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住宅ローン問題で分かったこと 〜もうすぐ買いますマンション物語〜

住宅ローン問題で、無事に主導権を奪還した私。


銀行の担当者の女性Bさん(富田靖子似)と何ちゃらコミュニケーションの山寺宏一と私の3人で最終確認をすることになった。
りそなの富田靖子は50代前半くらいの女性で、途中から私の担当になってくれたのだが、リズム感のある丁寧な説明をしてくれる人だ。
ローンのことを何も分かってないくせにリズムとスピード感を重視している私なので、私の求めるスピードにぴったり合って心地よい。
丁寧すぎて何度も同じ説明を繰り返す人とかが私は苦手で、例えば重要事項説明書で、どの項目も全て同じように丁寧にゆっくりのスピードで説明されるとうんざりする。「反社の人間だったらこうなりますよ」的な注意事項とか、どう見ても私が反社に見えないのだから(もしや、見えるのか…)、飛ばすか読んどいてくださいね~と流せばいいのに、一語一句飛ばさずにゆっくり説明する人が苦手でうんざりする。
ずっと同じペースのゆったりしたスピードだとすごくイライラしてしまう。早口で説明されるとついていけない、と言う人が多いのだろうと思うが、私は逆である。ある程度スピード感がないと集中できない。
私が求めるリズム感のある丁寧な説明というのは、飛ばすべきところは飛ばし、省略すべきところは要点だけ伝えて省略したりスピードを上げて、相手がちゃんと聞いておいた方が良いことや分かってなさそうな所をゆっくりと丁寧に説明する。そういうのが私の求めるリズム感とスピード感のある説明である。富田靖子はその点が絶妙だった。
多分他の人にこれだと速すぎるという苦情が来るかもしれない。
だけど富田靖子はきっと、私のことを見抜いてスピード感を重視してくれているのだと思う。そう思いたい。
富田靖子の髪の分け目のあたりに5ミリほど白髪が伸びてきていて、文字を書いてもらっている時に、それがとても気になった。きれいに白髪を黒く染めているが、ここのところ1ヶ月ほど忙しくて白髪も染められないのかも知れない。と勝手に想像する。働く女性のリアルが見受けられ、富田靖子にすっかり好感を持ってしまっている変な視点の私。
そういえば、山寺宏一以外、全員女性が私を担当している。
これは独身40代の私のことを配慮してそうしているのだろうか。
いや、不動産や金融関係は女性がバリバリ働いているということなのだろうか。どちらにしても、私と別の業界で働く女性の姿を見させてもらえるのはなんだか興味深い。
ネイルは意外と派手なのをしていないのだなあとか、華奢なゴールドのネックレスがこの業界の流行りなのだろうかとかいろいろ見学している。お給料がいいのだろうなあとか、金融関係の給与の相場を調べたりとかした。
いや、金利について調べろよとつくづく思うがそこは置いといて。
富田靖子はおそらく独身で、最初の不動産会社の担当者だった鼻のとんがった厚化粧の女性は既婚で子持ちだった。
その次のりそなの女の人Aは未婚か既婚か知らないが、「普通、こうしますよ」とか「独身女性のみなさんがこれを選びますよ」などの言い方が気になって好きになれなかった。
多分、独身女性がローンを組んでマンションを買うということは時々世間で話題に上がるものの、まあ少数派なのだと思う。
その少数派の大多数がこれを選んでいるという例を出してこちらの不安を消そうとしてくれていたのだと思うが、同調圧力が嫌いな私はそういう情報は要らなかったし、聞きたければこちらから聞くし、選択肢の一つにはするかも知れないが、「他のみんなはこうしている」という理由で物事を決めたくない。それに、そういう提案のされ方もしたくないし、そういう提案に乗っかる人間だと思われたくなかった。そもそも、みんながおんぼろマンションを一人で買う訳がないのだから。
それを率直に伝えると、「そうなんですか、珍しいですね。大体独身女性のみなさんはこういうことを気にされて、聞かれますし、こちらを選びますよ。」とAは言った。
独身女性を舐めないでいただきたい。
独身女性を一括りにしないでいただきたい。
みんなって言うな。
主語を大きくするな。
ひねくれ者でこざかしい私はついつい引っかかってしまう。
私は、他の女性の多くが住宅ローンのどのタイプを選んでいるかはあまり興味がない、と言うと驚かれた。何も分かっていないくせに、他の人の傾向にも興味がないってどうするつもりやねん、と今冷静になるとそう思う。だけど、頭ごなしにそう言われたのが引っ掛かってしまった。

その後、色々あって、担当が富田靖子に変わってからは安心して話せている。富田靖子はそういうことは言わない。聞かれたことにピンポイントに答えてくれて、私の考えを聞いてそれに合う提案をしてくれる。
山寺宏一はそのやりとりを見ているだけだが、「コロナで不動産も不景気で動きがないんすよね~」「のりまきさん、ワクチン終わって、良かったですねえ」とか時々そういう話で場を和ませながら、押さえるべきところは押さえてくれている。マジで何ちゃらコミュニケーションという会社と山寺宏一が何の仕事をする男なのか謎だ。

富田靖子が書類を整理し準備しているのを待っている間に、りそなの子会社?のクレジットカード部門のおじさんが頼んでもいないのに急にどこからともなく一人やって来た。
名刺をくれて、クレジットカードのキャンペーンのチラシやパンフレットを5枚ほど渡してきた。
私自身もスピード感のある人間なので、おじさんがゆっくりと営業を始める前に、「もしかしてクレジットカードのキャンペーンの説明ですか?それでしたら時間がもったいないので先にお伝えしますが、りそなのクレジットカードを使うことはありません。今のカードから乗り換えるつもりは全くありませんので、申し訳ありませんが説明は結構です。」と丁重にお伝えした。
おじさんは呆気にとられており、「いや、そう言わずにまずはお話だけでも…」と言うので、「私は公共料金等すべてANAのゴールドカードでカード払いにしていてそれでマイルを貯めていて、楽天カードと両方を使い分けており、そこにりそなのカードを追加したり全てをりそなに変更させるほどのメリットがあるとは思えないし、説明する時間ももったいないのでいらないですよ。」ともう一度丁重に伝えると、アワアワしておじさんは「水道代とかカード払いにして…」と言うため「いやだから、もうやってますんで!」とついキツイ言い方をしてしまった。
するとパンフレットを置いて、おじさんは退散していった。

何も知らない富田靖子が戻ってきて、クレジットカードのおじさんのことを伝えると恐縮しており、「パンフレットは捨てておきます」と言って引き取ってくれた。色々書類をもらい過ぎて、時間が経つとどれが必要なものでどれが捨てていいものか分からなくなるので、それも時間の無駄だなと思っていたからちょうど良かった。
富田靖子が、「コーヒーと煎茶、烏龍茶、それぞれに温かいのと冷たいのがありますがどれがいいですか?」という1度で済む完璧な質問をしてくれた。
昔、私が飲食店のウェイトレスのアルバイトをしていた時に「コーヒーちょうだい」の客の一言で、忙しい時間にどれだけ時間をとられたか。
「アイスコーヒー1つ、ミルクあり、ガムシロップなしで」と1回で言ってくれる客が大好きだった。そして1度のやり取りで済む質問をこちらも学んだ。
富田靖子の質問も「冷たい煎茶!」と私が1回答えれば済む質問の仕方で、さすが富田靖子と思った。
1分後に富田靖子が熱い煎茶を持ってきて、私の前に置く瞬間に「あ、間違えた!!」と言って慌てて戻っていったところが、自分に似ている気がして更に好感が持てた。

どの業界であれ、対人の仕事は大変だと思う。
私のようなひねくれ女が来ることもあれば、みんなと同じものを選んで安心したい人も来るだろうし、怒りっぽい人もいるだろうし、必要ないと思っても一応最後まで聞いてあげて最後に断る人など、本当にいろんな人がいる。
どのポイントでその人を気に入るかは100人いれば100通りあると思う。
私は、「みんなはこうしている」という勧め方をしない人、白髪を染める暇なく働いているが、ちょっとしたおしゃれは楽しみつつ、相手の希望を正確にくみ取れる人、そして完璧じゃない人が気に入っている。
そして、話題の有名な声優に似ているというだけで気に入ることもある。
自分の気に入った人と大事な契約をしたい。
住宅ローン問題について、今の私が分かっているのはたったそれだけである。


さて、もう契約目前!


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