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新しい一人旅様式 GOTOソロトラベル

はじめに断っておくと、コロナの感染拡大はGOTOのせいだとか、そうじゃないとかをここで語る気はさらさらない。

とある元政治家から一人旅をこのようにフィクション扱いされても別に腹も立たない。買春する元知事だって私も見たことないし、買春するような人に一人旅の醍醐味について理解してもらえるとも思っていない。

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ネットでは一人旅好きの人たちがこのつぶやきに対してたくさん反論していたが、実際、一人旅を楽しむ人は極めて少数なのは事実である。
私が一人で旅に出ているという話を聞いて、私の周りの人や友達は「いいやん、いいやん」「私も一人で旅行に行ってみたいわー」とたいがいが口にするが、それで本当に有言実行で一人旅をした人は私の周りにはこれまで1人しか現れていない(それはこの人)
大半の人は一人旅自体を否定はしないが、決して自分ではやらない。
旅で知り合った旅仲間は当然一人旅をする人たちだが、日常で関わったり、実生活で仲の良い人たちの中には一人旅をする人は皆無で、それが現実社会なのだろうなぁと私は感覚的に思っている。
旅をすれば必ず一人旅の人と出会うし、キャンプに行けばソロキャンプをしている人をたくさん見かける。ここだけを切り取ると、世間には一人旅をする人が溢れているなぁと思うのだが、マイノリティが集まっているだけだと思ってもいる。
だから一人旅はあくまで少数派ということをわきまえつつ、話を続けたい。

私はこれまで一人旅が好きで、国内外問わずにふらっと旅をして生きてきて、コロナ禍で色々と自粛を求められる日々の中、これまでと同じように旅をして生きていくために、これまでと異なる旅の様式をとることにしたので10個挙げてみます。参考になるかは不明だし、やっぱり実行する人は現れないと思うけど何となく書いておくことにします。

1.持ち物に体温計とアルコールを追加

医療機関の端っこジャンルで働いているので、とにかく体温を測り、来る日も来る日も、一日中とにかくアルコールで手指消毒をしている。
それが安心して働くことに繋がっているため、旅にも持っていくことにした。
私は無理をし過ぎると熱を出しやすいので、旅先でも体温は朝晩測ることにした。妊活中でもないのにきっちり行っている。そして「Lo」という表記(普段は数字すら出ないほど低体温)を見て安心する。
また、アルコールスプレーも持参しポケットに入れて街歩きをすることにした。
今時、どこの店でもアルコールスプレーが設置されているから、それを使うことが多いが、店の入り口でプシュっとやるのは習慣づいてきたが、出る時に忘れることもある。しかし、店を出る時こそきっちり消毒したいので、ポケットのマイアルコールスプレーで歩きながらプシュッとやっている。

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ちなみに無印良品のマスクスプレーもミニボトルに詰め替えて、時々マスクにプシュッとやっている。シトラスの香りがいいリフレッシュになる。
写真の左端のは、2019年になぜかフランスの薬局でいくつも買ったいい香りのするアルコールジェル。こんなに使うことになるとは思わなかった。まだ世界が平和だった頃。

2.交通手段は密を避ける

当然ながら。
電車内でクラスターは出ていないが、念のため人の少ない時間帯や車両を選ぶ。始発とか鈍行。そうなると青春18きっぷはベストチョイスな気がした。平日に旅をすれば、今は大体の交通機関は空いている。

3.なるべく歩いて旅する

歩ける範囲はなるべく歩いて旅をする。街ブラ、食べ歩き最高。もともとスペインを800㎞歩いて旅するくらい、私は歩くのが苦じゃないのでどこまでも歩く、路地裏や川沿いや森の中など誰もいない場所を求めて。最高。

4.ごはんの時間をずらす

昼ごはんが12時、夜ごはんが18時~19時頃からって誰が決めた?私は決めていない。
昼ごはん(1回目)を10時半やお店の開く11時に食べたり、夜ごはん(1回目)を16時~17時に食べたりする。そうすればお店はガラガラで混んでいないし、後の時間をゆっくり使えるからいい。2回目以降のごはんは食べ歩きで好きなように。

5.マスクをあえて外す隙を見つける楽しみ

「いついかなる時でもマスクを外すなよ」というマスク警察がウヨウヨいる街では、注意されないように常にマスクをしているが、半径10mに人が誰もおらず、絶景が見える場所ではひっそりマスクを外して深呼吸する。そうすると、とても生き返った気がする。開放感が半端ない。そういう場所を探し求めての街歩きはなかなか楽しい。悪いことではないのにキョロキョロして人がいないのを確認する背徳感すら楽しむ。

6.夜は宿の部屋で映画鑑賞

amazonのfire stickを持参し、部屋のテレビでプライムビデオの映画を楽しむのが夜のお楽しみ。キャンプではタブレットで見るし、家での楽しみを外に持ち出すのは、状況が変わるだけなのに結構楽しい。

7.温泉でストレス解消し免疫力アップ

温泉ももちろんほかの人が入りそうな時間帯をはずす。大体どこも空いていて独り占めできることが多い。
唯一の例外は、夕方に高山駅の近くの足湯に行った時。
家族連れがマスクもせずに足湯をしながらお喋りをしていてとても嫌だった。座る位置をびしょびしょに濡らしている子供がいてそれも非常に不愉快だった。注意をしようかと思ったが、マスクをしていない集団に無駄に喋らせることになるからやめた。まったく癒されず余計に疲れてすぐに足湯から去った。人がいる時間に人がいる場所に行くと、こういうことになるよなあとうんざりした。リスク管理を優先し、言いたい言葉を飲み込んだり我慢する場面にも出くわすが、これまでとは違うのだから仕方ないと思い無駄な飛沫を飲み込んで無言で立ち去るようにする。

8.アルコールで体内も消毒

高山では酒蔵巡りをした。ドラマ「ワカコ酒」で見かけておいしそうだったから。200円前後払って日本酒を試飲させてもらい、また別の酒蔵へ。これを繰り返しながらほろ酔いでも手指消毒は忘れないようになっていたから我ながら大したもんだと思った。体内はさまざまな日本酒にてアルコール消毒済。それくらいの気持ちの余裕も必要。

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9.ソーシャル・フィジカル・メンタル・ディスタンス

とにかくディスタンス。
人の少ない方法や場所、時間帯を選ぶ。
ガラガラのバスの車内で意識せずに近くの席に誰かが座ってきたら、どう思われても構わないぜ、と腹をくくって席を移動する。
広いお店で、なぜか隣の席に別の客が座ってきたら、さっさと席を移動する。みんながみんなディスタンスを意識しているわけではないということを旅をして気付いたので、自分を守るためにも気にせず離れることにした。
自分の言動を非難しそうな人やズカズカと心に踏み込んでくる人ともメンタルで距離を置く。自分と心の中で対話しまくる。
だけど、話したい人、話しても大丈夫そうな場所なら、旅での貴重な出会いとしてお喋りをする。距離には気を付けて。

10.人にむやみやたらに旅をしたことを言いふらさない

これは案外大事だったりする。
私は仕事の休みの日にどこを旅しているかをもともと職場の人に一切話さないタイプなのでそれを続けているが、身近な人でもコロナに対する捉え方や向き合い方にかなり幅広く個人差があるとこの1年で感じた。
気をつけつつ、割と普段と変わらず人とごはんを食べに出かける人もいれば、ずっと誰とも会わないで暮らしている人もいる。最近のしめちゃん(私の友達)なんかは後者で、私も一切、友達とも家族とも会っていないし、外食もほとんどしない。
ただし、私はしめちゃんと違って一人旅だけを例外としている。旅でだけ、一人で外食をしている。しかし、その例外すら許されにくい世の中なので、もうしばらくは、あまり旅をしたことを言いふらさないのがトラブルを避けるためにも無難な気がしている。それがお互いのため。


なんとなくまとめ

私の場合、仕事柄、職場では神経質なくらい感染予防を常に考えて行動しているが、仕事終わりや休みの日の、のんべんだらりと普段の生活をしている時間は、どうしても感染予防対策への意識が薄くなっている時がある。
そこで、一人旅である。
旅をしていることで、万が一、コロナに感染したら、「ほら見ろ」と言われることになってしまう。そして濃厚接触者を特定するのがとても困難になるし、あらゆる方面に迷惑をかけてしまう。それだけは絶対に避けないといけないという任務と使命感が加わるため、ただ日常生活を送るよりも緊張感を持って一人旅をしながら感染予防を徹底しようと思って過ごせる。
これは屁理屈と言われるかもしれない。ただの自分の無責任な行動の正当化と思われるかもしれない。
だけど、だらしない私が、日々の生活の中でのスーパーでもコンビニでも駅のトイレでも職場のトイレでも満員電車でもマンションのエレベーターでも完璧に毎日感染しないような意識で過ごせているかと言われると、できていない。
どうしてもどこかで気を抜いてしまうし、常に気をつけていられるほどしんどいことをし続けるメンタルは持ち合わせていない。
旅に出ると、出る前も旅の間も帰ってきてからも、しばらくは自分の健康状態にいつも以上に気を配っている。
コロナになるわけにいかないし、まき散らすわけにいかないし、持って帰るわけにいかないから、とても気をつけることになる。なんとしても無事に地球に帰るのだ、という使命を果たす宇宙飛行士のような気分である。
結局、一人旅の時間は息抜きの時間として心のために必要だし、感染予防の意識を強めるためにも必要だと感じる。
屁理屈かな。
家にいた方が安全なのは分かる。しかし、それでいいのかという気持ちも浮かぶ。
想像力の欠落している人が、何が何でもGOTOはダメ、マスクはずっとしろ、と言う風潮の中、少し想像してみれば、一人旅をすることはそれほど責められることではないと思うんだけど、聞く人が聞けばこれは屁理屈になるのだろう。
今は緊急事態宣言下の大阪人なのでどこにも行かないが、これからは、社会情勢を見て、旅の仕方や内容などの枠組みは変える。しかし、自分のやりたいこと、生き方自体は変えない。
この二点にうまい具合に折り合いをつけていくことが、これからの旅人の歩む道なのだろうなあと思ったりしている。

これだけ長々書くということは、やっぱり冒頭の呟きに多少なりともムカついてるんだろうなと思う私であった。







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