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コショーと胡椒

はじめて入るラーメン屋さんの暖簾をくぐるときに気になること。
僕の場合は胡椒の種類だ。
どんな胡椒を使っているのかなって。

ブラックペッパーだろうか、それともホワイトペッパーだろうか。
挽きの荒さはどうだろうか。

僕の好みでいえば、いわゆるコショーがいい。粗挽きブラックペッパーよりコショーがいい。
日本では胡椒と「コショー」って区別されているのか、各メーカーから「コショー」とカタカナで銘打たれた製品はホワイトペッパーとブラックペッパーのブレンドであることが多い。もちろんS&Bの「あらびきコショー」のようにブラックペッパーのみという例外もあるし、変わり種としてもっと他のものがブレンドされていることもある。筆頭はジーエスフードの「ラーメンコショー」で、なんとガーリックとオニオンもブレンドされている。ちょっとずるいほどに味が変わるので、もしまだ試したことのない人にはラーメン屋さんで見かけたときに一度試してみることをお勧めしてみたい。

で、コショー。

良いところはまず絶妙の細かさ。粒子の細かさは香りや味に直結しており、振りかける量の調整もたやすい。ペッパーミルでこの細かさを実現するのは難しくって、だいたいもうちょっと粗い感じになっちゃう。コショーは下ごしらえから仕上げまでかなりの汎用性があるので見栄えと煮込み料理以外ならお任せあれ!ちょっと古くなって香りが弱くなったら多めに振りかければいいだけだよ。僕は2ヶ月くらいで使い切っちゃうけれど。

料理まわりのアイコニックなパッケージといえばまず頭に浮かぶのはキッコーマンの醤油ボトルかもしれない。でも二位はS&Bテーブルコショーじゃないかな。普及しまくっているがためになんとなくダサいと思われがちだけれど、このボトルを見ただけでコショーとわかってしまうのだからすでにユニバーサルデザイン的な何か。1周回ってめちゃめちゃかっこいい。実は緑のカラバリで「テーブルガーリック」というものが発売されているけれど、ここは形を変えて欲しかったところ。そうすれば目の悪い人でも手触りだけでコショーを探り当てられるのに。

ほか、気になるのはこのコショー達の序列。S&Bから特製エスビーコショーという缶入りのものが売られており、これを是非ともテーブルコショーと比較してみたい。食べたことがないわけではないけれど、元々が美味しいラーメン屋さんでだったのでその時は美味しい以外の感想が出てこなかった。パッケージもヤバすぎる。誇らしげに書かれたTOKYO JAPAN、そしてバックグラウンドに描かれているのは国会議事堂なのだ。なんで???気になりまくるでしょ!

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さて、こんないいことづくめのコショーなのに海外では製品化されていないみたい。なぜか向こうではブラックペッパーとホワイトペッパーはそれぞれ別に売られちゃう。キノコとタケノコのように覇権争いでもしているのだろうか。そうそう、覇権争いといえばラーメン屋ではコショーと唐辛子が置いてあって、味噌ラーメンなら唐辛子、醤油と塩はコショーとそれぞれの縄張りが決まっているように感じられる。けれど僕は全てをコショーでいきたい。スープを邪魔しない遅効性の辛さがいいし、スープにコショーの芳香がブレンドされるその香しさと言ったら!

もちろん唐辛子も良いけれどそれはまた別の話。
まずはコショーの話に留めておこう。

読んでもらえただけで嬉しいです!