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十代の頃のあたしのアイドルさ


魔法を信じるかい ミスターメロディ・杉真理の全軌跡


どうやら私だけではなかったらしい。
そりゃそうだろう。
自分の気に入った本や音楽を薦めてはいけない、と自分自身に云い聞かせているところがある。
そう思っていてもやってしまうが。
つい最近もやってしまった。
こだまさんの本を人に薦めてしまったのだ。
しかも読んで即、薦めた。
何ならまだ自分が読んでいる途中でもあった。
これはいい、と思って、こだまさんのエッセイ集をとても近い人に、
この作家の名前を覚えておくがいい、読んでご覧。と云ったのだった。

幸運なことに相手はその本をたいへん気に入ってくれて、ホッとした。
なぜ人に薦めないようにと思うか。
かりに薦めようとする相手が、私のことを嫌いだったとしよう。
まあそういうことは往々にしてあることだが。
で、話の成り行きで私が最近気に入っている作家やミュージシャンを口にした時、相手は私のことを嫌いなんだから、そいつが紹介してくる本や音楽なんぞ絶対に読んだり聴いたりするもんか、という心持ちになるだろう。
そういった流れが容易に想像出来るのだ。
たとえ親しい仲でも、つまり相手のことを特段嫌いでなくとも、人に紹介されるコトやモノを、忌み嫌う性質の方は一定多数いるように私は思う。

ヒトは「自分が発見、または掘り出してきた表現者」に入れあげる傾向があるのだ。

妄想かもしれない。
素直になりたい。
恋はいつもリズム&ブルーズ。

佐野元春の、須藤薫との思い出エピソードがとても面白かった。
佐野さんらしいな、と思った。
ラジカセを返さない、っていう。
そして杉真理の突っ込みもバツグンだ。
杉真理はコントも書いていると本書にあるが、きっとおもしろいと思う。
この人の音楽性はもちろん、笑いに対する考え方はきっとそんじょそこらの放送作家を蹴散らすものがあると私は思っている。
きっと、彼のお母さんが面白い人なんだ。
そうに違いない。
これは遺伝だ。
笑いのセンスは。
サービス精神と。

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