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のれんドブロinアメリカ 2023

2023年10月末。ナッシュビル、ケンタッキー、そしてシアトルを巡り、あれよあれよと長年の夢を叶える事になる、ブルーグラスに満ちた2週間。

初めての海外、英会話経験ゼロ、出来ることはドブロギターを弾くことのみ、そんな状態で飛び込んだ未知。
旅の様子を綴った日記をFacebookに毎日投稿していました。ここでは載せきれなかった写真と共に、日記自体を振り返っていきます。

ブルーグラスの本場、アメリカ。プロでやるからには一度経験しなければと思っての30歳の決意。
ブルーグラスをやっていて、アメリカに行ってみたいなあと思ってる人がこの記事をいつか読み、少しでも後押しになればと思います。




Day0(10月30日)

おはようございま酢
仙台を出発しましたーー!!

今日は羽田空港に前泊
明日朝の飛行機で渡米します

たくさんの応援、ご協力、メッセージありがとうございます
😭
人生初の海外、本当にアフロとドブロしかない状態で未知の世界へゆきます
アドベンチャーです


朝8時前くらい。重量超過ギリのスーツケースとドブロを背負い背中を痛めかける

Day0は空港行きの高速バス車内での投稿。
X、Instagram、Facebookとアップしていると、投稿を見たAndy Hall(The Infamous Stringdusters)から連絡が入る。彼らのライブを最終目的地のシアトルで観る予定だったが…。

その時の気持ちを泣きながら走り書きしたメモ。
共演がずっと夢だった。

この時の心情などはDay14あたりでまた書いてたけど、とにかく視界の色が眩しく変わったことが印象に残っている。興奮と恐怖が交錯する感覚。
このへんから14日間ずっと現実味がなかった。

昼過ぎに羽田着。グローバルWi-Fiをカウンターで借り、(先にネットで予約しておくと早い)
ラーメンもしばらく食べれんだろう…と札幌味噌ラーメン(バター乗ってるやつ)を食べた。

渡米後、予想通りこういう味が恋しくなることになる。

Dustersとの共演が決まってしまい、急ぎ追加のお土産を探す事に。
ちょうどよく日本的でウケの良さそうなのを…と羽田のターミナル間を移動しまくり、ほぼ全てのお土産屋さんを周った。前日入りしておいて本当に良かった。

東京国立博物館ブースがすごく良かったので、このへんでダスターズ用のお土産を調達。
歩きすぎて激・疲れることとなる。
へとへとになり夕飯…とターミナルを彷徨うも、安いとこはまさかのちゃんぽん屋さんしか開いてない。連続麺でDay0を終える。
ファーストキャビン羽田というカプセルホテル。
ドブロと一緒に寝た。
大浴場もある素晴らしい施設だが、お湯が激・熱くてほぼ入れなかった。

フライヤーづくりやいろんな連絡など出国前に済ましておきたい事務的な作業をこなすとあっという間に深夜になった。
やばいやばい…と思いつつも旅の前日の興奮で目が冴え、ロビーで入国審査や乗り継ぎのコツを解説するYouTubeを漁る。

部屋に戻り、暗くしたカプセルの中で、あしたからいよいよはじまるのか、まじかよ、とまだ現実味のない天井を眺めたのを覚えている。



Day1(10月31日)

出国直前も麺。しばらく出汁に会えないと思うと異様に美味しく感じた

(ふりかえり)
・10時50分発から逆算して7時起床。ねむすぎ。髭を剃り顔を洗い身支度をする。意外と時間がかかって焦る
・無料バスで国際線の第3ターミナルへ。昨日何往復もしたので慣れた。こういうとこで焦ると体力を削るので、慣れてたのはでかい。
・出発手続き。透明のパスポートカバーから出して生身で使う事が多くて意外と手間取る。この先飛行機に何度も乗るが、ケースに丁寧に入れているのはマジで日本人だけだった。
・持参したエフェクター(Aura DIとGraceのBiX)を抜いて21キロのスーツケース。23キロ以上から超過料金なのでギリセーフ!ギターケースもfragileタグつけてもらって無事おっけー
・手荷物検査。水とエフェクター、ピックケースがひっかかる。取り出してピックつけて、こう弾くんです…とやったら通れた。確かに怪しいわな。

・12時間でシカゴ着予定。機内で見たアバター2があんまりだった(大画面じゃないとなやつ)
・ベテラン添乗員さんに髪を褒められる
・機内食おいしーーー
・機内食おいしーーー
・お腹空いたタイミングで軽食が出てくるのすごい計算されてる
・寝る

羽田→シカゴの機内でのメモ。
不安と興奮で精神がめちゃくちゃになり、やたらわろてる。
ちゃんとした状態でアバターみたら面白いと思います。すんません。
アメリカに着くまでのこの時間が14日間のうちで1番緊張していたと思う。
機内食その1
丁寧な味付けで美味しかった
プレートが配られ始めると機内の雰囲気がすごい明るくなる
その2
TANITA食堂監修のなんか健康なやつ

・時計を2時間巻き戻して、10月31日朝8時半 シカゴ オヘア空港着 噂に聞いてたけどマジでBGMがない。空港なのにすごい静か。めちゃくちゃ緊張する

・空港の壁が大きく崩れていたり、照明が切れてたり、外国の設備は半分壊れているという噂は本当だった。そのことが不安を加速させたのを覚えている。
・入国審査の列に振り分けられる際にゲート番号を一人ひとり言い渡されるのだが、ぶっきらぼうなお姉さんの「39」が聴き取れず違う列へ向かいちょっと怒られる。「す、数字すら聞き取れなかった…」と凹み、その後の旅を案じることになる。


・外が吹雪いている
・入国審査官に「その頭ハロウィン?あっちに同じ髪型の同僚がいるよ」と指された先にスキンヘッド。初アメリカンジョークをくらう。たはは…と苦笑しか返せない。髪の説明に終始し用意してきた英文をほぼ使わず通過
・空港駅の駅員に肩を叩かれてぎょっとすると「良い髪だねえ」と褒められる

・アフロが役に立ち少し緊張が和らいだ。この髪型でよかった…と内心ほっとした。
・しかしアフロについて聞かれたり説明したりする、日本で毎日のようにやってる作業はアメリカではこれが最後だった。アメリカ人全員に共通する「相手の見た目には絶対に触れない」という暗黙のなにかを感じた。多民族でいろんな人がいるし、当たり前なのかもね。

・給水機が壊れて使えないねえと会話したお姉さんとその後すれ違い、「あっちは使えたよ」と教えてもらう。英会話をしている自分がくすぐったい
・記念になんか食うかー!とメニューを見ると空港価格+円安で信じられんくらい高い。許さん。日本から持ってきたクリームパンをたべた

・1ドル150円くらいの最悪なタイミングでの渡米でした。空港レストランのハンバーガープレートみたいなのが3000円近くしたが、14日でそれにも慣れることになる。

・なんだかんだシカゴ オヘア空港もクリアし無事搭乗
・隣のお姉さんが信じられんくらい美しくてビビる。アジア系の方。あとで戻ってくるから!と英語。服を座席に投げてどこかへ。なんかかっけー。降りる時に分からないことがあり思い切って日本語で話しかけると通じた。むしろ「日本の方だったんですね」と言われる。

・離陸までの間、添乗員さんがずっとスマホをいじっている。日本じゃ考えられないけど、これぐらいでいいよなあと思った。そしてとても身長が高い。天井についちゃう。
・英語って一息が長いと気づく。それが歌に繋がってるのかも
・ぜんぜん離陸しない。添乗員さんはずっと誰かとメッセージをやりとりしてる。
・持参した浄水機付き水筒が漏れてる気がして気が気でない
・機内サービスでアップルジュースと発音。伝わってよかったー。伝える事が何よりも大事ということを忘れない精神
・着陸体制 飛行機の運転が荒い!!! ナッシュビルの街が見えた。

・アンドリューと合流。とてもやさしい同い年。楽器会社とピックアップ会社の2つとエンドースしてて、ベース講師として生計を立ててる。レフティだが右利き用のベースもレフティで弾く。どうなってんだ!すごい

Andrew Taylor Brown
スラングを多用しながらの会話で結局さいごまで半分くらいしか理解できなかったが、Google翻訳を使ってくれたり、楽しめてるか気遣ってくれたり、気さくで優しく本当にいいひとだった。
心からありがとうと言いたい



・カントリーミュージック博物館に連れてってもらう。カントリー界の全てがあった。

・アンドリューの友人2人も合流。オスカーはイギリスのバンジョー弾きでそのうちナッシュビルに来るらしい。

ドブロの神、ジェリーのシアホーン


アンドリューと友達たち。
全員チェックシャツなことに驚く
ナッシュビルの街並み。
聴こえてくる音楽はBGMではなく、全部生演奏だった。

・ドブロ弾きのアイザックの家にDay1、Day2と泊めてもらえることに。ドブロ弾きあるあるの楽器交換ジャムをした。メレディスとグリフィス。始めて7年らしいのにめちゃくちゃハイレベルだった。

・フェンダーの2本繋がったラップスチールもあった。ナッシュビルの多くのドブロ弾きはラップスチールとペダルスチールとドブロの兼業だとアンドリューが教えてくれた

手前からおれのシアホーン、アイザックのグリフィスとメレディス
Josh Swiftから譲ってもらった的なことを言ってた(違ったらごめんアイザック)
フェンダーのラップスチール。いい音だった


・「本当のナッシュビルを見せたいんだ」とアンドリューにカントリーライブに連れてきてもらう。ちょうどハロウィンでみんな仮装。会場をうめつくす若者が、カントリーで、踊り狂ってる。ペダルスチールのソロで歓声が上がってる。こんなことってあるんだ。

店の外はカントリーシャツなどがたくさん売ってた
ダンスしてる
若者がカントリーのライブにこんなに来てるという事実に本当に驚き、アメリカが羨ましくなる
いい夜でした

・23時にどんちゃん騒ぎの会場を抜け出し、アイザックんちで就寝。想像通りのザ アメリカの家。ほんとうにありがたいです。

シェアハウスの一室を2日間貸してくれた。
お土産に日本酒と柿ピー(Wasabi)を渡した。

時差によって34時間くらいあったDay1でした。
アンドリューやアイザック、歳の近いブルーグラッサーに助けられ充実した1日を過ごした。
Facebook用に日記を書いてたら寝落ちした覚えがある。


Day2(11月1日)


・寝落ちから目覚めるとAM11:30。「起きたら連絡してね〜」と言ってたアンドリューにあわててメッセージ。まじで今地球のどこにいて何日で何をしているのかしばらくわからなかった。

・アンドリュー行きつけのカフェでティーを買う。アメリカの人は本当に、レジの人とまず挨拶、談笑、そして注文という流れ。どこの店でもそう。アメリカだ!

・チップもレジにあるタッチパネルで3種類から選ぶ方式。わーお。

・ギターショップに連れてきてもらう。おびただしい数の楽器たち。日本だと大量のエレキギターのなかにちんまりアコースティック楽器だけど、ナッシュビルでは正反対だった。


Gruhn Guitars
ショルダーバッグにはパスポートとポータブルWi-Fiが入ってます。失くすと死を意味する…ッ

・ドブロが、たぶん日本のすべてのショップを合わせた数より多く置いてあった。後ほどまとめますがその多くが日本の店舗には存在しないBeardだった。全部弾かしてもらった。Josh swiftモデルとJerry Douglasモデル、あとアパラチアンが特によかった。


日本では考えられない品揃え

・連れてきてくれたアンドリューとジャム。通りかかったおじさんに「YouTubeで君を見たよ」と声をかけられる。

・Andrewはベースだけでなくギターも弾く。ナッシュビルの若いブルーグラッサーのほとんどはメインの楽器の他にもかなりの練度で別な楽器も習熟していた。
・お店のスタッフに「動画撮るからもっかい弾いて!」と言われ、これは確かTake2だったはず。
・弾いてるドブロはJosh Swiftモデルのドブロ。めっちゃよかった


マンドリンも
広〜〜〜〜〜〜〜〜い!!
マカフェリまであるよ
エレキのが少ないっていうのがなんだかよかった

・続いて2店舗目カータービンテージギターへ。ほら、クリスシーリとか名だたる名手がここで試奏してる動画を見たことあるでしょう?そこです。と自分に語りかける。まじか。


ブルーグラス系の楽器をYoutubeで調べたことのある人なら一度は見たことある、カータービンテージ

・あんまりドブロはなかったがスミスヤングという知らないメーカーのものが非常によかった。本物のワイゼンボーンも弾いた。100万円のメタルボディトライコーンは流石に遠慮した。

スミスヤング。よかった
ワイゼンボーン!どこのメーカーかは忘れちゃった
いつか手に入れたい楽器である
ラップスチールもたくさん


クレイジーな見た目のラップスチールも

・お昼はハンバーガー。バーベキューの店に連れてくぜ!と言われて、なるほどこれが”バーベキュー”か。となる。

・超絶バンジョーのテイラーとフィドラーのアシュリー。アンドリューと3人のスラング混じり、訛りまくりの会話を食べながら聞く。本当にわからないがたまにアンドリューがGoogle翻訳をつかって今何の話をしてるかを説明してくれる。本当に優しい。ブルーグラス界隈の色んな話。時々有名人の名も出る。そうか、、そんな人たちが身近にいる毎日なんだな…と感動する。

・パルテノン神殿のレプリカ(超巨大)を見に行く。テイラーとアシュリーがずっとふざけていて面白い。アンドリューはみんなのお兄さんみたいだ。


出ました、バーベキューことハンバーガー。サイドのポテトをコールスローに変更できる店が多い
これをアンドリューが、飲み物をテイラーたちがそれぞれ奢ってくれた
本当に優しくしてくれる
アシュリー、テイラー、アンドリュー
左真ん中に見える赤い棒状のものはすっぱいピクルスで、みんなが不味い不味いと盛り上がっていた。
アシュリーに「食べてみなよ!」と言われ口に運ぶと、味が完全に京都のお漬物でかなり美味しかった。
まじでなんでここに????
左のふたりがずーーーーっとふざけててすごい愉快だった

・アンドリューが「毎週やってるギグがあるんだけど、一緒にどう?」と誘ってくれて、繁華街のお店で演奏することに。ジャズの店だけどカントリーもやるよとかそういうのではない。”ブルーグラスのライブをやる店”がストリート一面に並んでいて、そのほとんどでブルーグラスの投げ銭ライブをしている。なんだこれは


各店ガラス張りの入り口そばにステージがあり、四方からブルーグラスが聴こえてくる


会場のBig Jimmy's
バンジョーのWill MacLeanはThe Cleverlysというバンドに所属してる
学生のころYoutubeでめっちゃみてたよ!?!?
2ステでは彼のDIを借りて演奏しました。ありがとう
休憩時間の夕飯
店員さんに何か聞かれたので分からずにYesYes頷いてると大量のチーズがかかったパスタがつけられた。
激カロリー

・バンジョーはYouTubeでよく見てたバンドのメンバーだと最後に気づき、震える。そして全員異常にスキルが高い。うわあ、すごい、今おれナッシュビルで弾いてるよ、と何度も思う。

・知ってる曲、知らない曲。2曲の予定が全曲、計2時間も弾かせてもらった。これできる?と聞かれないうれしさ。インプロもある。ちゃんとどの曲もソロを回してくれる。良いフレーズを弾くとちゃんと反応してくれる。仕掛けると返してくれる。音楽がここにある。

・演奏途中で帰る人も、全員投げ銭をしていく。

・終わったら別会場でジャムやってるから、とハシゴ。店に入ると数えきれないブルーグラッサーがジャムをしている。まじかよ。

会場は昨日と同じくAmerican Legion82
若いブルーグラッサーがたくさんいて感動する
テイラーはきっとこの後アメリカを代表するバンジョー弾きになってくんじゃあなかろうか
日本でみたことない技術ばかりだった

・ジャム終わりにちょっと無言の時間があるのは日本と同じだった。

・ドブロ弾きは2人しかいなかったし、ジャムする前に帰ってしまった。ここでもレアか…。

・あのGaven Largentが来ていたので、挨拶をした。震える。ドブロは持ってきてないそうだったけど、1曲やってみてと言われたのでジャム曲の方のBig countryを見せたらすごく褒めてくれた。アメリカはお世辞文化とは聞いているが、全部間に受けようと決めている。嬉しい。

前日にGrand ole opryにて演奏してきたGaven Largent
クールながらいい人だった

・ジャムは朝まで続くらしいが、明日からReso Summitなので早めに帰った。

・今のナッシュビル夜はとても寒いが、まったく寒くない。

・おやすみなさい


Day3(11月2日)

・昨日のライブで興奮したのかほとんど眠れず、ぱやぱやのままアンドリューと合流。3日も付き合ってくれます。ありがとう。
・ドブロサミットでノートブックが必要てことに今頃気づき、近所のショップに寄ってもらう。日本でいう薬局的な…なんでも売ってる感のあるとこ。
・アメリカもセルフレジの導入がすすんでた。

この壁がぶっ壊れたままになってるのもアメリカらしい
公共施設で壁に穴、電灯切れてる、手洗いから水が出ないなどは普通だった

・秋の日差しがきもちいー
・アンドリュー馴染みの楽器屋さん(いくつあるんだ)に寄る。ここは安めの楽器屋さんとのこと。何本かあるドブロよりアパラチアンダルシマーが気になった。確かに安くて買いそうになった。

手前のはトラベルワイゼンボーン的なことだろうか
アパラチアンダルシマー
指で押さえてフラットピックで弾く
かわいくて山の音がする
マンドラ?右利き用も器用に弾くアンドリュー
ドブロも何本かあったけど、昨日良いものを弾きすぎておなかいっぱいだったので触らず
バンジョーもあたよ

・その隣のカフェでブランチ。ボードゲームカフェらしく、何組か興じていた。BLTと、サイドをポテトかサラダか聞かれて迷わず野菜に。もうポテトはいいです。
・ここからひとりになるおれの英語力を案じてアンドリューがレッスンしてくれた。本当に優しすぎる…ありがとう

・be going toを使うとプレゼンみたいな感じになるから・・・gonnaっていうといいよ、とか、あいづちの種類とかいろいろ教えてくれた
・まじで話せないので、サミットを乗り切れるのかすごい心配してくれたんだろうなあと思う。どこまでも優しい

このお店が14日間でいちばんおいしかった
野菜が身に染みる

・ドブロ弾きのための合宿ワークショップ Reso Sumit2023へ。会場のScarritt Bennett Centerは元教会。迫力がすごい
・チェックインまでついてくよ!とアンドリュー。エントランスにいるドブロ弾きたちにどんどん紹介してくれてとても助かる。

荷物まで持ってくれるマジのジェントルマン
聖堂おっきーーーーい!
激しく方向音痴のわたし
初日は敷地内を迷い続けた

・案の定アクシデント!サミットの登録とホテルの登録は別らしく、なんと宿泊先が無いことに。となりのおばさまが「あのメールはわかりにくかったから…」と呟いてたので、しょうがないことにしておく。
・アンドリューは所用で離れ、1人でこの事態をなんとかせねばならぬ。Wi-Fiが不安定で翻訳機も使えない
・めちゃめちゃ困った感じのアフロに気づいた数名が「どうしたの?」と近づいてきてくれた。はちゃめちゃイングリッシュでなんとか伝え、受付の人に解決策を伝えてもらう。
・空き部屋があるということで予約してもらった。本当に助けられてばかりです。感謝
・むしろこの事態でそのメンバーと仲良くなって、結果オーライだった。

・この旅の一番焦ったタイミングはここかもしれない。まわりのドブロ弾きたちに本当に助けられました。上記の”おばさま”ことDannieとはこの後も隣で授業を受けたり一緒に食堂で食事したりプレゼントあげたりいちばん親しくなった。

・サミットはまずオリエンテーション。各ドブロ講師の紹介と講師セッション。会場に向かいます。
・あ、、、、、、、、、、、
・Rob Ickesがいる、、、、、、、、、
・Rob Ickesが、、、、、、、
・Rob Ickesがいる、、、、、、、、、、、
・マイクセッティングしてる、、、、
・ロブもマイクセッティングするんだ、、、、、、、
・マイクをセッティン、、、、、、、、、、、

なぜかここで号泣してしまいました
あんなに憧れてた人の、演奏の前のなんでもない動作に、同じミュージシャンなんだな、実在するんだな、と急に現実味が襲ってきて、涙が止まらなくなりました。

・さっきのピンチを救ってくれたダニーが隣だったんだけど、俺の泣き顔をみてつられ泣いてました。あんたはロブ3回目やろがい!

・Dannieはサミット3回目らしい。「つられちゃう・・・」と言いながら一緒に泣いたシーンが忘れられない。

・ロブの口から次々と講師が紹介されていく。みな音源やYouTubeで見ていた人たちばかり。信じられない
・1時間半くらい自己紹介がつづく。ここにきて急に聞き取れるようになる。いやなってない。

・Rob Ickes、Cindy Cashdollar、Billy Cardine、Abbie Gardner、Jimmy Heffernan、Boby Ingano、Jay Starlingの7名。ほかにルシアーのPaul BeardとByrl Murdockが参加してました

・講師セッション。ドブロだけのセッションは誰が音楽のどの部分を担当するかをそれぞれが察せるかが肝要ですが、特にビリーカーディーンの薬指ベースに「田上さんがやってたやつだ!」と感動する。もちろん、全員引くほどうまい。

・九州の先輩ドブロ奏者、田上和由さんは数年前にReso summit初の日本人参加者としてエントリーされました。今回の渡米についていろいろとお話を参考にさせていただき大変助かりました!ありがとうございます

・ロブの音が圧倒的に別格だった、、動画はシェアできないんですが、本当に圧倒的。

・夕飯は食堂にて。ビュッフェ形式にちょっと遅れて行ったら受付のお姉さんになんかすごい冷たくあしらわれる。おどおど戻ろうとすると参加者のおじさまに声かけられて、「参加カード(首から下げてる)を見せればいいんだよ。あの女性がわかってないんだ、気にしないで」と助けられる。助けられてばかりだ!ありがとう。

ロビーに書き出されるその日のスケジュール
サミット用のアプリもあったんだけどほぼ機能してなくて(アメリカらしい)
結局このホワイトボードで確認してた
ホテルの部屋は謎構造
隣の部屋との間にトイレ&バスがあり共用
使う人は相手側の鍵を閉め、使い終わったら開けて退出するというルール
一回隣人が開けるのを忘れてて使えず、ロビーに言いに行った
夕食
飲み物はいろいろ選べるが伝わりやすいスプライトをよく選んだ覚えがある
まわりのみんなはこの倍くらい食ってた

・サミット1日目の夜はRob Ickes&Tray Hensleyの生音ライブ。でけー教会が会場。
・生音でもこの音ー!?笑っちゃう
・IBMA受賞のギター、Trayが本当に超絶すぎてロブが霞むほどだった。そのギターが出せる最大音量最高音質を完全にコントロールしている。人間では不可能な動きをずっとしてる。アメリカのトップ、ぶっ壊れてる。
・終演後勇気を出して2人に挨拶する。普通の返答ではあったがすごい嬉しい。ものすごい緊張した。


生音の大きさに度肝抜かれっぱなし
本物だ…ッ

・夜はジャム。みな5.60代。他の楽器からの転向や歌メインからの転向が多いらしく初心者が多い印象。ゆっくりジャムが逆に難しい。
・みんないい楽器持ってんなあ…Beard,Byrl,Scheerhorn、やすーい楽器持ってる人0かもしれん。こわ。
・「その曲知らないです…」「ソロ飛ばしてください…」みたいなことになるのは日本とも共通なんだなと思った。1曲終わるとみんな無言になって変な空気が流れるのも同じ。さっきまでみんなあんなにおしゃべりだったのに!?


ロビーのドブログッズ
日本から取り寄せるより安い!
新しいシアホーンのバーを購入(150$)
まったりジャム
体感でBeard90%、Scheerhorn5%、Byrl3%って感じ

・体力残しとくか…と早めに抜けた帰り道で、憧れのギターメーカーBeardのポールビアードさんと会う。向こうから近寄ってきてくれて、「Renじゃないか!明日ブースに来てよ!」と言われる。存在を知ってくれてたぽい。

・明日から授業詰めの日々だ!サイコー!

・Reso Summitは大学の授業みたいにコマごとに講師を自分で選択できるシステム。聴きたいのが被ってたりしてけっこう悩ましいことになる。


Day4(11月3日)

・今日からドブロに関する授業漬けの3日間。どこかの部屋から聞こえてくるドブロの音で目を覚ます。ナッシュビルの7時の色。

今日から本格的にスタート
朝から予定がぎっしり
朝7時。差し込む朝日の色が日本とちがう気がした
ドブロケースはGruv Gear
日本でもアメリカでもまず「どこのケース!?」と訊かれがち
エレキギター2本収納可能なやつの中仕切りを取っ払ってドブロを入れてる
カーボン製で丈夫。空港でぶん投げられてもいいようにこれにした
サミット中、教室間移動の際に使ってたバッグ
ムーミンかわいいねえ!とここから会話が広がることもあった
中にはスマホ三脚、ノート、ポータブル充電、サブの財布、撮影用のスマホ
メインバッグ。ブランド名全面に出てると盗られるみたいな話もあるけど機能性重視でモンベル
(今回はずっと治安が良かったので何もなかった)
持ち物の写真をこんなに撮ってたのは
いざなくしたり盗られた時に口頭で説明できない!と気付いたため

・朝ごはんだー!
・サラダ無し。ギトポテ、ギト肉、硬ベコ、パサパン。虚無エッグ。まじか……リンゴジュースを選択して何かを打ち消そうとするも、すごい甘い水。アメリカだ…!

全部油まみれ
となりの女の子がギトハンバーグを塔にして食べてて戦慄した

・会場敷地内に普通にリスが走ってる。Squirrelが発音できる気がしないので話題には出さない。

日本のスズメポジションくらいたくさんいるリス
手元に想像してみてください
その倍大きいです

・一限目はRob Ickes&Tray Hensleyのデュオ講座。
内容書いてると無限なので、心の中だけ抜粋します
→「カラーチェンジ」という言葉を多用するね〜!
→ハーモニクスの時の左手の形〜!
→1弦の音質〜!
→Tray朝から声ですぎ〜!
→音量に対する余裕〜!
→チョップの男なにそれ〜!
→椅子のそんなとこにスライドバー置くから何度も落とすんじゃない??気にしなさすぎでは??
→曲の雰囲気によって変えるアタック感のちょうどよさー!
→おあああーー!!

・二限目はロブのブルース講座。鼻息荒くして最前に陣取ったら本当に目の前になってしまった。ドキドキの1時間
→知ってる知ってるー!
→カラーってまた言ってる!
→ロブもI real pro使うんだ!
→ポータブルスピーカーAnkerなんだ
→それってそういうことなんだ!!
→おあああーー!!

まじでこの距離
目も合いまくるしずっとどきどきしてた

・昼食。やっとサラダが出る。今までで1番美味しい組み合わせ。よかった…

・英語で必死に話してたら横から「それは◯◯っていう意味だよ」と言われてぎょっとする。日本語!?
・隣に座ってたTimさんは山形に3年住んでたらしい。早く言ってくれ!!!!!!日本語わかる人おるやんけ!!!!
・めちゃくちゃいい人だし、すごい安心した

野菜ありがてえ〜〜〜!と内心叫びながら食べた
美味しかった
ティム、そしてアフロ安心の笑顔
台湾語もいけるらしく、日本語を喋る時は英語→台湾語→日本語と変換して発話するらしい
すごすぎ
ボストンでバンド活動もしているらしく、ロックなドブロを弾く猛者だった

・しばらく時間が空くのでBeard Guitarsのブースへ。ずっと憧れの最先端高級ブランド。

・絶対良くないと思ってたRadio Rがあまりの爆音で笑ってしまった。良すぎる。

ぜーーんぶ自由に試奏できます
その場で購入もできて、実際Radio Rを買った人がいた

・逆にいいなーと思ってた最新作のTrail Headは音が軽すぎてあんまりな印象。

・Joshモデルのオプション全部盛り激重ドブロを試奏していたら講師のAbbie Gardnerがやってきてセッションになった
・「来年は講師側で参加しなよ!」と言われる。流石にこれは信じない。でも嬉しい

・「オリジナルを聴かせて」と言われて森と凪を披露する。アメリカのソロドブロ代表の人にソロドブロ見せてる…と震える
・いつの間にか人が集まりいい感じのセッションになった。楽しい〜!

・クレイジードブロ弾きのBilly Cardine先生が颯爽と来て、何かを弾いて、颯爽と帰った。

左から
全盛Josh Swiftモデル、ラップチール、Radio R
最新作のTrailhead
ラウンドネックもあった
Abbie Gardnerとセッション
奥の腕組みおじさんも講師のJimmy Heffernan
奥の白ヒゲがPaul Beard
Billy Cardine

・そのまま三限目、ポールビアードによるセッティング講座。話し方がうまくて英語がわからなくてもすごい分かる。
→ほえー!
→そうだったんだ…そんな….
→おあああー!
数年間間違えてたセッティングをその場で直してもらい、さらにセラミック加工の最先端パーツを明日インストールしてもらうことに。

ドブロに対してすごく真摯な語り口のポール
奥は息子さん

・四限目はペダルスチール講座。あんまり興味なかったけどこれしか開講してなかったので、後ろの方で受ける。
・連日の寝不足でうとうとしてたら目の前の席に誰か座る。肩がやたら四角い人だな…と思ったらロブアイクスだった
・ずっとロブの肩を見てました…上手くなる気がして…

右のしかく肩がロブ
ほんとうに四角い
夕食
ずっとブーブーいうとりますが、振り返ってみるとアメリカにしては野菜も多くて豪華なビュッフェだ

・夕飯。なぞのツブツブ料理が怖いが躊躇なく食べる。
・飲み物を頼む時の「Sprite」の発音だけ異常に良くなってゆく。バチバチに太って帰るつもりだ。4ヶ月続けた体づくりはアメリカで好きなだけ食うためである。

・環境もちがうハードな14日間を乗り切るために、筋トレと毎日1キロだけ走るというトレーニングをしてました。これまで運動経験ゼロだったので効果は抜群。ほんとにやっててよかったと思う

・夜は会場外のライブハウスへ。きのう助けてくれたダニーが車に乗せてあげるよ〜と言ってくれてまたしてもお世話になる。歩くと寒空を30分だったので、かなり助かる。

・聖地Station Innへ。講師たちのライブ、サウンドチェックから見れたのは本番見るよりもかなりいい経験だと思う

・Billy CardineとBobby Ingano
ハワイアン。ラップスチールの音で寝落ちしそうになる。挨拶したらハワイ出身のボビーはシブヤで何度もレッスンなどをした事があるそう。最後にしゃぶしゃぶー!って言われた。好きなのかな
ビリーのクレイジーさの秘密がわかりました

・Abbie GardnerとCindy Cashdollar
“ドブロシンガー”として活動するアビーとラップスチール博物館の殿堂に入った(そんなものがあるのか!?)シンディ
ペダルボードみれて満足。みんなオーラペダルある。使ってないのロブだけってことか…
シンディはアメリカンらしい自信がそのまま音になったみたい

・ステーションイングッズがかわいくて買った。レジの最後になんか言われたけどよく分からずなんだか流れていった。チップのことだったかな…?と今思う

・流れで同テーブルになったおじさんに飲み物を全部奢ってもらう。みんななんでこんなに優しいのか、逆に怖くなってきた。

ブルーグラスの聖地
ステーションイン!
早く着いて、サウンドチェックも見させてもらった
この日は貸切なので
観客全員がドブロ弾き
こわ
アビー&シンディ
サポートにギターとベース
ハワイアンのボビーとビリー
ベースはビリーの奥さん
休憩時間に外のストリートへ
急なATM
この雑さがアメリカ〜っ!とうれしくなる
シンディのペダルボード
アビーのペダルボード
ドブロ弾き定番 DIにFelix、リバーブにBigsky
もちろんAura
一時期のアンディホールに似たセッティング

・寮に戻る。ここからの旅も長いので風呂場で洗濯もする。
・おやすみなさい


出合いに満ちた
充実したインプットのDay4でした

随時更新予定



野崎廉 のざきれん(のれん)

三重県出身。ギターを寝かせて弾くドブロギターを使い、ドブロ奏者として様々なジャンルへのアプローチに挑む。
オリジナル曲やカバー曲、弾き語りなど様々な表現にて音楽活動をしている。
アメリカ テネシー州ナッシュビルにて開催される
Reso Summit2023に参加。現地ミュージシャンとセッションを重ね、シアトルにてグラミー受賞バンドThe Infamous Stringdustersと共演を果たす。
ギタリストの齊藤ジョニー氏とのデュオや、ブルーグラス、カントリー、アフリカン、和笛とのバンドにも参加。
宮城県を中心に活動中。天然パーマ。

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