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17. 業績に留まらず成果が出た理由・出ない理由に着目する

■Keynote
もし成果が出なければ、水漏れの原因は何なのか、どの条件をどう変えればいいのか仮説を立てて効果を追いかけます。我々のやり方に特徴があるとすれば、ひたすら効果を追いかけることについて世間一般以上に力を入れたところかもしれません。
By 柏木斉(株式会社リクルート 元代表取締役社長兼CEO)

■Point
■理由と改善にこだわる
事業の成果を最大化するために、原因分析は欠かせない。人事評価の際に、成果が出た理由、でなかった理由に着目し、その理由を掘り下げ、原因を特定し、改善を行なうことが大切だ。

業績が出た部門・従業員にはその理由があるはずであり、そこにビジネス拡大の種がありうる。一方、業績が出なかった部門・従業員には、その理由に改善すべきポイント(原因)が潜んでいることだろう。人事評価は処遇を決定することに留めずに、次期にさらなる成果を出すために、具体的な目標を設定することにつなげたい。

評価は極力、定量データ・数字に置き換えて行うべきだ。定性的な(時にファジーな)内容であっても、目標と結果の間に乖離があるならば、その乖離している量・幅が数字に置き換えられ、定量化のきっかけとできる。

■「人」ではなく「こと」に着目する
数値化すれば、「人」ではなく「こと」に注目することができる、叱るにせよ褒めるにせよ、「人格」ではなく「出来事」に着目する。すると、「評価を上げるためには何が足りないのか」「どうすれば結果が出るようになるか」を具体的に考えることができるようになる。

■評価における事実確認のポイント
1.的確な評価のために抑えるべき重点ポイントは特定できているか?
2.期初に設定した目標や期待した行動に対し、報告は的確か?
  (※異なる内容にすり替わっていないか)
3.定量目標は、達成数値はどうだったか?
4.定性目標は、変化した状態(改善・改革状態、成功事例)、効果、貢献度はどうだったか?
5.価値ある行動や努力はあったか?
6.今後の組織貢献に寄与する新たな成果を生みだしたか?
(出典:『人事制度活用の“勘どころ”』
産業能率大学総合研究所 人事システム開発プロジェクト編著)

■Let’s Think!
 □ 自社の事業計画・戦略と、組織・人事の目的はリンクしているか?

 □ 結果の評価に留まらず、原因の分析、本質的な原因の特定にまで踏み込めているか?

 □ 評価の際、「人」ではなく「こと」を見ているか?無用な叱責で組織力を削いでいないだろうか?

■参考図書




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