見出し画像

「会社(経営者)の成績表」は損益計算書を見るとわかります!

こんにちは、Noriです。

前回の記事があまりにも長文&いくつもの論点を入れてしまったことで、非常にわかりにくかったので、今後はトピックごとに丁寧に解説します。

今回は「会社(経営者)の成績表」といわれる「損益計算書(1年の合計)」についてです。

すでに別の記事でも紹介していますが、「売上高」項目から始まって「利益」項目で終わる計算書のことですが、「利益区分」がいくつかに分かれているのが特徴の1つです。

しっかり理解しておくと、それだけでも決算書を読む第一歩として非常に役に立つため、一緒に勉強していきましょう!

損益計算書の項目が並んでいる順番に説明していきますが、それがそのまま重要な順番となっているので、そこが1つのポイントです。

損益計算書(PL:Profit and Loss Statement)

損益計算書について

売上高

会社で売ることのできた商品やサービスの金額です。
ここが年々下がってくると改善することが苦しくなるので、一番注力すべき項目です。

売上原価

売ることができた商品やサービスに直接関係するコストのことです。

たとえば野菜を売った場合の売上原価は「野菜を仕入れた金額」となります。

売上総利益(粗利とも言います。)

最初に出てくる利益区分で、「売上高-売上原価」のことです。商品やサービスが生み出した価値を表したものです。

通常よりも安く仕入れたものを高く売った場合は、短期的には利益が増えるものの、品質が低い場合は長期的に見ると顧客満足度が下がり、客数減少にもつながるので、適正なコストをかける必要があります。

販売費および一般管理費

「販売を促進(販売費)」するための費用「会社を運営管理(一般管理費)」するための費用を指します。

たとえば八百屋で言うと、「販売費」はビラを作成したり、SNSを開設してコンテンツ作成に使った費用などです。

また「一般管理費」は人件費、電気、ガス、水道、ガソリン代、保険料、家賃などが該当します。

商品には直接関係がない費用ですが、会社を運営していくために必要な大事なコストです。

ただし、事業が順調になって商品の利益が多くなると、知らない間に余分なコストが増えてくるため、十分注意していく必要があります。

順調なときこそ、事業の成長のために販促に力を入れたり、新規事業のための投資を行うことが先決です。

順調な場合は、失敗したとしても利益が出ている分、浅いキズで済みやすく、うまくいけばさらに事業が発展したり、新規事業が成長することでもっと利益を出すことができるようになります。

いい会社というのは、順調なときにいろんな種まきをしているので、注意深く見ていくとよいです。

営業利益

「売上総利益-販売費および一般管理費」のことです。
「本業の稼ぐ力」を表したもので、この利益項目を重要視する専門家も多いです。

数年単位で見た場合に、営業利益が増加傾向にある場合は、「市場の成長」、「商品・サービスが成長」、「投資による規模や品質の向上」など複数の要因が考えられるので、競合他社や業界平均(売上高営業利益率)と比較することで、自分なりの答えが導き出せるようになるとベストです。
(今後、企業の決算書を取り上げてケーススタディができればと考えています。)

営業外利益

本業には関係ないけど、毎年安定的に得ている収益のことです。

定期預金の受取利息や、投資した株式の受取配当金などが一例です。
あと不動産に投資していて、家賃収入があればここに含まれます。

本業はそれほど利益が出てなくても、家賃収入で安定した収入を得ている会社もあります。(安定的な収入があるのは心強いですが、それがある故に本業の改善が進んでないと関係者の方が嘆いていたので、一長一短です。)

またあとから説明する「経常利益」がマイナスになる可能性がある場合は、運用している有価証券(株式)を売却することで収入を得て、経常利益をプラスにすることはよく見かけます。(金融機関からの評価につながるため)

営業外費用

本業には関係ないけど、毎年安定的に発生する費用のことです。

一般的には「借入金」の支払利息が該当します。

少し蛇足ですが、金融機関から評価が高い会社は「当座貸越」という借入サービスに加入することができます。

このサービスがすごいのが限度額以内であれば「当座預金口座」から、いつでも好きなだけお金を借り入れることができます。

金利は高めの設定が多いですが、月次の給与支払タイミングなどで手元資金が不足したときにスポットで利用して、すぐに売上の収入で返済するなど使い方を工夫すると、年間ベースでは低い金利に抑えることもできます。

経常利益

「営業利益+営業外収益-営業外費用」のことで、本業も含めて1年間で安定的に得られる利益のことを表しています。

会社が1年間で生み出すことができる安定的な利益ということで、この利益区分を重要視する専門家もいます。どの利益区分も大事ですが、金融機関の関係者と会話すると、この経常利益が企業評価の1つの目安になっていることがわかります。

特別利益

めったに起こらない出来事で発生した利益のことです。

保有している資産の売却した際に発生する「固定資産売却益」や近しい関係の会社の株式を売却した際に発生する「関係会社株式売却益」などがあります。

あまり数字が計上されない利益区分ですが、あとから説明する最終利益区分の「当期純利益」がプラスになるように、不動産をわざわざ売ったりして、意図的に利益創出することもあります。

特別損失

めったに起こらない出来事で発生した損失のことです。

保有している資産の売却の際に発生する「固定資産売却損」や廃棄した際のコストを示す「固定資産廃棄損」などがあります。

また大企業でも業績不振であれば、大リストラを決行する場合がありますが、さまざまなリストラ費用がこの項目で計上されます。

当期純利益

「経常利益+特別利益-特別損失」のことです、いろんな収益やコストを含めて出てきた1年分の利益のことです。

法人税等

税金のことで、「法人税」がほとんどを占めていますが、他には都道府県民税、市町村民税および事業税などが含まれます。

税引後当期純利益

「当期純利益-法人税等」のことで、税金を差し引いた当期純利益のことです。この利益区分がプラスだということは税金の支払能力もある優良会社の証です。

まとめ

自分の見解や経験も踏まえて、説明させていただきましたがいかがでしょうか。

少しでも各項目の数字が「業務イメージ」に変換できて、経営者や社員が何を頑張っていると利益が増えて、何が出来ていないと損失が増えるのかを大まかに掴めるようになると、損益計算書が読めるようになります

また本業の稼ぐ力を表す「営業営利」はもちろん経営者以下社員一丸となって、がんばった成果ですが、「営業外収益~税引き後当期純利益」は経営者の意思決定によって、数字が大きく変動する項目です。

そのため、うまく毎年利益を出している会社は経営者の手腕自体が高いことが多く、損益計算書は「会社(経営者)の成績表」と言われています。

損益計算書の例



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?