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【ボイトレ・脳トレ・シニアライフ】第5話


N♠「今日のデザートの真ん丸なリンゴ君、やけに恥ずかしがって、ほほを、うっすら赤くそめちゃってるな~。豪快丸かじりもいいけど、お茶を一服してる間に、カットして貰おうかな。」

B♡「お安い御用よ。私は大抵8分割の三日月型にカットするけど、何かご希望あるかしら?」

N♠「俺の希望でよければ、ボイトレ流8分割を頼もうかな。先ず、水平にセンターカットしてから、上下の縦横にセンターカットすると、完成だね。カットしたリンゴは、バラバラにしないで、元の丸い形に戻しておくんだぞ。」

8分割のリンゴ


B♡「そういう風にカットすると、「上・前後・左右」どこから見ても4分割が見えるわね。
こんなカット、今までやったこと無いわ。」

N♠「ボイトレの場合、8片にカットされて出来るスキマが、息の活躍するエリアと成るんだ。ここで、人体とリンゴを比べてみようか。」

B♡「身体の胴体部をリンゴに例えるのよね。
リンゴのヘタに続く中心軸を背骨に例えると、分かり易いわね。
人間の場合、背骨の後ろは何もないわね。
という事は、リンゴの実はスカスカ状態なのね。胸の辺りも、空洞が多くて食べる実は殆ど無いわね。実が、ぎっしり詰まっているのは、腹部の2片だけなのね。」

N♠「この腹部の2片が、最も効果的なスキマを創り出す環境だよね。この2片で挟まれたスキマは、声帯の拡大版だと思っていいよ。
このスキマを、息がすり抜けていけば振動が起こり声に変わるよ。即ち、腹式呼吸の仕組みがイメージできるよね。」

B♡「お腹の肉のスキマを、意識した事は無かったわね。このスキマは薄ければ薄い程、いい声になりそうね。その為には、脱力するしか無いのよね。」

N♠「このスキマを狭くするもう1つの方法は、このスキマに残留している息(気体)を吸い取っててやればよい。
スキマの息を吸い取れば簡単にスキマを狭く出来るぞ。この狭いスキマに息を吐いてスキマ振動を起こすのが、ボイトレの仕事なんだ。」

B♡「8分割されたリンゴの、上体胸側2片には肺が内在しているわね。左右2個の肺に挟まれたスキマが息の通り道なのよね。」

N♠「2個の肺が大半を占めている胸部ユニットのスキマに息が通過しても、振動誘発効果がとても弱いから、胸部でのボイトレはノータッチなんだ。
その代わり、筋肉が密接している腹部エリアに、左右2個の仮の肺を作って、そのスキマに息を通過させる事で、腹部に声帯としての機能を持たせてやるんだね。」

B♡「そうすると、腹部2片から成る腹部ユニットのスキマに流れる息に集中してボイトレすればいい訳ね。残りの6片は、とりあえず無視していいのね。」

N♠「声帯と、その他の6片は脱力のみを意識すればいいかな。腹式呼吸の完全理解が出来ると、肉感発声(実数発声)から、情感発声(虚数発声)へ変化するぞ。
ちなみに、肉感発声とは、筋力(実数)由来の声なので、普段の発している声の事で、当然ながら日常会話で不都合は無く意思は伝わる。
一方、情感発声とは、息(虚数)由来の声なので、普段発している声ではなくて、声に飾りをつけたような情緒感ある発声の事。この声で日常会話を行うと説得力が増したり、発声者の魅力が増えるんだ。
この違いが分かって来ると、ボイトレがボイトレらしくなる!
この辺で、ボイトレカットのリンゴ君、頂いていいかい?」

【数学好きの方の為のボイトレ数式コーナー】
前述の8分割カットのリンゴ君はカットラインをそのままグラフ化すると、複素数グラフとなります。

ボイトレ複素数グラフ


リンゴ軸が虚数軸になり、リンゴ上下のクボミはグラフの円形化を暗示してくれるので、呼吸安定化のヒントを提供してくれます。
複素数グラフの線分に沿って流れる息(虚数)は、筋肉(実数)に振動を与えます。
この単純な動作は、ボイトレ呼吸が2片の合体で1ユニットを形成するため、複雑さを増します。
柔軟な左右2つの円周2πrが合体して新しい合体円(半月+半月)ができると、直感的にボイトレが捕らえられステップアップの兆しが見えて来ます。

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