通勤電車

2 隙間へ突進する女
通勤電車にもやっと慣れて来たある日の事でした。相変わらずぎゅうぎゅう詰の電車の中でじっと我慢して立っていました。
次の駅に停車すると、ドアが開いた瞬間、誰かが突進して来たのです。
私が思わず怯むと、何と小柄の若い?女性でした。
「どうしたんですか?」
女性はただ一言。
「あそこへ行きたいんです」
そう言うと、混雑している右手前方を指差しています。丁度、右前方に隙間らしき空間が少しだけ見えています。
「あそこへ、行くのは無理ではないですか?」
私が怪訝な顔をしているのを、知ってか知らずか、彼女は小柄な体を更に低くしてあの隙間へ突進して行きました。
「すごい!!」
ある意味感動です。私も東京勤務頑張らねばと、思った瞬間でした。

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