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東京微分

晴れる日が多くなって家の周りでは雪解けがどんどん進んでいる。一昨日にはハクチョウが空を渡っていくのを初めて目撃して、大きな鳥たちが編隊を組んで悠然と飛んでいくさまにしばらく見とれてしまった。

さて先週は東京詰め。桜の花が咲き乱れる美しい季節だったけれど、去年から花粉症になったので辛い一週間でもあった。それでも普段、口にすることが難しいものを食べ歩いてきた。これはもう勉強のため。きちんといろいろ自分で料理、なかでも和食を作れるようになりたい。まだまだ作れないものも多いけれど、蕎麦を打てるようになったらいいな。美味しい蕎麦屋を海外で見つけるのはもうめっちゃ難しいから。

と、何はともあれ六本木のブルーボトルへ行って、朝早い時間で外国の人ばかりのなか、ひさびさに酸味のきいたコーヒーを飲んだ。よそ行きの味。サードウェーブといえばこういうのが多かったけれど、最近はそこを通り越して、アフリカの豆みたいに酸味に特徴のあるものでも煎りをちょっと深くして酸味を抑えて提供するところが増えたように思う。

夜には暑くなる季節の前にとおでん屋さんへ。「俺の」と名のつくお店に初めて入り、値付けの崩壊を目の当たりにした。なんであんなに安く提供できるのかちょっと意味がわからない。はまぐりのおでん380円とか、一個だけ入っているのかと思いきやたくさん入ってた。すごいなぁ。

その後はバーにお邪魔していろいろと作ってもらう。「季のTEA」という、京都蒸溜所の緑茶を使ったジンをソニックスタイルで。強烈に美味しかった。柑橘と緑茶の相性がこんなにも良いものだとは。自分でもウォッカにいろいろ漬け込んで緑茶を使ったジンを作ってみよう。ほか、旭川のミズナラを使った樽で熟成したウィスキーがありますよということでそれも。うちでは薪として使っているナラに申し訳なさを覚えるなど。スミマセン。

別の日の早朝には移転してからまだ行ったことのなかった豊洲市場へ。
築地市場といえば訪日観光客にとって一大観光地だったけれど豊洲に移転してからはめちゃめちゃ少なくなっているようだった。これはと思ってスマホでTripAdvisorをのぞいてみたら時間の無駄とか書かれていてちょっとかわいそうなくらいの低評価。ただその気持ちもわからなくはない。「市場」という単語への期待が全て裏切られてしまったのだろう。見学はガラス越しに離れたところからということで活気や臨場感が失われてYoutubeで見るので十分と判断されても仕方がないし、都心からのアクセスも良くない、以前は場内にあった昭和感ただよう飲食店たちは小ぎれいに建物の中に収まってしまって見た目としてはデパートの食堂街フロアと変わりばえしない、ということで観光客が少ない滞在時間を割いて豊洲市場へ行くのはリスキーだ。もちろん市場は観光客のための場所ではないとはいえ、せっかく和食が無形文化遺産に登録されたのになんだかもったいない。

ただ、悪いことばかりでもなくて移転前ならかなり待ち時間のあったお寿司屋さんにすんなり入れた。この日は普通にオフィスへ行く予定だったのでお酒は頼まなかったけれど、かなりゆっくりできるようになったので、いつかお酒を出してもらって刺身を切ってもらい、つまみを味わい、頃合いを見計らって寿司を握ってもらうという、オーソドックスなお寿司屋さんとして楽しんでみたい。移転前はやっぱり店の外で行列を作っている人たちに気兼ねしてしまってそんなことはできなかったので。
ということで世界一の朝食はまだここにあるといった感じ。

あとは神楽坂へ行ったり、千鳥ヶ淵で桜を見たり、合羽橋へ行って欲しかったカトラリーの在庫を見つけたり、やげん掘で七味を好みのタイプに調合してもらったりと少ない時間をやりくりしながらも充実した時を過ごすことができた。ただし、花粉がやばすぎて感受性が1/3くらいだったので、次回にどんな差分を感じられるか楽しみ。

ひさびさに気軽に書いてみた。スッキリ。

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