筆の随に②

私は推理小説、特に探偵小説が好きだ。昨日、私は同僚のW君が岡山イオンの書店は推理小説の品揃えがヤバいという情報を教えてくれたので、行ってみた。いやはや、確かに凄かった。どれもこれも欲しいものばかりで、気づけば1万近く買っていた。
給料日を十日後に控えての散財、好きなものを前にして、狂喜乱舞。アホか、私は。
基本休日は車は乗らず、この日も琴電とマリンライナーで片道2時間くらいかけて行った。車内で読むのは、江戸川乱歩に鮎川哲也、フィルポッツ、どれもこれも推理小説だった。
そして私はその夜、忘れられぬ夢を見た。
夢で江戸川乱歩に会ったのだ、それも岡山イオンの推理小説の部屋で。話した内容こそ覚えていないが、覚めたくなかった夢だった。
なぜそんな夢を見たか、分からない。私の読んだフィルポッツの作品は『赤毛のレッドメイン家』、乱歩が万華鏡に例え、乱歩が選ぶ海外の推理小説ベスト10の1位だ。また、岡山イオンで買った本は、乱歩の盟友として、また日本の推理小説の発展に大きく貢献した横溝正史の作品集だった。そして横溝正史とともに、戦後推理小説を支えた角田喜久雄の短編集も買った。
私の老後、いや今の仕事を辞めてからの夢は、推理小説家だ。大袈裟な話だが、その夢と乱歩の探偵小説にかけた夢が共鳴したのかもしれない。そう書いて、作者はひどく赤面した。

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