わたしたちはみな、病気なのだから
ペニスのいちばん先端部分を、舌の先でもてあそばれているような感覚で僕は彼女と向き合っていた。
アルコールのせいではない。
彼女との会話はまるで性行為そのものだった。
そこには台本も段取りもなく、すべてはLIVEだった。
どこにどう転がっていくのか判らない会話。
拡がったり、フェイドアウトしていったりの繰り返しで時間は過ぎていった。
ある話題には満開の桜花が咲き、また違ったやりとりは深い沼の中に沈んでいった。
沈んでいった可哀そうなコンテンツは人知れず、暗い森の中で人知れず、人