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起業とお金と精神と

起業してもうすぐ2年。脱サラして1年。学び多い、濃い日々について少し振り返ってみた。

起業のタイプ

起業とは「業を起こす」ことなので、雇われの身としてではなく、自分でビジネスを始めたら何でも当てはまる。そして、ビジネスの規模や始めるタイミングは人それぞれ。

身の回りの人にハンドメイドの商品を売って、うまくいったからオンラインで販売を開始するのも起業だし、事業計画を投資家にピッチしてゼロイチのスタートアップを始めるのも起業。

私は、どちらかというとスタートアップ寄りの始まり方だったと思う。売ったり買ったりする「モノ」が無い状態でヘレンとEkolokalを始めた。夢は大きく:

多くの人にエコを身近に実践してほしい

それだけだ。自己資金と投資家による資金で事業を形にしようと日々動いている。

お金

起業しよう!と具体的なタイミングやアイディアがあったわけではなかったので、数値目標から遡った自分の資金形成の計画もなかった。こちらでも買いた通り、私はあまり買い物を不必要にしないのと、幸いなことに「外資系金融機関→アマゾン」と、まぁまぁ高給な職に恵まれていた。

なので、1年前「脱サラしよう」と決心した時、特にお金の心配はなかったし、幸いなことに今も無い。

それでも面白いことが起きている。お金に関する心配が全く無いというと嘘になるのだ。

色々理由はあるが、Ekolokalから役員報酬を雀の涙程度に頂いている。金額で言うと、月々の住宅ローンの支払い金額すら賄えないくらいだ。
あとは、資産をうまくやりくりして、額面が減らないようにしたり、旦那に生活費の大きい支払いをお願いしたりしている。

では何が心配なのか?それを考え始めたら面白い発見があった。

お金はお金以上の意味を持つ

本来、お金とは物々交換を効率化させるために貝殻を「共通通貨」として人が使用し始めたことに由来する。それだけだ。
今も、それだけだ。本質的にはね。

でも、いつの間にか下記にも当てはまる存在になっていないか:

  1. 使いすぎは良くない⇄安くモノを買えるのは良い

  2. 多ければ多いほど良い・安心する存在

  3. 多いほど幸せ・豊かなライフスタイルが送れる

  1. の影響:使いすぎは良くない。なるべく少ないお金で必要なモノや欲しいモノを買おう、とならないか?安い物を求めた結果が今の大量消費・大量生産時代だと思う。

  2. の影響:できる限り多くのお金を持つと安心するのはわからなくもない。生きているだけでお金は必要な世の中だ。ただ、それが安心に繋がるのは論理的ではないはず。特に今の日本円は類を見ないスピードで「お金」として価値が下がっている。同じ給料を貰っているように見えて、実質的にはどんどん減給になっているのと同じなのに…

  3. の影響:そもそも自分にとっての「幸せ」と「豊か」の定義を考えた上で感じていることなのか、漠然と思っていることなのか。確かに幸福度と収入は比例するが、年収7万5,000米ドル(約800万円)で幸福度は頭打ちになる。(ダニエル・カーネマン教授研究

ちなみに、私の漠然としたお金の心配の根底にあったのは:

今までは何をしても高収入だったが、今は収入が無い(に等しい)

プライド半分、未経験のことに対する不安半分というところか。

精神面での学び

お金に対する意識もそうだが、この1年で学んだことはリアルな経営以外に、意外にも自分との向き合い方だ。

ある日は「成功している」という希望に満ち溢れ、またある日は絶望を感じる。その繰り返しだったり、「そもそも誰にも必要とされていないんじゃないか」という悲しさもある。ただ、気付いたのだ…

どれを取ってもそれは現実ではなく、その時その時の自分の心のあり方が映し出す状況に対する感想なのだ。

であれば「感じていること=現実』ということを認識し、感情と現実を切り離した状態を客観視するようにメンタルを保つだけのこと。

うん、言うは簡単。

実際は、瞑想やジャーナリングでも払拭できない時はまだまだある。それでも想う;飛び込んでよかった、と。これほどの学び(ビジネス、経営、人事、経理、自分との向き合い方、お金との向き合い方)をサラリーマンとして経験できただろうか。

答えはわからない。でも少なくとも私は、サラリーマンだったらここまでの学びを1年でできなかった気がする。


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