライアルレッスンはただ働きなのに!
回答:ヘルプデスクに訴えてPreplyで重複の確認が取れれば、2回目のレッスン代は先生に振り込まれる。

相談②:変態からのメッセージを無視したら、生徒からの問い合わせを無視したとして、アカウントをブロックされた!
回答:既存の生徒からのメッセージは返信しなくてもアカウントはブロックされないが、まだ生徒になっていない人からのメッセージは絶対に返信すること。「・」など意味のないメッセージを送れば、相手もやる気をなくすはず!

相談③:根拠のないひどいレビューをつけられた。
回答:生徒とのやり取りなどを詳しく説明したメッセージをPreplyに送って認められれば、Preplyがレビューを取り下げてくれる。

いちおうPreplyによる救済措置があることに安心しましたが、相談1、3に関しては、「Preplyのコミュニティーで前例を見つけたから、私にも対応してください」とはっきり伝える必要がありそうですね。



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