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認定NPO法人D×P創業の物語 part3 創業の仲間との出会い

 商社で働くのも半年ぐらい経つと少しずつ慣れてきて成績も出すように少しずつなってきた。ただ、僕は社長には本当に感謝していて毎年一度、必ず挨拶にいくようにしている(今でも続けている)のだが、会社に入ってから辞める2年間最後までいろいろなことに対して言い合いを続けていた。

 会社として付き合いがある企業さんに対しての対応や採用など営業活動以外でも僕は口を出していた(たぶん、相当生意気だったと思う)。最終的に辞めるときに「NPOは詐欺みたいな活動が多いんだから、絶対に起業するのはやめろ」と言われて少し喧嘩口調にもなったのだが、様々な経験をさせてもらった社長には今でも非常に感謝している。特に僕は就職の選択肢などほとんどないに等しかった。就職活動自体、88社ほど会社説明会にいって、ほとんどの企業にエントリーした。が、結局のところほとんど落ちて内定をもらったのは数社のみ。

 それでも拾ってくれた会社への恩は忘れられない。


 話を戻すが、2010年10月ごろになり、初めて通信制高校の先生と会うことができた。そのあたりからD×Pの創業メンバーの朴基浩と「何か若者のためにできないか」ということを具体化しようと思い、NPO法人ETICの起業プログラムSVMにエントリーをした。

 朴とは大学時代の仲間で2010年当時はまだ彼は大学生だった。かなりの苦学生でAPU時代は2〜3個のアルバイトをしながらも大学に通っていた。朴との出会いは大学2回生のとき、彼が1回生のときで僕がたまーに授業にいくときに毎回一番前で授業を受けていて「変な奴がいる」と思っていた。ある種、目立つ学生だったように思う。

 そして、彼は僕のアパートの目の前にあるローソンでアルバイトもしていた。そこで顔も合わせたりすることもあったりして、なんとなく知り合っていった。家も近かったので、「温泉に行こう」といって僕は温泉に行く習慣がなかったのだが、市民券を買うと1回60円で入れることを知り、節約のために温泉を彼と通うようになった。

 何度か温泉に通って話すうちにイラク人質事件のことを聞かれるようになった。なんと聞かれたは覚えていないが、僕がいらだって「国民の半分ぐらいの人間から否定された気持ちなんて、お前にわかるかよ」みたいなことを話していた。ただ、そのときに彼が言ったのは「確かにおれにはわからない。でも、自分と向き合うことで変わっていくんじゃないかな」と話していた。

 この言葉が僕にとっては精神的に回復のきっかけになった。

「あ、確かに自分がなんとかしないと、いつまでたっても精神的に回復していかない」

 そう思って、もう一度ひとりで海外に行ったりして動き出した。そういうことがザンビアに行ったことにも繋がっていた。また、僕は2回生まであまり卒業に必要な単位を学校に通わなすぎてとっていなかった。ただ、朴と出会ってから、朝に家にきて「学校にいくぞ」と誘ってきたり朝電話をかけて「いくぞ」といって学校に無理やり行かされたのだった。そして、自分のことを彼に語り、僕は生活リズムを改善したり自分の自信を少しずつだがマイナスからゼロに向けて取り戻していった。

 そんな奴とだったら起業できるかもしれない。創業資金も獲得できるかもしれないと思い、一緒に練った。当時のアイデアとしてはまだ高校生を対象にしているわけではなく、あくまでも「若者の可能性を引き出す」ということをテーマにして20代の若者に今のクレッシェンドのプログラムのひとつの「ユメブレスト」を各地で開催する、そして若者の可能性を引き出すというような極めて単純で(今思うと恥ずかしい。。。)何も資金を生み出さなさそうなアイデアを提出していた。

 僕と朴は「カタリバ」というNPOを参考にしていた。カタリバは今では教育業界で有数の規模を持つNPOだが、2010年当時は東京都内で有名になっていたNPOだった(と思う)。彼らは高校生を対象にしていたので、僕らは20代を対象にしよう、みたいなことを考えていた。

 そして、そのぐらいから今の創業メンバーになる川上、通称たっちゃんがきた。2010年11月ごろに滋賀県の立命館大学のキャンパスでたまたま出会い、2011年からスタッフになっていた。彼は当時まだ大学3回生だったように思う。「静かな学生だな」と思っていた。とはいえ、カンボジア支援に関わり、そこからD×Pの事業に興味を持っていた。そして、何人かスタッフが加わり、ETICのSVMに提出。

 たまたまだが、そのプランは通った。

「おお!なんかやっていけるかもしれないぞ」

 と、そのときは感じていた。しかし、その後待っていたのは自分たちがどれだけ浅はかな考えを持っていたのかを思い知らさらるようなことばかりだったのだ。

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