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ジャズを軽く聴き始めたい人への軽い名盤紹介㉑ 渡辺香津美『MOBO』(1983年)

こんにちは。

第20回を超えて21回目となりました。
ここで日本人のジャズを一発。

渡辺香津美の『MOBO』というアルバムです。(二枚組)

ディスク: 1
1 上海(モボ1号)
2 ヤトケサ(モボ3号)
3 アリシア
4 ボヤージ
5 ハーフ・ブラッド
6 遠州つばめ返し

ディスク: 2
1 アメリカン・ショート・ヘア
2 モボ2号
3 急がば廻れ
4 オール・ビーツ・アー・カミング(モボ5号)

メンバー
大御所=スライ&ロビーのベーシスト、ロビー・シェイクスピア
ドラマー、スライ・ダンバー
そして当時は売り出し中、今や超大御所、ベーシストのマーカス・ミラーとドラマーのオマー・ハキム

マイケル・ブレッカー
(t-sax)
ケイ赤城
(pf)
ドン・グロルニック
(kb)


変態的バンド形態

このアルバムは、ダブルベースにダブルドラムスという、超変態的な編成により録音されています。
かといって、俺が俺が、とリズム隊が超うるさいわけではなく、そこは良く抑えて演奏されています。妙に淡々としています。
時々、おそらくマーカス・ミラーでしょうか、オカズを差し込んでくるぐらいなものです。

そしてこのアルバム、テープを回しっぱなしにして次から次へと繰り広げられるインプロビゼーションを録音していったという、緊張感半端ない作品であります。
こんなやり方も変態的ですよね。

先ほど「抑えて」と書きましたが、抑えてというと、香津美氏のプレイも Disc1の1~3、Disk2の1~3までは全体的に抑え気味のようなプレイですが、Disc1の4曲目「ハーフ・ブラッド」と5曲目「遠州つばめ返し」では熱いソロが聴けます。
Disc2では、ラスト曲が大いに盛り上がります。
この「遠州つばめ返し」ですが、二部構成になっている曲で、私が大学時代に組んでいたロックバンドで練習の合間によく演奏してたんですが、合わない合わない💦なぜか誰かがずれる。という、僕らにとっては難関曲でした。

話が先に行っちゃいましたが、とりあえず、Disk1から聴いてみましょう。

1. 「上海(モボ1号)」・・・マイケル・ブレッカーが突っ走ってくれます。
2 「ヤトケサ(モボ3号)」・・・淡々とした曲で、香津美氏のプレイも後半こそ少し盛り上がりますが、あとは淡々と終わります。
3曲目も特筆するようなことは起こりません。
5 「ハーフ・ブラッド」では上述しましたように、やっと香津美氏覚醒、とともに二人のドラマーも主張しています。
6「遠州つばめ返し」に関しては上述の通りです。

Disc2に移りましょう。まず「アメリカン・ショートヘアー」は、淡々とリズムを刻むベースが妙に心地よい曲です。テンポもいい塩梅。
途中は割愛して、ラストの「All Beasts are Coming」は全員がこの時ばかりと、主張合戦し、大盛り上がり大会で終わります。曲も長めです。好きだなーこの終わり方。

というところで、今日は短めに終わりますが、ご購入の際に気を付けたいのは一枚の『MOBO』と二枚組の『MOBO』が存在しています。
一枚の方は1983年発表の『MOBOⅠ』と翌年発表の『MOBOⅡ』があります。
二枚組の方は『MOBOⅠ』と『MOBOⅡ』が一緒になって、曲順なども再編成されています。
オススメはやはり二枚組の方ですね。

本日も最後までお付き合いいただいた方々に感謝いたします。


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