血管肉腫

何を思ってか、やはりここに残しておこうと思う。

10月に入ってたまに咳をすると血塊(けっかい=血の固まり)が出ていた以外にこれと言った症状は特になかった。最初血塊を確認した時は驚きもあったが、少し気にする程度で診てもらおうとも思わなかった。

およそ1年半前の2022年10月下旬、咳と共に出た血痰どころではない血塊を確認してから3週間ほど経ってようやく診てもらおうと病院へ向かった。

おかしい普通じゃないということで、今度は造影剤CTの撮り直し。見たことがないCT画像だったようで先生動揺している。様子が明らかに違っていた。

それを見せられて愕然とした。
そして専門病院を紹介された。
突然のがん宣告。
しかも聞いたことがない希少がん。
余命宣告までも。

先生の説明が入ってこない。

その声は遠くで(実際は目の前)聞こえていても単なる音でしかなく、映像で表現するなら、自分だけピンで照明が当たり、目に映る周りはピンぼけ、或いは薄暗く、ほぼ頭が回らず、静かな空間。

「まさか自分が」の音声は何度もよぎり、なんでだ?どうなるこれから! まだ生きていかないといけないんだけど! やりたい事、やらなければならない事はまだ沢山ある。突然言われてもなんの用意もしてません!など。

数回声をかけられて、やっとハッと気づく感じといったらいいだろうか。

一旦帰宅。その際も目に映るものや光景はこれで見納めになるのだろうか。普通の日常をしっかり焼きつけておこう。世間と自分の大きな距離を感じる不思議な感覚に襲われながら家路につく。

明日からの入院の準備と共に登録しているいくつかのアカウントを退会削除整理、伝えておくべき事を沢山メモに残した。何故か落ち着いたもので、鈍感力、鈍感率の高さかなのだろうか。ジタバタすこるとはなかった。諦めとは違う。

血管肉腫 心臓原発 悪性軟部腫瘍 多発肺転移  
手術は出来ない状態。

心臓の大半にシコリ(腫瘍)がまとわり付き、すでに肺にも転移。

11月1日抗がん剤パクリタキセル投薬開始

2度目の投与は断った。

いろんな思いが行ったり来たり。

しかし数日後、再開の旨を先生に伝える。

言われた通りに投与開始からちょうど2週間後、大量に頭髪が抜け始める。

抜けるというか痛くも痒くもなくごっそり頭髪が取れるという感じだ。
頭髪だけではなく、全身の毛という毛は無くなった。あはは。見事なものだ!

すね毛もなくツルツルお肌に!

覚悟していた副作用はほかに足先の痺れ(今も続く)や関節痛があるという程度だった。息苦しさも特に感じないが就寝時には酸素吸入就寝。
食欲激減とい訳でもなかった。

2023年2月中旬、抗がん剤が効かなくなり、治療法が変わる。

この頃、咳をしたタイミングで螺旋状の真っ赤な肉片が口から出る。

いや肺から出た言ったほうが正しい。

肺の一部が癌によって破壊されて咳した勢いで体外に出たという訳らしい。

その箇所は丸く空洞(水入り?)になったままだ。蘇生はないんだろうね。

写真を撮ったが生々しいのでよしておく。

そしてヴォトリエント(パゾパニブ)という錠剤飲み薬に変更。これが結構リスクのある大変な薬のようで。

副作用はいろいろあるが個人差もあるようだ。

抗がん剤を辞めて毛が生えてきたと思ったらぜーんぶ真っ白。  なんてこった!
鼻毛もまつ毛も眉毛も白髪になった。
当初はいきなりの全白髪には慣れず染めたが、

今ではありのまま!
眉毛だけは流石に眉カラのお世話になっている。

肝機能注視、甲状腺機能低下注視、血圧上昇対応中、腹痛、胃痛、胸痛、時に吐き気、指先足裏の肌荒れ痛、時に両足裏の痛みで歩行困難、 便秘、 逆に突然の激しい下痢シャワー等等、肌が色白の傾向になる
食欲はあるので助かっている。

今では白髪にも慣れ、実は気に入っている。
もうこのキャラでいきますからね。
宜しくお願いします。

癌発覚から約一年半。今も薬を飲みながら治療は続いている。お陰様で大きく悪化することなく日々を過ごしている。
現在TVCM2本、引き続き放映中。感謝です。

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