「権威」は説得に便利だが、キミをバカにもする。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかも知れない利益:コミニケーションにおいて「権威」が果たす役割についての視点。権威の上手な使い方。権威に上手に距離を取る方法。
「権威」を使えば人をだませる
昨日、経済理論について語った。日経という言葉を出した。両方とも「権威」なんだ。今日の結論は、高校生よ、権威は毒にも薬にもなる、という話だ。
人は権威に弱い、経済学という権威、何とか賞という権威、日経という権威。
そして、流行りのものに弱い。行動経済学なんて二重にそれだ。
偉い人がこう言ってた、有名な〇〇理論では、The Wall Street Journalがこう言ってた(笑)とか。権威を全面に出すと、人はキミの話に耳を傾ける。
人間は権威に弱いのだ。ブランドに弱いと言ってもいい、ブランドとは確立された評判のこと、つまりこれも権威だからだ。
コミニケーション理論、これもまた権威に過ぎないのだが、これによると、話し手のステイタスで、相手が話を聞く度合いが違ってくるという。
例えば専門家とか、教員とか、研究者などの肩書があると、話を聞くのだという。
コミニケーションとはなんてことない、こちらに権威があることが、コミニケーションの秘訣だったんだ。なんて俗物的な理論なんだろう。
権威を盲従する受験勉強は頭を悪くする
だから人は巧みに、権威を使って君を説得しにかかる。気を付けた方がいい。
多くの日本人は、権威に瞬間的にひれ伏す。「ノーベル経済学賞をとったあの先生によると」、などと聞けば、疑わない、自分で考えることを放棄する。
そういう国民性だから、受験勉強がピッタリあってる。受験勉強って、教科書=権威を奉る作業だからだ。考えずに、権威の言っていることを覚える、暗記するだけだ。
権威をそのまま暗記する勉強=受験勉強はやればやるほどバカになる、
君たちくらいは権威を否定してくれよ。
まあいいさ、そうは言っても目先の大学受験は、教科書という権威を上げるのが「勉強」だから、いまはそれに付き合いなよ。
でも大学に入ったら、それはダメだ。
俺の授業は権威を肯定したら☓、批判して自分の意見や理論を出したら◎をつけるよ。大学はまず自分で考える習慣をつけるところだ。
権威を検証せよ
権威に本当の実力があり、信頼に足ればいい。
でも、それを証明する手立ては、ない。
それどころか、権威はある方面に認められてきたから権威なんであって、すでに実力、信頼があるとみられている。
でも、たんにそれは学会の形式的なお約束をクリアしているだけであったり、声が大きいから名前が売れただけであり、年齢を重ねて空虚な肩書だけもらったから、権威であったり、今の変化に適合してない昔のスタンダードを満たしているだけの権威、なのかもしれないのだ。
日経がこう言ってるからって、有名な経済学者がこう言ってるからって、それをうのみにするならば、単に権威をなぞっているだけだ。
常に自分で考え、自分の考えを持たないといけない。
権威を上手に使え
権威について、持ち上げたり、けなしたりして、お前は何が言いたいんだと言われそうだ。僕の結論はこうだ。
・権威を使うと、耳を傾けてもらえる、読んでもらえる
・しかし、権威を疑え。そこで君の頭脳がまた開発される
・権威のよって来るところを分析せよ。それは昔話か、大声か、はったりか、それとも形式なのか。
じっと見たり、聞いたりすれば、それがわかってくる。
実力ある権威は、使える
僕も確かにThe Wall Street Journalという権威を使うけれど、それを押し付けたりはしないよ。
それについて自由に、けっこう縦横無尽に考えていて、君たちにも考えさせているつもりだ。
しかし、The Wall Street Journalという権威を利用していることは間違いない。それってどうなの、って話でもあるけど。
しかし、The Wall Street Journalは本当の実力を持ってると思う。比べやしないさ。(笑)
僕が考える、実力のある権威の特徴をあげてみる。
1.自分の考えを押し付けない
2.多様性、多面性を重んじる
3.莫大な情報量から分析、エビデンス(証拠)、事例を豊富に示す
しかし、もうその権威も、紙の媒体では僕の家にやってこない。本当の実力ある権威よ、戻ってきてくれー。
最後まで読んでくれてありがとう。
じゃあまた明日ね。
野呂 一郎
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