職場での「雑談」が最強である理由

雑談が好き

僕は「雑談」がすごく好きなので、近くの席の人とよく話すし、さらにオフィスをふらふらと歩きまわって、色々な部門の人とも話をする。

内容は様々で、いま進めている仕事や事業の状況などについて色々と意見を交わすのはもちろん、趣味の話など仕事に関係ないこともざっくばらんに話す。

例えば、席が隣のチームメンバーとは、事業の状況や課題、そこにどういう施策を打つことができるのか?自分が考えているアイディアをどう思うか?最新の経営手法はどうやって実務に落とし込めるか?などなど普段から考えていること、頭に浮かんだアイディアを自由に話し合っている。

また、部署のメンバーや他部門の人とも、今やっているプロジェクトの内容や困っていることをコンサルの人から聞いたり、他部門の人には新しい施策の背景や内容について話を聞いたりする。

こういう「雑談」は、僕が仕事でうまくやるには不可欠なのだけれど、では「雑談」のなにが良いのだろうか?

雑談でアイディアが浮かぶ!

まずは、雑談によって、自分の考えていることが形になったり、新しいアイディアが浮かんでくるという点。

いつも思うのは、自分が何を考えているか、っていうのは案外自分もよく理解していないということ。頭の中で考えているだけでは、それは明確な形を取っていないので、なかなか「実行」にまで落ちてこない。また、考えているアイディアが本当に良いものなのか、というのもなかなか確信が持てない。

それが自由に「雑談」をすることで、考えが形になってくる。私も誰かに話しながら「あれっ自分はこんなこと考えてたんだ」と思うことがよくある。この感覚は面白くて、まるでジャズのような「即興性」がある。会話それ自体からなにかが「立ち上がってくる」感じ。

さらに、話しながら相手の表情やしぐさを見ることで、自分の言っていることが他人にどう響くのかも知ることができる。これで、自分が考えているアイディアがいけそうか、だめそうかの感覚を掴める。人間は、言語だけでなく、表情やしぐさ、声のトーンなど様々な要素から認知しているので、雑談の「リラックス」したムードが相手のガードを下げて素直な反応が貰えるのがありがたい。

これは私がミーティングを嫌いなのとも繋がる。ミーティングでは多くの人がどこか「よそいき」になる。自由に思ったことを話すよりは、場の「コード」に従った発言になりがちで、なかなか本質的なところを話し合うのが難しい。

雑談でコミュニケーションが深まる!

もう一つの良いところは、コミュニケーションの潤滑油になってくれること。

「雑談」なので、仕事だけでなく、趣味や最近関心のあることについても気軽に話せる。最近フルマラソン走ったんですよ、と私が言えば、相手も興味を持ってくれて、そこからお互いの趣味の話をしてパーソナリティをより深く理解できたりする。

この点に関連し、「職場の人間科学」という本で、バンク・オブ・アメリカの事例で非常に面白いものがある。

 同社のコールセンターで、違う地域にあるセンター間で生産性が異なっていた。この違いを生み出す原因を探るために、バンク・オブ・アメリカは調査を依頼した。

ウェアラブル・デバイスを活用しセンターの従業員間のコミュニケーションを測定した上で分析して分かったのは「集団の凝集性」、つまりその組織にいることに魅力を感じて、動機づけられているか、が鍵であるということ。

さらに面白いのは、その凝集性を高めるのは「昼休みのコミュニケーション」だったということ。

結果は一目瞭然だった。高い凝集性を生み出していたのは、公式な会議でもなければ、デスクでのおしゃべりでもなかった。凝集性を高める交流の大部分は、デスクから遠い離れた場所で、同じチームの従業員の昼休みが重なるほんの短い時間に起こっていた。「職場の人間科学」p141

これは非常に興味深い結果で、コールセンターというと、効率化の徹底によるROIの向上、というのがお題目になりがち。しかしその生産性を高める重要なポイントが「おしゃべり」だったわけだ。

これを踏まえて、このコールセンターは、同じチームの全員が同じタイミングで一日15分間の休憩を取れるように設定する。結果として、3ヶ月後同じチームの凝集性は18%上昇した。

 これに似た事例は多くて、「タバコ部屋」が上下隔てなく話ができて、情報交換やコミュニケーションの貴重な場として機能している、というのも多くの人が知るところ。

また、Google以降にハイテク企業が、居心地のよい「オープンな」オフィスを準備して、従業員間のコミュニケーションを促進することに気を配ることも普通になってきている。

 

以上見てきたように、「雑談」をうまく活用することで、仕事の質があがったり、他のメンバーとうまく物事を進めることができる。無駄な会議に時間を取られるくらいなら、コーヒー持って色々な人と気軽に話をしに行ける組織がやはり強いよなと思っている。

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とくさん

グローバル経営の極北 @note

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コメント2件

とても参考になり、ツイッターでシェアさせていただきました! ありがとうございます。
いつもありがとうございます。
普段思ってやっていることが書かれていて嬉しかったです。
いざという時に役立つ社内ネットワークにもなっています。
とかく、サバサバしがちな外資なのでこうしたWetな関係性は最強と私も思います。
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