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G20閉幕-トランプ大統領会見概要

中国との交渉再開、第3弾関税は発動せず、ファーウェイ禁輸措置緩和

トランプ大統領の会見でのポイントは、中国と貿易問題に前向きな方向性が示された事だと思います。第3弾関税の見送り、ファーウェイとの取引に関して前向きな発言をした事から、双方が何かしら着地点を見出し始めているのでは期待されます。これは株式市場の期待を若干上回ったと言え、米国株指数の高値をはっきりと上抜けするきっかけになりそうです。

以下、G20閉幕の際のトランプ大統領会見の概要です。

G20全体について

- "安部首相の議事進行は素晴らしかった。この期間、各国と生産的な話し合いができた。国際的な貿易の未来を守ることが大事だと思っている。"

米中首脳会談について

- "中国と素晴らしい会議を持った。関税を引き上げる事も出来るが、第3弾3500億ドルの追加関税は使わず、交渉していく。中国がオープンになればストラテジックパートナーになれると思うし、中国もディールを望んでいる。米国は年間5000億ドルの大きな貿易赤字を抱えており、これまで放置しておくべきではなかった。これだけの損失は受け入れられないと伝えた。複雑な状況で絡み合っていると思うが、急ぐつもりはなく、正しいディールをしたい。"

- "中国はたくさんの農産物を買う事になる。"

- "我々はこれまでファーウェイに多くの部品を供給しており、安全保障上問題なければ、それ自体は続けても構わないと思っている。ただし、ファーウェイの問題は複雑なので、エンティティリストから外すかどうかはここでは言いたくない。明日以降話をする。"

- "ファーウェイ副会長の問題は話していない。"

- "中国からの留学生についても話した。良い学生が米国に留まり、就労することは認めていくつもりである。"

米国経済について

- "米国国内では1000万人の雇用が生まれており、雇用統計も素晴らしい状態。米国株式指数は最高値を更新し、減税含む政策から、一般市民・ブルーカラーが、401Kを通じて、一番恩恵を受けていると思う。選挙に向けて、今後の更なる政策を発表していく。"

その他各国間との問題について

- "日米安保については、破棄するといっているわけではない。公平ではないと言っている。"

- "イランともスマートに取引したいと思う。我々は世界の国々を守っているが、世界は米国に対価を払っていない。逆に、アメリカからの輸入に対し大きく関税をかけているケースがある。"

- "北朝鮮は核開発も進めず、人質も解放しており、関係は良好であると思う。明日からの韓国訪問時に軍事境界線について短い時間でもあえればいいと思う。"

- "これまでNAFTAの条件が悪かったため、米国農業従事者は苦しんでいた。USMCAの内容にはカナダも満足している。"

- "メキシコから流入する難民問題は、抜け穴を塞ぐため様々な問題を解決する必要がある。民主党にも語り掛けている。そもそもアメリカに向かってくないようにする必要がある。メキシコはいい仕事している、南のグアテマラ・アメリカとの国境にちゃんと兵士派遣している。"

- "ロシアはアメリカと取引したがっていると思う。今までほとんど米国とロシアは取引がなく、これは愚かなこと。"

- "トルコで現在起きている問題はオバマ前大統領の時代に起因する。何度頼まれてもパトリオットミサイルを売らなかった。結果トルコはロシアからS-400を購入する事になった上に、後になってオバマ前大統領はNATOのシステムではないからS-400は使うなといい、アメリカのシステムの購入を促した。しかし、トルコは、もうロシアから買ってしまったのでいらないと言い、代わりにF-35を100機ほど買ってくれた。異なるシステム・機器が導入され、複雑な状況になってしまっている。これはエルドアン大統領のせいではない。"

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