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読書感想文 血液型で読み解く芥川の『羅生門』

 平安時代の荒廃した京都。京都は典型的なA型の町。その荒れた京都を象徴する崩れかけた羅生門。首になった下人も典型的なA型人間。やたらと倫理観が強い。しかし意志は弱い。
 そんなA型の下人が遭遇するのは緊急避難。自分が生きていくためには犯罪をおかすのは、やむを得ないんだという老婆(たぶんB型)の理屈を前にして、それなら自分も許されるだろうと、簡単に最初の考えを翻してしまう。なんというアイデンティのなさ。これはA型人間の欠点として芥川が感じていたことであり、自分自身にも感じていたんだと思う。


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