もういいよ

私たちはいくつかの妊活手段を試していましたが、最終的にタイミング法で妊娠に至ることができました。
それは、流産の確認で受診した翌月のことでした。

その時、私は29歳。
すでに、20代で出産することは叶わない時期にきていました。


「29歳11ヶ月で生むのと30歳1ヶ月で生むのになんの差があるのさ」
※これはあくまで極論ですが


夫婦で向き合いながら妊娠というゴールの見えない霧の中を進むうち、
そんな母からの受け売りの信念は、私の中でとても些細なものになり変わっていました。

そして、離婚までのカウントダウンも、その時点で晴れて打ち切りとなりました。


心拍を確認できる時期をまって、また最寄りの産婦人科へ向かいました。

無事、胎嚢と心拍を確認したのち、採血へ案内されました。


“あ、この看護士さん、前も案内してくれた人だなー”
そんなことをぼんやり考えながら袖をまくり、腕を差し出すと

「ノッホさん、今度は赤ちゃんできたんだね!よかったね!」
と笑顔で声を掛けられました。

「え、あぁ...はい。よかったです...」

それまで1ヶ月とちょっとの間、
考えないようにしてきた自分の心のもやの部分が少し晴れた思いがしました。


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妊活に関して草食カップルなりにもがいた戦いの記録はありますが、
このnoteの主旨ではないため省略します
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