大学生の息子たちへ伝えたいこと 答え一択の質問に答える編
例えば、大学時代。
同じフランス語の授業を取っていたクラスメイトに、試験前、「フランス語のノートを貸して」と頼まれた時。
「2回ほど欠席したので、すぐコピーしてくるから、前期のノート、全部貸してくれない?」と彼女は手を差し出してきます。
「病欠2回分のノートなら貸すけど、全部貸すのはイヤです。他の人にあたって」と私は答えました。
しばらくしても、彼女の気配が消えないので、怪訝に思って彼女を見上げえると、手を差し出したまま、ポカンとしていました。
「?。私はフランス語のノートをあなたには貸さないよ。フランス語を取っている他の子に頼んだら?」と、先ほどより丁寧に繰り返しました。
「え?断るの?」と、彼女は驚いています。
「私たちは、単なるクラスメイト。私が前期勉強した成果をあなたに貸す義理はないです。だから、貸さないです。」と、はっきり伝えました。
彼女は、信じられないという風情で私を見て、よろよろと教室を出ていきました。
私は彼女が嫌いではなかったし、むしろ明るくて感じのいい人だなと当時思っていました。
私のノートを全コピして、試験に備えようという彼女の態度がイヤだったんです。
学生なんだから、ちゃんと、フランス語を勉強して下さい。
例えば、結婚して2年目、20代後半。
帰省時、義母から「私のこと、好きかしら?」と訊かれた時。
この時、「好きか嫌いか考えたことはありません。お義母さんとは、夫と結婚して自動的に生じた関係性ですから」と、直球では答えませんでした。
目の前の義母は、告白の返事を待つ風情で座っています。
好きではない人に、「好き」とは言いたくない私が必死に考えて出し答えは、「嫌いではないです」でした。
本心を可能な限りオブラートに包んでお伝えしたのですが、義母は泣いてしまいました…。
「好きかどうかなんて、本人に訊くな!それは感じるものでしょ!」と言いたかったけれど、義母に言い訳もせず慰めもせず黙っていました。
私は、深く物事を考えずに生きている実の母より、聡明できちんとした義母の方が好きでした。
今思えば、私も嘘をつかず、義母のプライドも守られる第三の道、「母よりもお義母さんの方が好きです」がベストアンサーでしたね。
もう、母も義母も鬼籍に入りました。
経験値の低かった20代の私を許して欲しいという気分です。
答えが用意された質問は、私は命令と感じます。
けれど、それに従うかどうかの選択権は、私にあります。
やりたくないことを引き受けて、いい人を演じる必要はない。
私は、相手に忖度せず、答え一択の質問にも、自分を尊重して答えてきました。
これができるようになると、相手が自分の要望を受け入れなかった時も、相手の想いをすんなり受容できるようになります。
自分に嘘をつかせないコミュ力、早く身につけると、断然生きるのが楽になります♪
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