世の中の変化を知りたければ、マクドナルドでJKに耳を澄ませ。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:昨日の米ステーキハウスの件で言い忘れたこと。それは変化の兆しをどうとらえるか。それは現場に行って、人の話に聞き耳を立てるだけでいい。
変化をとらえるには聞き耳を立てよ
昨日の米コーヒーハウスで書き忘れたのは、この2年間アメリカのステーキハウスでの客の行動は変わってきており、それにいち早く気づき、対応したオーナーのあっぱれさ、です。
少し前に「事件は現場で起こってるんだ」と申し上げましたが、まさにそれを実践しているんですね。
現場とは、人と人がコミュニケーションをかわしている局面です。
アメリカのステーキハウスでの”改革”は、オーナーが日頃お客さんとコミュニケーションをよくとっていたせいです。
間違っても、タッチパネルなんかは使ってないでしょう。
タッチパネルは、店と客のだいじなコミュニケーションをゼロにして、経営にとって最も大事な「客からのフィードバック」を拒否する行為にほかなりません。
雑談にこそ変化や本質が隠されている
ステーキハウスハウスで、居酒屋で、カフェでくつろぐお客さん同士の何気ない会話も、世の中からあなたに送られてきたフィードバックなのです。
客同士の何気ないやりとりにこそ、世の中の変化や物事の本質が隠されているのです。
ギャンブル漫画の金字塔「カイジ」の作者、福本伸行先生の手になる「銀と金」こそ、カイジを超えた傑作だと信じて疑わないのですが、その漫画の主人公の森田鉄雄が、一攫千金をもくろみ、ホテルのコーヒーショップで客同士の会話に耳をそばだてるシーンは、その象徴だと思うんですよ
森田は客同士の会話から「絵画がいま、金になる」とひらめいたのです。
彼は金満家を装い、会話の当事者である画商に近づき、男が商っているセザンヌの絵を、知謀を使いまんまとせしめるのです。
マクドナルドでネタを仕入れる女漫才師
ある女性コメディアンは、マクドナルドで女子高生同士のおしゃべりに耳を傾け、今学校で、若者たちの間で何がおこっているか把握し、それをネタにしています。
僕は電車の中で、サラリーマン同士の会話が始まると、ニューヨーク・タイムズを読むのをやめて(笑)、話に聞き入ることにしています。
話の断片から、世の中で何が起きているのかがわかりますし、お定まりの人間関係が見え、人の世のはかなさを思うのです。
友達の愚痴は大衆の無意識である
変化に気がつくもう一つの現場は、ほかならないあなたと友人との会話の場面です。
そこで、大事なことは、友人の愚痴を聞き流さないことです。
友人が千葉県の稲毛というところに引っ越しし、最近その新天地の愚痴を言うんですよ。
若い皆さんは、「どうせ中高年のおっさんだろ、そんなこと言うのは」とおっしゃるでしょう。
でも、中高年の一員である僕には、友人の言葉が「世論」のように感じたのです。
「世の中は気のおけない、昭和風の定食屋を求めてるんだな」、と、気がついたのです。
かのカール・グスタフ・ユングの理論を借りて理屈を言えば、個人の意識は全体の集合的無意識と繋がっているからです。
データvs現場
データドリブン経営がもてはやされてますね、何でもかんでも科学的データによるべきで、経営の意思決定もそうなんだとか。
いや、そうじゃないでしょ。
経営って現場の声を聞くことでしょ、それで変化を確信することでしょ、ってきょう僕は言いたかったんです。
ソニーの元CEOのこの人の声を聞け、って言いたいですね。
野呂 一郎
清和大学教授
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