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【ボイトレ・脳トレ・シニアライフ】第11話



N♠「いよいよ、虚数系(呼吸系)に重点を移して、ボイトレを進めて行く方向に舵を切りたいと思うので、頭を切り替えて付いて来てね。
虚数軸には筋力が入る余地は無い。但し、筋力の影響を受けやすい呼吸の出入口に細心の注意を払う事で、ボイトレの進化が目に見えて来るよ。」

B♡「虚数軸は身体の中心を上下に貫いている中心軸(縦軸)と考えて良いのよね。その軸は、ほぼ背骨に置き換えてもいいんでしょ。
私は、尾骶骨の辺りを息の出入口にしているけど、中々慣れるのに手こずってるわ。」

N♠「腹式呼吸だから、「尾骶骨=息の出入口」を公式として活用して欲しいね。この時に注意して欲しいのは、虚数軸は限りなく細い軸をイメージしてね。
数学的には「0」をイメージして欲しい。
息を吐いて発声する直前までは、「0」で待機してる訳だよね。
例えば、パンパンの風船に限りなく細い針先で突っつくと、

プシーと漏れ出る息の筋は極めて細い息の筋ができるのに似ているかな。

発声の息は細ければ細い程、ボイトレ効果は上がるよね。
この細い息が吐けるようになると、息を吐いた反動で、息の吸い込みが自然に起こるよ。
従って出入口の近辺では、渦が発生するんだ。この極めて細かい「息の渦」が出来始まると、とても滑らかで、安定したボイトレに繋がるよ。」

B♡「そんな細かい操作は私には無理だわ。Ai採点90点前をうろちょろしてるのは、その辺りが、足を引っ張ってるのね。」

N♠「Bincoの腹式呼吸の課題は、息の吸い込みが十分でないからさ。
腹式呼吸を再確認して、深い呼吸の意味を理解しておこうね。
例えば、風呂桶に溢れる寸前まで水を張って見るね。この風呂桶部分が腹部領域になるぞ。水面が横隔膜に相当する。
この水面にビーチボールをゆっくり沈めて行くと、水が溢れるよね。溢れた水の分が、吸った息の量と同じになる。

バスタブ

実際には水は外に出られないので、お腹の柔らかい部分や、腹部のスキマというスキマに逃げ込むよね。お腹を膨らませるように腹式呼吸をするのは、そんな理屈を知ると当たり前になって来るよね。
この時の感覚は脳トレから入った方が分かり易いかもしれないね。吐く息は、この時の余分に溢れた水が元の状態に戻ろうとする時の復元力を活用すると、とても余裕ある発声に結びつくからぜひ試して欲しい。」

B♡「腹式呼吸ってそんな仕組みだったのか~。完全に出来て無かったわ。
私、頭で考える習慣が無いから頭で攻めるの苦手なのよね。今回は頭攻めに挑戦してみるわ。風呂に入った時、身体が浮いて軽くなる感じと同じなのかな~。色々考えてみる事、いっぱいありそうね。」

N♠「腹部から跳ね返ってくる虚数軸の刺激が横隔膜を介して、のどの声帯のスキマを刺激する事で、表情豊かな声が生まれるんだね。
のどを直接攻める事を避けるための遠回しな操作なので、筋膜・筋肉・骨・・・等、使えるものは全て使い切る全身操作は避けて通れないんだね。その中で、実数系・虚数系の関わり具合を確認しながら、虚数系に絞って動作確認をしてみると、ボイトレの雰囲気がより空気感に満ちた声に変わり始める切っ掛けを見つけて欲しいね。」

【数学好きの方の為の数式ボイトレコーナー】
薄い声帯筋(実数)を、適度の息の風(虚数)により揺り動かす事が発声の仕組みです。
虚数は360度の可動域を持っていますから、回転させて操作させれば、メロディーに応じた緻密な発声表現に繋がります。複素数公式にあるθを使いこなすボイトレをお勧めします。


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