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ウェルビーイングを取り戻すプログラム参加と自分の変容について

「役に立たないと、存在価値がない」

自分の思考の癖に一番最初に気づいたのは、
ザ・メンタルモデルを読んだときでした。

目標を掲げて、努力して、何かを成し遂げる。
そのことで誰かに貢献できる。
それが正義だと思っていました。

いろんな事に「これって意味あります?」と、思っていて
旧態依然とした非効率な仕組みが大嫌いで、
スマートに物事が片付いていくことに快感を覚えました。

これで上手く回っていることもたくさんありました。
と、言うより、私の人生の成功体験は、
すべて上記の枠組みの中で作られていました。
子どもの頃から、社会人に至るまで、すべてです。

でも、「これって意味あります?」の矛先は自分にも向きます。
「貢献できていない」=「自分には存在価値がない」
の公式は、時に自分を苦しめました。

「そのままの自分で大丈夫」
と言われた事も、言い聞かせた事もありますが、
いかんせん、人生の成功体験は「努力せよ」で成り立ってきたので、
「そのままの自分」でどうやって仕事すればいいのかよく分かりません。

自分を追い込まないと集中力が上がらないので、
結局、元の枠組み「役に立たないと、存在価値がない」に戻るのです。

少しずつ生じる問題

決定的な不具合は無かったのですが、
少しずつ歯車が噛み合わなくなっている感覚がありました。

1つは、あるプロジェクトを終えた時に感じた虚無感。
数年前、長年実現したかったプロジェクトを立ち上げて、やり切ったのですが、終わった時に「この景色は前にも見た」という感覚に苛まれました。もっと次に進みたい!というワクワクした気持ちが湧いてこなかったのです。

やってもやっても、「やり切った!」という充実感がなく、
常に足りない何かに追われている感覚が拭えなくなりました。

2つめは、職場のティール組織化です。
2021年の代表退任を皮切りに、
ピラミッド型の組織構造から、自律分散型に変わりました。

チームで振り返りや評価も行いますが、
ベースとなるのは、自己評価。

ポジションの昇進も(もちろんチームで相談の上ですが、本人の意志が尊重されます)、給料をいくらもらうのかを決めるのも自分です。

もともと「何やりたいか?」が大切にされる組織でしたが、
より一層深いところから問われる(職場のミッションと自身の人生で成し遂げたいことはどうリンクするか?など)ので、「役に立てばそれで良し」的な価値観が通じなくなってきた感覚がありましたし、実際、「役に立ったかどうか」も自分で考えなきゃいけなくなりました。

悩んだりもしましたが、
寝て走れば(毎朝ジョギングしてます)全部忘れて、「あー、気持ちがいいー!最高ー!今日も頑張ろー!」で終わるので、"仕事の悩みあるある”の一つに片付けて、日々過ごしていたような状況でした。

世界の見え方が変わる体験

そんな最中で参加したのが、ラーニングジャーニー。
参加した社会起業家や社会的事業に関わるみなさんと一緒に、
普段の肩書を外して、さまざまな対話や内省のワークを行いながら、
自分自身を見つめる2泊3日のプログラムです。(昨年の様子はこちら

湧き出てくる感情を大切にしながら、
「なぜ、こう感じるんだろう?」と深掘りすることを繰り返すので、
右脳と左脳の両方が駆使されている感覚でした。

端的に、参加して人生が変わった、と思います。

プログラムに参加するまで、
私にとって、世界は「取引」の場所でした。
私が差し出した貢献の度合いによって、
称賛と居場所が差し出される世界でした。

それが、参加した後は、
自分が世界の中に内包されました。

例えるなら、世界の見え方が、
「市場」から「森」になったような感覚です。

落ち葉が養分に変わるように、
複雑な生態系の中ですべてが生かされていて、
無駄なものなど何もなく、
ただただ自分の命を生きるだけで、
誰かの役に立っているということ。

森に生きるすべてが、森をつくる「構成員」であり、
構成員の一つひとつが健やかであることが、
ひいては健やかな森をつくるのだ、ということ。

それらが、じわじわと脳の奥底から染み出してきて、
目の前の世界を塗り替えていきました。

実際に森のそばで行われたので、
森に入って深く考える時間や、
参加したメンバーと様々な悩みを打ち明け合った過程や、
主催者、藤村さんの佇まいに感化されたりする事を通じて、
少しずつ体感できていった気がします。

愛と勇気と軽やかさ

自分が何を大切に生きてきたのか。
そして、これから何を大切にして生きていきたいのか。
プログラムを通じて感じたのが「愛と勇気と軽やかさ」でした。

「愛と勇気」については、過去を振り返ると、
「あなたにはこんないい所があるよ、絶対できるよ!」
と励まして背中を押す、みたいなことばっかりやってきていて。
そして、その事がとても好きだということを再認識。

「軽やかさ」については、3つありまして。
まず、1つは好奇心。
何かを知りたい、面白いものを見てみたい、
という好奇心の塊だった自分を思い出し、
心の向くままに動いていく時間をつくろう、と思っています。

2つめは、担う責任の話。
自分は世界の「一部」なので、全部背負う必要はなく、
困ったら周りに助けを求め、
荷物は適切に軽くしながら、健やかに生きたいと思えました。

3つめは・・・
どう言葉に落とし込んでいいのか分からず・・
プログラム終了後に急激にこれまで登録していたサブスクサービスに
必要性を感じなくなり、3つ解約しました。
大事なことが整理されることで、いらないものに敏感になった気がします。

プログラムを終えて、今日が最初の平日。
この気持ちを保ったまま仕事が機能するかは未知数です。
働いているうちに、元に戻りたくなるかもしれません。

そんな時は、ひと呼吸おいて、
あの日の森の匂いや風の感覚を思い出し、
ちゃんと自分の中にエネルギーが湧いているか、滞ることなく発揮できているか、を問いながら進んでいけたらと思っています。

最後に、プログラムを企画してくださった皆様、一緒に参加してたくさん話を聞いてくださった皆様、「仕事休んで参加しなよ」と声をかけてくださった職場の仲間に、心から感謝申し上げます。ありがとう。

サポートしていただいたら、「社会を変える、未来をつくる」仕事をしている皆さまのnoteを探して”サポート送り”しようと思います。