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瞑想的練習のすすめ

アシュタンガヨガのポーズの練習は、決められたシークエンスを順番通りに来る日も来る日も練習します。できれば同じ場所同じ時間、自分の先生から。
同じ時間同じ場所でというのは集中しやすいからですね。毎回視界に入る景色が違うと、それだけで場所に慣れて練習に集中するまでに余計な時間がかかります。なるべく練習の本題に入れるように整えるのです。

では順番が厳密に決まっているのはなぜか、
ポーズに入るための呼吸はひと呼吸、ポーズのキープは5呼吸とスピーディに進んでいきます。
練習生であればポーズの順番はなんとなくでも覚えていますから、どのあたりに苦手なポーズ、得意なポーズ、課題として熱心に取り組んでいるポーズが出てくるのか把握しています。
あるポーズをしているときに次の次にやってくる苦手なポーズのことが頭をよぎり、場合によってはそのときにしているポーズを苦手なポーズへ向かうための準備として取り組むかもしれません。
また得意なポーズを5呼吸終えて、もう次への呼吸と動作に入っているにも関わらず、まだその得意なポーズの心地よい余韻に浸っているかもしれません。
また課題として取り組んでいるポーズに関しては、最初の太陽礼拝からそのことを考え、練習中の多くの時間を準備用として費やしていることもあるかもしれません。

「 atha 」とはヨガスートラ冒頭の一語で、「今、まさにその瞬間」を意味するサンスクリット語です。
冒頭にして全てと言えるくらい大切な一語です。
今ここ、なんて一生認識できる日は来ないであろう無理ゲーですが
アシュタンガヨガのポーズの練習をするときはできるだけこれを主眼において練習しています。
シークエンスは今、今、今、の連続なのです。
だから目線を定め呼吸を観察しながら行うのです、動く瞑想だから。
以前ポーズの練習について「とりにいかない」というブログをアップしたことがありますが

マットの上から体だけではなく意識も一歩も動かないことです。
マットから出て前に進んでいかない、また後ろに戻らないのです。
自分の意識がそこで深呼吸して、リラックス・集中の状態で留まっていれば
ポーズは前からやってきて体の中に入ってきます。
入ってきたポーズを味わうのです、5呼吸。
5呼吸味わったら終えて、次に運ばれてきたポーズを体の中に迎え入れるのです。
ポーズに入るための一呼吸でしっかり取り組む、5呼吸中は味わうだけです。そして終わったら体から出す。
今、今、今の連続。
まだ来ていない先のポーズのことを考えない、終わったポーズのことをいつまでも考えない、課題はリラックス・集中の状態にならなければいつまでもいつまでも課題のままという訳です。

回ってきた寿司をただ食べるだけ

うまくイメージが掴めない方は回転寿司をイメージしてみてください。
半周先にある寿司を狙いながら目の前にある寿司を食べたらそのネタの味はしないのです。
食べた後の寿司の余韻に浸りながら目の前の寿司を食べてもまた味がしないのです。
醤油の加減は集中していれば一瞬で判断できるはずです。
目の前に流れてきたらさっと、集中して味わうのです。
いつかのネタの状態と比べるのはナンセンスです、それが精神不安定の元です。
目の前に今ないものは、過去も未来も存在しないのです。いつかがあったなんておそらく幻想でしょう。記憶は都合よく書き換えられるものです。

今を全力で5呼吸で味わう。
終わったら忘れる。
ただそれだけです。

ボディワークや瞑想、ヨガなどみなさまに役立つ講座を提供できるよう日々鍛錬していきますのでサポートしていただけたら嬉しいです💝