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世界の変化に気づかされたバス停

「バス、今どのへんですか?」

千里中央駅でバス待ちの列に並んでいた。
到着が遅れているバス。列はどんどん長くなっていく。
僕のすぐ後ろに並んでいたおばあさんが僕に聞いた。

なんで僕にそんなことを聞くんだろう?謎はすぐに解けた。
声をかけられたのはバスを待つことに飽きた僕が、電子書籍端末で読書を始めた直後だった。
それを見たおばあさんは、僕がタブレット端末を出してバスの位置を確認していると思い込んだらしい。

早合点のおばあさんはすぐに自分の間違いに気づいて言葉を続けた。
「あ、それでバス見てはるんとちゃうんですね」
「残念ながらちゃうんです。バスいつ来るんですかねぇ?」

何気ない会話。だけれどめっちゃ久々の外での赤の他人との会話だった。
僕はけっこう声をかけられる方だ。道を聞かれたりすることもしょっちゅうだ。
そういう見かけをしているらしい。

でも感染症がはやりだしてから半年、そういえばそんな会話を外でしていなかった。
赤の他人はもちろんだけれど、ご近所の買い物、知り合い同士でもマスク姿同士だったら気づきにくいししゃべりにくい。
世界はいろんなところで変化している。

それに気づかせてくれたのは、早合点で気さくでおしゃべり好きなおばあさんだった。

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