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日本観光の体験商品 ー アンチエイジングという新たな需要

Norio Kodama 
PLACE Marketing Ltd.

マーケティングプランナー
運営推進コンサルタント

2023年8月10日、いよいよ中国は日本への観光旅行を解禁しました。
これから日本へのインバウンド需要は急拡大し、顕在化していく中で
日本側でも「観光という切り口での産業化」が求められます。
ここでは「日本観光における新しい体験商品」(新しい産業の核)となる
「アンチエイジング」という新たな需要について簡単に整理をします。

健康・美容・予防 ー アンチエイジング需要の高まり

コロナ以前より、日本の医療に対する信頼性や検診・治療需要は非常に高く
日本へのメディカル・ツーリズムはひとつの市場を形成しています。
近年はその周辺需要としての、健常者(旅行者)の「健康維持・増進」「美容」「予防」といったアンチエイジング需要が大きく成長しています。
日本における再生医療技術の進化、発展とともに、その技術を活用したアンチエイジング手法もさまざまに広がりを見せており、信頼性の高い日本で「再生医療の入り口を体験してみたい」という観光客が増加しています。

日本の主なアンチエイジング手法

ここでは難しい説明は控えますが、アンチエイジング手法のベースは「間葉系幹細胞培養治療」の簡易版で、間葉系幹細胞が培養される際の上清液を使って様々な効果を得る方法です。
この上清液にはエクソソームという成長作用の高い物質が多く含まれており、この点滴を受けることで「慢性的な疲労感」「お肌の老化」「不眠」「薄毛」などに一定の効果を発揮します。

アンチエイジング手法を観光プログラムに組み込む

こうしたアンチエイジング手法は、日本へのインバウンドでも高い訴求力を持ちます。とくに医療技術や医療サービスの信頼性の高い日本でこそ、大きな商品価値を持つものです。
観光プログラムの起点と終点にアンチエイジング体験を組み込み、まずは「再生医療の入り口を体験してみたい」というターゲットに対して
2~3週間の期間の中で、2~3回程度体験できるプログラムを設定します。
重要なことは安心感を持ちながら体験できる環境を提供していくことです。

プラスアルファの様々な付加価値を創出する

日本の観光資源との連携として、アンチエイジングと親和性の高い観光資源は多くあります。キーワードは「健康」「美容」です。
日本各地での様々なリラクゼーション、瞑想、ヨガ、温泉・湯治、SPA・サウナ、各種テラピー、エステティック、自然食材など、日本観光の中で体験する多くのアイテムと連携して、新しい付加価値を創出できます。
食や運動、温泉を組合せた「新しい健康増進プログラム」や、瞑想やヨガ、サウナを組合せた「マインドフルネスプログラム」、各種テラピーやエステ、化粧品と組合せた「美肌づくりプログラム」など、多くの滞在型プログラムをつくることが可能です。

※日本で利用できるクリニック、製造工場について

日本では、実施する再生医療計画書が厚生労働省に受理されたクリニックのみが、こうした再生医療行為を自由診療の形で行っています。
また間葉系幹細胞培養上清液は生きた細胞を含まないことから、再生医療等安全性確保法の対象とはならないため、より信頼性の高い製造工場で厳格な製造過程を経てつくられた製品を使用することが重要です。



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