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自分の好きな仕事に就いている人って、きっとこんな人

友人と2人で、韓国旅行へ行ったとき。

宿泊先はソウルの明洞周辺。仁川空港からは「バスが便利」と、友人がYoutubeで見たらしく、空港1階の交通センターで、その動画に映っていた、バスのチケット発券機を探していた。

チケット発券機はすぐに見つかったものの、明洞行きのチケットが発券ができない。似ているけど、違う発券機があるのだろうと、私たちは「こっちでもない」「あっちでもない」と、交通センター内をうろうろしていた。

探しても見つけられず、発券機の場所を聞けるような案内所も見つけられず、どうしようかと思っていたら、広い通路で、何かのサービスを案内している女性を見つけた。

WOWPASS(円でチャージし、ウォンで決済ができるキャッシュレスサービス)のスタッフジャンパーを来た人だった。話かけられそうなタイミングを見計らい、声をかけた。つたない英語で試みる。その人は快く、バスのチケット売り場を教えてくれた、日本語で。

「私の英語が伝わったー、良かったー」と、一瞬、思ったけれど、日本語を話せる人だったから、英語が伝わらないにしても、日本語で会話をすることができた。

教えてもらった売り場に向かい、10分後の明洞行きバスチケットを手に入れた。

バスが来るまでは、外の停留所前のベンチで待ち、ちょうど10分くらい待ったところで、目的のバスが来た。

私たちが乗り込んだのは、第2ターミナルのバス発着所。バスはすぐに走り出した。乗っているのは、私たちを含め、4人だけだったが、次に停車した第1ターミナルからは、大勢の乗客が乗り込んで来た。

乗車改札はバスの運転手が、1人でこなしていた。その時に「パリーパリー(私にはそう聞こえた。「早く、早く」って意味らしい)」と言っているけど、その声がとても楽しそうだった。知らない言語だからかもしれないけれど、少し歌っているみたいに聞こえる。

席が乗客で埋まると、運転手は席を回って、シートベルトが閉まっているかどうかを、シートの列ごとに確認し始めた。私たちが日本人と分かると、シートベルトを締める動作をジェスチャーで示し、確認してくれた。それも優しい笑顔で。

その運転手さんは、乗客と接している間、ずっと笑顔だった。営業でやる作り笑いではないように見えた。動作とか、声の調子からも、心から楽しんで仕事をやっているようだった。

運転手さんは今の仕事が好きなんだな、と。

初めて、そういう人に会ったかも知れない。






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